鋼の錬金術師考察 ネタバレ注意
鋼の錬金術師・・・。これは非常に完成度の高い文学作品です。
注意:漫画の内容をベースにした考察です。他のところに情報があっても関知していません。
ネタバレ注意です。
ちょっと長くなりすぎたんで、二つに記事を分けるか・・・。一回40000字超えてセーブできなかったので結構削りました。
等価交換っていうことで、有料にしようかな。
あらすじ
エドワード・エルリック(以下エド) アルフォンス・エルリック(以下アル)エルリック兄弟はリゼンプールというド田舎で産まれ、幼少期を過ごす。
母親 トリシャ・エルリック(以下トリシャ) 流行り病で死亡
エルリック兄弟は、錬金術を学び、イズミ・カーティスに師事を仰ぎ、錬金術の腕を磨いた後、母親の錬成を行う。
結果は失敗。悲惨な結末を迎える。
錬成の過程で兄さんは左足を 僕は身体を全部持って行かれた
エドは左足を持って行かれる。
アルは全身・精神・魂を持って行かれる。
読者の中には、誰かと手をつないでいるニヤついた顔のアルの絵が不自然に映っただろう。これは本当にニヤついていた。右手を差し出していたのはアル ニヤついていたアルは、アルの真理の扉の前にいる透明人間だった。
人体錬成はエド主体で行われた。
アルは材料と見なされたと思われた。
だが、正確には材料ではなく、アルの魂、精神、肉体は、通行料として持って行かれた。(母親の肉体の代償としてではなかった。)
持って行かれたのは母さんを錬成するための材料としてではなく「通行料」そうだ 確かにあいつは「通行料」と言った
エドはアルの魂を取り戻すため、再度咄嗟の人体錬成を行う。おかげでアルの魂が鎧に定着したものの、エドは右手を失う。
エドは、満身創痍で失意に沈む。
物語は、そこから始まる。
こちらもよろしく。
魂・精神・肉体の関係設定
我々の世界
肉体は精神と対義語
精神の命令は神経を通り、肉体へ伝わる
精神が病気になると、非論理的な命令になる
神経が途中で切断されると、肉体は動かない
肉体が病気になると、命令通りに動けない
魂については、いろいろな解釈がある
人間関係は、魂のエネルギーの量を左右する
鋼の錬金術師の世界
・1~5までは基本的に同じ
・6については、以下で解説
・7はよくあること ロイ・マスタング(以下マスタングあるいはマスタング大佐)が死んだと思い込んだリザ・ホークアイ(以下ホークアイあるいはホークアイ中尉)が肩を落とすように。動く気力自体が無くなる。生きる気力もなくなる。
鋼の錬金術師の特殊設定
魂が定着したら、その魂の持ち主の意志で、その物体を動かせる
魂と肉体はひかれあう
肉体と魂は、精神によってつながっている
魂は高エネルギー体
1はリアルだとおかしい設定かも。
2,3,4はリアルでもそうだと言い得る。
分解と再構築
錬金術の基礎の一つ
物質を分解し、別の物へと再構築する
もちろん、原料は用意する
肉体からは、精神と魂も分離することができる
推測だが、精神も分解しうる。また、見えない管として存在し、軟体動物のように融合することができるものだと推測できる。
そう考える根拠はこれだ。アルの精神は母親トリシャの錬成のために肉体から離れた。そして分解され、再構築された。その際、エドの精神と混線する。エドは自身の精神を道標として真理の扉の前に降り立った時、アル側の出口にも降り立つ経験をする。
魂と肉体は精神によってつながっている
この混線のおかげで、エドの睡眠と食事は、アルの肉体へといきわたり、アルは長期間の監禁孤独状態にもかかわらず、肉体が腐ることもなくあり続けられた。(ちなみに、これによって、エドの体は年の割に小さいと推測された。)
人体錬成
死んだ人の人体錬成は必ず失敗する
母親の魂と精神自体、既に消滅していた。錬金術の鉄則は、無いものから有るものを創り出すことはできない。無から有はできない。
無いものから有る物を創り出そうとすると、理論の破綻からリバウンドが起きる。
肉体はどこへ行ったのか?
肉体と魂は精神によってつながっている
オレの肉体の一部は真理の扉の前にある
精神を道標に・・・精神に全てを委ね流れのままに・・・
・ 肉体は、消滅したのではなく、持って行かれた。
・ 等価交換 交換なので、現物はどこかにある。
・ どこに? 真理の扉の前。
・ 真理の扉の前って実際どこなの?
まず、人体錬成の流れ
・ 肉体の分解
・ 精神の分解
・ 魂の分解
・ 肉体の再構築
・ 精神の再構築
・ 魂の再構築
「全は一 一は全」 エドワード自体が全だとすると、エドワードを構成するそれぞれの部分は一。さらにエドワードを構成する部分が一だとすると、エドワードを構成する部分自体を構成する部分が一。後はこれの連続で細分化されて行く。
逆に、宇宙が全だとすると、地球は一だったりする。
自分の細胞一つ一つに宇宙がある。その宇宙を成り立たせているものを求める。
真理の扉の特徴
・人体錬成を行った時にのみ現れる
・錬金術師以外にも目視可能 (リン・ヤオ エンヴィー)
・取り込まれると、透明な存在のいる空間に送られる(ただし、リン・ヤオ エンヴィーは行っていないと思われる。)
・もう一度出ると、元の世界の適当な場所に帰る
・ホムンクルスと同じような、眼が浮かび上がっている
人体錬成を行うと、真理の扉が現れる。そして、真理の扉から伸びてくる黒い手に絡めとられ、肉体が分解される。
肉体と魂は精神によってつながっている
精神も分解され、魂のみとなり、真理の扉の前に放り出される。
真理の扉の前にいた時のエドは、魂のみのエドだった。
その根拠は、アルのいる場所にエドがやってきたときのアルの言葉が手掛かりになる。
ダメだよ。君はボクの魂じゃない。一緒に行けない。
そして、今度は再構築が始まる。再度真理の扉を経て肉体が再構築されて行く。
人体錬成ができるのは事実上錬金術師だけだ。実際、物語の中で真理の扉を見たのは、全て錬金術師だった。
ただ、真理の扉は誰の中にも存在していて、全ての者が錬金術師になる資格を持つという。
真理の扉は全ての人間の内に在る それは全ての人間に錬金術を使う力があるということだ
この言葉は非常に重要だ。
真理の扉がある ということは 全ての人間に錬金術を使う力がある。
対偶を取ると、
全ての人間に錬金術を使う力がないならば、真理の扉はない。
つまり、1人でも錬金術を使う力を持っていないものが存在すれば、真理の扉は存在しない。
真理の扉は、全ての存在にある。
この真理の扉は、錬金術師の能力そのものを指している。エドワードは、アルフォンスの肉体を取り戻すとき、錬金術師の能力自体と交換した。そして、エドワードは錬金術師の能力を失った。
弟を連れ戻しに来たか。
だがどうやって人間一人引っ張り出す?
代価は?
お前の肉体を差し出すか?
代価ならここにあるだろ でけぇのがよ
錬金術の使えないただの人間に成り下がるか?
真理の扉は、錬金術を使う力そのものだった。
逆に、真理の扉の奥深くまで入って行けば行くほど、真理に迫ることができ、錬金術師としての能力も高まることになる。
分解と再構築 人間の肉体 精神 魂までの道筋 それが宇宙であり、全であり、自分という世界を構成する全ての理
それを知れば、錬金術のさらなる力を手に入れることができる。知は力なり、ということだ。
擬似真理の扉
グラトニーの腹には、擬似真理の扉が埋め込まれていた。これは「お父様」とされるホムンクルスの失敗作だった。グラトニーが激しい怒りと恨みにかられた時に姿を現す。
中は血の海であり、グラトニーが今まで飲み込んできたものが乱雑にあるだけ。
エドとリン・ヤオ(以下リン)とエンヴィーは、グラトニーに飲み込まれ、擬似真理の扉を通過してしまう。
だが、エドはその中で自分自身の人体錬成を行い、真理の扉を通って、再び現実の世界へと舞い戻ることに成功する。
グラトニーの腹を割いて3人が舞い戻って来たところを見ると、擬似真理の扉も、なかなかの出来だったと認めざるを得ない。
真理の扉を開き、再び通って来た真理の扉を通って元の世界に戻る。
それと同じで、真理の扉を開き、再び通って来た真理の扉を通って元の世界に戻るときに、代わりに擬似真理の扉を通って戻ってきたのである。
グラトニーが偽りの扉だと言うのなら、正しい扉をくぐれば正しい空間に出られるんじゃないだろうか
結果として、エドの賭けは当たっていたことになる。だが、見ての通り、擬似真理の扉を通って戻ってきたため、擬似真理の扉の出来もなかなかいいものだったんじゃないだろうか。いや、真理の扉自体、元の空間に戻るための道筋としては、初めに来た擬似真理の扉の入り口しかなかったから、と考えれば筋が通るだろう。
なぜ「お父様」でさえも、真理の扉は作成できなかったか。真理の扉は、魂と精神、そして肉体がつながったものの内、魂と精神、肉体と精神の出入り口だからである。
つまり、一個の生命体を作らなければ、真理の扉も作れないのである。無から有は作れない。それはお父様でも同じ。
だが、人間にはできても、ホムンクルスにはできないことがある。それは、子供を産むことだ。子供を産む力は、真理の扉を作る力でもある、ということだ。
お父様の真理の扉
物語の最後になる。ホムンクルス(フラスコの中の小人)が神としての立場を失い、真理の扉の前にやってきたときは、漆黒の扉であり、何も描かれてはいなかった。
思えば、真理の扉が現れたとき、ホムンクルス(フラスコの中の小人)が持っている瞳と同じ特徴の瞳が現れる。ホムンクルス(フラスコの中の小人)は、真理の扉の中にいる黒いもやもやしたものと同じ生体に見える。思えば彼は産まれた時から、多くの知識を持っていた。ホムンクルス(フラスコの中の小人)を産んだ人間に自分の知識を授けるというくらい。産まれたばかりの知識量としては、異常だ。
真理の扉は、錬金術の力を示しているということだった。とすれば、そこから分化して生まれてきた彼は、錬金術の力を人に授けたことになる。
逆に言えば、クセルクセスの人間たちの錬金術は、非常に高度だったと言えるだろう。ホムンクルス(フラスコの中の小人)を創り出せたのだから。
なぜお父様はいやいや叫びながら真理の扉に取り込まれて行った?
最初に、一つ疑問にするべき点がある。
ホムンクルス(フラスコの中の小人)はエドとの戦いに敗れ、そして自分の胸に空いた穴から出てきた黒い手に包まれ、真理の扉の前にやって来た。
私はこれまで、人体錬成をすることが真理の扉を開く条件のように語って来た。そして、その結果として、真理の扉の、無色透明の存在がいる空間にやってくるのだった。
しかし、今回のパターンは初めてだ。ホムンクルス(フラスコの中の小人)は、神を自分の体内にとりこんだ。つまり、自分の体の中に、真理の扉の中身を取り込んだのだった。だが、それを抑える力が足りなくなり、ついに、真理の扉の中身が自身の中から溢れ、自分自身を取り込んでしまったのである。
彼は肉体を持たない。フラスコの中でしか生きられなかった。そして、魂の情報をホーエンハイムからもらった。彼は精神から産まれた分離物だったのかもしれない。
最後、彼は真理の扉の中に閉じ込められていくことになったが、この結末はエドやアルの最後とは対照的である。例えば、エドは真理の扉をくぐったことによって、真理を悟った。
また、アルを助ける際、勝手口、といって自分達の世界へと戻る出口となっていた。
どこでもドアみたいに便利な印象がある真理の扉だが、私個人としてはこのように考えている。
エドが最初に真理の扉をくぐった際、彼は人の起源を見に行った。細胞分裂を行う自分自身を。全は一、一は全。自分自身は一つ一つの細胞の塊であり、その細胞自体も、小さな何かしらのものの塊である。さらに、その塊も、何かしらの物の塊である。
全は一。一は全。つまり、自分を分解しつくした後果てのなにがしかによって自分自身は成り立っている。原子が最小?いや、原子も何かによって成り立っているのだ。自分自身が、それらの分解物の、再構築された結果としての存在なのだ。
それはホムンクルス(フラスコの中の小人)自体も例外ではない。エドやアルと異なり、彼は拒絶し、叫びながら真理の扉の中へ連れていかれた。彼の起源は、真理の一部だった。元々いた所へ帰って行ったのだ。ただ、それは彼自身が独立した存在ではなくなる、ということだった。それは彼にとっては死だったのだ。
彼が錬金術にとてつもなく詳しかったのは、人の錬金術の力を象徴する真理の扉の一部が、生命体として出てきたからである。
一度扉の前にやってくるときは、自分は元の姿のままやってくることができる。しかし、再度扉に取り込まれると、肉体の再構築が始まる。彼は真理の扉の中の黒いもやもやの一部だった。肉体の再構築によって、彼自体はもう独立したホムンクルスではなくなった、ということである。
だが、これは実際に見たわけではなく、私の推測にしか過ぎない。
正しい絶望を与えることが真理の扉だと言った。ならば、彼が扉に取り込まれた後どうなったか、というと、再びフラスコの中に閉じ込められた、と考えるのが最も考えやすい。
でも、これだと今までと同じことをやってしまえば、又彼は再起可能である。正しい絶望が与えられたのであれば、もう取り返しがつかない状態にされるはずだ。
私の言うことには、実は根拠がある。
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