【趣味と生業のあわい】ぬいぐるみ蒐集
ぬいぐるみ作家を生業にしていると、ぬいぐるみの方からこちらへ視線を向けている時が度々あります。
街中で誰かの鞄についているマスコットや、玩具屋さん、リサイクルショップや骨董市など、生活の中でぬいぐるみに出会う瞬間は、何度もあります。
最近仲間になったぬいぐるみたち
おばあちゃんが作った子うさぎちゃん

先日帰省をした際に、実家の近所に住んでいた親戚から譲り受けました。
祖母が若い頃、時代は昭和の中頃(1960-70年代?くらい)、当時の主婦の間で手芸ブームが盛り上がっていた頃。藤沢の手芸教室にて、ぬいぐるみの作り方を習った祖母は、手作りのぬいぐるみをバザーで販売したり、近所の子どもたちに配ったりしていたそうです。
祖母がぬいぐるみを作っていたのを知ったのはつい最近で、まさかこんなに身近なところでぬいぐるみを作っている人がいたとは、驚きでした。
そもそも祖母は手芸が達者で、趣味で習っていた社交ダンスのドレスも自作したり、私のリカちゃん人形のために洋服を作ってくれたりと、大変器用な人でした。


このうさちゃん、「子うさぎちゃん」だそうで、親戚曰くこの子たちよりもっと大きいうさちゃんも存在していたそうです。
もしかしたら、今でもどこかに仲間がいるのかもしれない…
お心当たりのある方は、ぜひご連絡ください。
ぬい博で出会った小鳥、その正体

熱い視線をこちらに向けていたので、思わず手に取ってみたところ、

「アンタが話しかけてくれるのを待ってたんだ。つい、さっきから、ね。」
ぬいぐるみ歴はそこそこ長い私ですが、ぬいぐるみの方からこちらに語りかけられたのは初めてでした。
そんなこと言われちゃあ、わが家の仲間になっていただくしかありません。
それにしても渋いセリフである。ここでずっと待っていたのか、たまたまここで出会ったのか、それはこのぬいぐるみにしか知り得ないことです。
家に帰ってから、付いていたタグからこの子の出身を調べてみたところ、

思わず天を仰いでしまいました。物語すぎる。
激渋ハクチョウ雛鳥、末長く愛します。
待ち続けていたプレゼントキャット

「おめえがわしへのプレゼントじゃい!!!」と大急ぎで抱きしめました。
店頭にいた時はビニール袋にガチガチに梱包された姿で、耳も倒れていたし尻尾もまとめられていたしおかおもよく見えなかったのですが、内に秘められた愛おしさの塊のようなものの波動から、この子は絶対にわが家に来るべきと確信しました。
窮屈そうだったので、外に出てすぐに梱包をほどいてあげたら、めちゃくちゃ可愛くてちょっと声出ました。

ぬいぐるみは「待つ」ことができる、について
持ち主が現れることがぬいぐるみの幸せなのだろうか、お店で気ままに色んな人を眺めるのが幸せなのだろうか、
ぬいぐるみが生まれるのは、誰かが誰かのためを想って、それぞれのぬいぐるみがお家に迎えられますようにと作られますが、
生まれたぬいぐるみたちは、それぞれどんな心を持っているのだろうか…
ということをよく考えるのですが、このプレゼントキャット(仮称)はなんだか、ずっとずっと誰かのおうちに行けることを待っていた感じがしました。
前の持ち主からとても大切にされていたから、人間のことを信じて待っていてくれたのかもしれません。
ちょうどHUNTER×HUNTERの無料公開期間の昨今、劇中では「いいハンターはってやつは 動物に好かれちまうんだ」というセリフがありますが、もしかして「いいぬいぐるみ作家はぬいぐるみに好かれる」ということがあるとしたら、それはだいぶとても嬉しいことです。
これからもこの世のぬいぐるみたちのために、尽力していきたいと思いました。
そしてこのぬいぐるみへの重い愛って、世間の「ぬい活」のカテゴリには入れてもらえない気がする……仲間に入れて〜!!
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