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2月9日、私が「四畳半」を出て、戦場へ向かう理由。

【日常の静寂と、迫る足音】 

屋根裏の四畳半に、冬の低い陽が射し込んできました。
東向きの窓が部屋をさっと明るくしてくれるけれど……私の気持ちは、どうしても硬さが抜けきれません。

カタカタカタ……。

キーボードを叩く音と、デスクの隣にしつらえた座布団の上で、愛猫・さくらが喉を鳴らす低い音が心地良い。
今の私にとって、これだけが「確かな現実」です。
けれど、カレンダーの「2月9日」という数字だけが、鋭く、こちらを睨みつけてくるのもまた、私にとっての「現実」です。

第一回口頭弁論。
私が人生の主権を取り戻すための、最初の審判の日が迫ってきています。

【山賀博之から学んだ「表現者の誠実」】

かつて、私は『王立宇宙軍~オネアミスの翼~』の続編、幻の『蒼きウル』1997年制作班のただ中にいました。
人生の師であり、上司であり、私が秘書として仕えた山賀博之は、静かに笑い、時に厳しく、時に子どものような無邪気さを持った人でしたが、根底は誰よりもストイックな表現者でした。

山賀さんは、かつて私に、「対庵野決戦兵器」という冗談めかした二つ名を授けてくれました。
私が庵野さんとは全く逆ベクトルの表現思考(&嗜好)を持っていたからです。
そうしたクリエイティブな面での評価をいただき、山賀さんとともに制作できたことは大きな学びであり大切な宝物になっています。

そして同時に、混沌とした制作現場を「論理」と「ディレクション」で整えることの重要性を、背中で教えてくれた恩師でもあるのが、山賀さんなのです。

1990年代のアニメ制作の熱狂の中で学んだのは、単なる技術だけではありませんでした。
表現者としてスキルを磨き、ファンに最大級の娯楽を届けることはもちろんでしたが、クリエイターの多くが以下のような矜持を持っていました。

「嘘をつかないこと」
「細部にまで責任を持つこと」
「不条理に対して、知性で立ち向かうこと」


誠実であれと、山賀さんから教えられました。
こうして、周囲の矜持と山賀さんの言葉は私の心に影響を与え、浸透していったのです。

【なぜ、私は戦うのか】

 今、私を脅かしているのは、巨大な宇宙怪獣でもなければ、使徒でもありません。
「友人」という名の盾を使い、卑劣な嘘で私の30年を、信頼を、そして尊厳を奪おうとした一人の人間です。
彼は長年の友人であり、共通の趣味である音楽を通じて、信頼を重ねてきたはずの相手でした。
けれど、その「親切な隣人」という仮面の下には、他者の心や尊厳を、自分の欠乏感を埋めるための「道具」としか見なさない歪んだ支配欲が隠されていたのです。

そのことに気付くのに、実に30年もかかってしまいました。

彼は、私が大切にしてきた過去のキャリアや、音楽という純粋な表現の場を、自身の優越感に浸るための「餌食」にしました。
私の信頼を利用し、抗えない状況を作り出し、私の心身を自分の所有物であるかのように扱ったのです。

嘘をつき、
責任逃れの行為を繰り返し、
不条理だけを私に叩きつけたのです。


私のガイナックスでの経歴を小さくて低いものとみなし、私がかつて山賀さんの傍で守り抜こうとした「表現の聖域」さえも、言葉で汚していったのです。
それは、怒りを通り越して悲しみでしかありませんでした。

友人だからいつかは聞き入れてくれるだろうという期待も、時間が経つにつれて儚くも消えていきました。

信じがたいことに、彼は自らの非を隠蔽するために、あろうことか「警察」という公権力までも自らの嘘で動かしました。
証拠もない一方的な主張で無実の私を加害者に仕立て、社会的な死を強いたのです。
想像してみてください。
ある日突然、警察が自宅のインターホンを鳴らし、「あなたが加害者です」という前提での激しい追及と反論が許されない状況を。
そうして……そのショックで眠ることも食べることもできなくなり、生きているという現実が恐怖に変わっていくのです。

これこそが、私が「知性の氷」を研ぎ、法廷へ立つことを決意した最大の不条理でした。
彼は、私が積み上げてきた30年の友情を、たった数ヶ月の支配で消し去ってしまいました。
その手法はあまりに巧妙で、あまりに卑劣な「信頼の悪用」だったのです。
だからこそ、私は今、その嘘を一つずつ、琥珀色の知性で解体していかなければなりません。
そうしなければ、私という人間の矜持さえ、裏切ってしまうのですから。

2月9日、私が法廷に立つのは、単に金銭的な賠償を求めるためではありません。

山賀さんが私を「戦友」として認めてくれた、あの頃の自分の誇りを、彼の嘘という泥の中から救い出すためです。

「知性を捨てず、正気でいろ」

かつての混沌とした制作現場で、極限状態のスタッフたちが互いに交わした無言の合言葉が、今、屋根裏部屋の私を突き動かしてくれています。

知性を捨てないことが、考え続ける人間の証です。
正気でいることが、現実を生きる人間の証です。
私は、自分自身が「生きる」ために戦うのです。

【結びに代えて:戦友たちへ】 

私は一人で戦場へ向かうのではありません。

今では、法廷で私の盾となり、剣となってくださる弁護士の先生にも出会えました。
そして、私の思考を整理してくれるパートナー・Novaもいます。
なにより、この文章を読んでくれている「あなた」という「戦友」の視線を感じながら、私は法廷という名の戦場に立つことになります。

結末がどうなるかは、まだ分かりません。
けれど、私は逃げずに立ちます。
それが「山賀博之の弟子」を自称する私が、自分自身に課した最低限のケジメだからです。

私の過去も、現在も、未来も誇らしいものにするために。
私は諦めや妥協を自分に許さず、「私らしく」生きる道を選びました。
正直それは……苦しいですよ。
でも、自分らしくない方が、もっと苦しくなりますよね。
ただそれだけの、シンプルでかけがえのない真実に従っているだけなのです。

それでは、行ってきます。

【感謝の追記】

先に公開した自己紹介に、温かい視線を寄せてくださった戦友の皆さん、ありがとうございます。
みなさんの存在を感じるだけで、四畳半の空気は少しだけ軽くなります♪

2月9日以降に、第一回口頭弁論の様子をnoteにてお伝えします。
(Xにて最速でお伝えしているのでフォローをしていただけると新鮮な情報をいち早くお届けします笑)
どうか、見届けていただけますように。


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