B'z 「孤独のRun away」 歌詞解読

Just Run away!止めないでよ 後悔は少なめのMy life!

という出だしでおなじみのこの詩。好きな詩の一つです。B'zにしか歌えないんじゃないかって感じ。

雨上がりの明け方 とっくにお前は消えていた 電話もよこさないで

大好きだった女 飲み仲間 順調だった仕事まで

何もかもほったらかし

この3つは、男が立ち去った後の状態。何もかもほったらかし。別れの挨拶なんて全くなくて、男は突然失踪したようだ。男は標準的な社会人。とてつもなく順風満帆に暮らしていた人だった。周りから見ると羨ましいくらいの平凡さ。しかし、それをすべて投げ去って行った。
一体どうして、こんなことになってしまったのだろうか。


何が嫌だったの 金なの? マンネリなの?

今頃お前はどっかで叫んでる like this

男が去った理由は、他の人にはまったくわからない。お金に困ったから借金苦で夜逃げしたのだろうか?それとも、女付き合いがマンネリ化してしまったのだろうか?飽きてきたけど別れを切り出せなかった?彼の行動の理由を一生懸命考えてみると、男が日ごろから言っていた言葉が浮かんでくる。

Just run away 止めないでよ 後悔は少なめのMy life
許されないのはわかってるつもり
世間のしくみに とても勝てないから

どれだけ変わった男であったとしても、この歌詞と全く同じ文句を日ごろから並べていたとは思えない。

「Just run away!  止めないでよ! 後悔は少なめのMy life」

なんて日頃から言っている人なんていないよね? こんな人おる?

これはきっと歌詞としてリズムがよくなるように、整えられたんだろうなって思う。違うかもしれないけど。

ここで重要なポイントは、男が『後悔は少なめのMy life』なのだと主張していることだ。男にとって、どのように生きることが後悔の少ない人生だったのだろうか。それをこれから追っていきたいと思う。

 後悔には2つの後悔がある。行動をしてしまったことへの後悔と、行動しなかったことによる後悔だ。

 行動をしなきゃよかったと後悔する。

 すればよかったと後悔する。

 この歌詞に出てくる男が持っている後悔は、どちらかというと、後者である。どうしてそんなことがわかるのかって?行動をすればよかったと思っているから、失踪した。後悔は少なめのmylifeと言うからには、失踪したことによって、後悔することを避けたと考えられるから。だから、失踪しなければ、行動しなかったことになるわけ。それだと後悔してしまう。もちろん、失踪することが目的であるわけじゃない。失踪は結果として、周囲からそう映っただけであり、その男自身は、そこから立ち去って、自分の別の目的を遂げたかっただけのことだ。

 男が実際に行動に出たということは、まだ取り返しがつくと判断していたからこそだ。男が感じていたのは、既に過ぎ去ってしまった過去のことなのではなく、未来のこと。自分がこのままでいると、将来絶対に後悔する、という後悔の予感である。

 行動をすればよかった・・・。と後悔することを避けるために、今行動に出たのだった。

 「Just run away!  止めないでよ! 後悔は少なめのMy life」

 というのは、そういうこと。


  例えば、サッカーの試合で、アシストをするか、そのままシュートをするか・・・。点を決めたい。自分が決めたい。アシストの方が確実に決まる。でも、自分がシュートしてしまった。自分が決めたかったから。そのせいで、ゴールをはずしてしまった。もう後の祭り。その時間は、もう戻ってこない。

 この時、自分が決めて得点したい、という欲望と、アシストでもいいから得点したい、という二つの欲望がある。欲望は一つとは限らない。

 どのルートをとったにしても、絶対に満たしたいのは、得点を取ることだ。しかしながら、アシストで得点できたとしても、その後で、自分がシュートしておけばよかったな・・・という後悔は、いくばくか残るものである。

 しかし、得点できなかったときは、より大きな後悔をすることになるはず。

 男は、後悔をするにしても、少ない方を選択する。そういう主義の男である。サッカーの場合は、確実にアシストをするタイプ。

 さて・・・とは言ったものの、この例えはそのままこの男にあてはまらない。この男は、結果がどうであれ、その時自分がシュートを打たなかったこと自体を後悔する・・・。自分としては、こちらの方がこの男の性格にマッチしていると感じている。

 少しごちゃごちゃとしますが、後悔というものに対する私の意見である。

 1.やらなかったときは、やっとけばよかったと思う。

 2.だからといって、やっとけばよかった、と思うことをした場合には、やらなきゃよかったと思ってしまうかもしれない。

 3.同様に、やらなきゃよかったと思っていたことを、やらなかった場合には、やっておけばよかったと思うかもしれない。

 選択肢が目の前にある時に、人が迷ってしまうのは、どちらも後悔する可能性を感じているからだ。

 しかし、1.2.3を考えれば、後悔とは必ず起きるものだということがわかる。後悔は正しい方を選択したから感じなくなるのではない。

 後悔を感じないで済むのは、その結果を自分が受け入れる心構えをもっているかどうかである。自分がその結果に対して、心から納得しているかどうかだ。

 例えばクイズ問題で、正解と不正解がある。〇×問題。この場合、不正解を選んでしまうと、「逆の方を選んで置けばよかった・・・。」と思うだろう。逆に、正解を選べば、「こっちを選んどいてよかった。」と考える。この場合、普通は、正しい方を選択したからこそ、後悔しなくてすんだのだと考えてしまう。

 しかし、それは誤りである。正解を選んで後悔しなかったのは、正解を選んだからではなくて、その結果を自分が受け入れること自体が、既に決まっていたからだ。

 その結果に納得しているからだ。人は皆、正解したいから、当然である。

この詩の最後の言葉はこうである。色んなものを失っちゃったかもしれないけれども、I'm alright! (納得済みさ!)

この歌詞を最後に持ってきたのは、さすがB’z。彼らは後悔というものが克服される条件を知っているのだ。

 まとめるとこういうこと。

 後悔は、正しい道を選んだからしなくなるのではない。その結果に納得がいかない場合に発生するのだ。


 では、話を元に戻す。

 それにしても、普通の人から見れば幸せに見えるこの男の人生。どこに後悔を感じる必要があるのだろうか。

 今の生活を全て投げ出した。後悔は少なめのマイライフなんだ。ということは、つまり、今の生活を送っていると、却って後悔してしまうということを意味します。

 今のままの自分の人生を送り続けていれば、決して満たされることの無い欲求があることを意味しています。それは一体なんなのでしょうか。

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