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音楽と映像と詩情が胸をうつ📽️『シンペイ歌こそすべて』


昭和の音楽家と言えば、古賀政男や朝ドラ(エール)になった古関裕而を思い浮かべる人は多いのではないだろうか。
しかし、明治に生まれ大正から昭和にかけて2000もの楽曲を世に送り出した音楽家がいた。その名は中山晋平。

名前こそ知らなかったものの作曲リストを見てみれば「シャボン玉」「アメフリ」「肩たたき」などの童謡から「カチューシャの唄」「ゴンドラの唄」「東京音頭」などの流行歌など、平成・令和生まれでも知っているであろう曲のオンパレードだ。

しかも、出身地は長野県。長野県は私にとって第二の故郷と思っている土地なのである。「信濃の国」のCDを持っている私なのになぜ知らなかったのだろう?

長野県の県歌。(作詞:浅井洌、作曲:北村季晴)

信濃の国

それはさておき、本題は映画である。
主演をつとめるのは中村橋之助。言わずと知れた歌舞伎界のホープであるが、映画初出演にしてみごと18歳から65歳を演じ切った。

その他、主要キャストの緒形直人、渡辺大、三浦貴大のほか、短いシーンに至るまで役者陣の采配が細やかに行き届いている。ここに書ききれないほど名前のある人が数多く出ているのに全く演技が邪魔しあわない。
とくに緒形直人の役はやや癖のある人物なのに我を出し過ぎないところが抜群の匙加減。妻役の高橋由美子も上手かった。それから中越典子。みなさん気配を消しているというのか、役者の誰というのが感じられなかった。

そして、音楽映画に特化しているところも良かった。ドラマの部分をことさらにクローズアップせず歌がふんだんに使われているのだ。
70-80代の方々にとっては人生と密接に結びついているのではないかと想像する。試しに80代の母に「カチューシャの唄、作った人知ってる?」と聞いてみたら食い気味に「中山晋平やろ!知ってる、知ってる」と返ってきた。

私はここに登場する流行歌をリアルタイムで聴いた世代ではないが、おそらく童謡は「みんなのうた」などでも流れていただろう。もの心ついた頃から自然と耳にし、幼少期に子守唄として聴いたり、学校で歌ったりしてきた唱歌の制作過程や本作でのアレンジを改めて映像で味わってみると、とても新鮮で詩情がストレートに伝わってきた。とくに「アメフリ」のアレンジが素晴らしく、エンディング曲は胸に沁みた。
老若男女すべての人が楽しめる作品だと思う。
近く、大阪と長野で上映があるのでお近くの方はぜひ!


9/27(土)大阪 第七芸術劇場 舞台挨拶付き上映会
10/3(金)長野 須坂イオンシネマ グランドオープンにて上映予定

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