心は、お金では動かなかった
「お小遣いをあげるよ。」
そんなメッセージをもらった。
普段なら会わない年上の男性。
私はお金が目的だったわけではない。
仕事もしているし
お金に困ってはいない。
ただ、
「そんなことを言う人って
どんな人なんだろう。」
そんな興味があった。
勝手に想像していたのは、
人生経験が豊富で
余裕があって
女性を自然にエスコートできるような
そんな大人の男性。
でも、現実は違った。
ヨレヨレの服装。
ボサボサの髪。
事前に写真は送ってくれていたけれど
加工していたのか?
少し前の写真か?
「あれ?」
そんな気持ちがよぎった。
もちろん、
勝手に理想像を描いていた私が悪い。
でも、そのとき気づいた。
私は
「年齢なんて関係ない」
「見た目は関係ない」
そう思っていたけれど…
本当はそうじゃなかった。
私には私の好みがある。
ルックスも
その人が醸し出す雰囲気も
大切な要素だった。
そしてお金…
ないよりはあったほうがいい。
きれいごとだけでは生きていないから。
でも、それだけでは心は動かなかった。
どれか一つが満たされればいいわけではなく
私が求めていたのは
"その人と一緒にいて心地いい"
そう感じられることだった。
帰り際、
「またタイミングが合ったら。」
そう言われたけれど
私の心はもう答えを出していた。
きっと、もう会うことはない。
その日、改めて感じたことがある。
人の心は、お金では動かない。
でも、私もまた
お金がまったく関係ないふりを
していただけだったと思った。
けれど、「また会いたい」と思う気持ちは
お金とはまったく別のところで生まれる。
私はこれまで
いろいろな人と出会ってきた。
高価なものを与えてくれた人よりも
私の話を最後まで聞いてくれた人。
特別な場所へ連れて行ってくれた人よりも
一緒にいて自然に笑えた人。
そんな人たちのことを
今でも覚えている。
心が動く瞬間は
「大切に扱われた」
そう感じたときなのだろう。
そして同時に、
自分の中にある欲望や期待にも
私はもっと正直でいてもいいと思った。
今回の出来事は
そのことを改めて教えてくれた。
人は、お金で時間を共有することはできる。
でも、お金で信頼は買えない。
お金で安心感は生まれない。
そして
お金で「また会いたい」
という気持ちは買えない。
だから私は思う。
誰と出会うかよりも
その人と一緒にいる自分が
どんな気持ちになれるか。
それが、いちばん大切だと。
今回の経験で
私の中の基準がまた一つはっきりした。
私が求めているのは、お金ではない。
でも、まったく無関係でもなかった。
そのことを私自身が認めたうえで
それでも
心を大切に扱ってくれる人との時間を選びたい。
