モンクの転機となった50年代作品をコンパイル――Thelonious Monk / Eight Classic Albums
オリジナル・ビバッパーの中でも個性の強さで群を抜くのがセロニアス・モンクである。
40年代から活動を始めているが精神的に不安定な部分もあって浮き沈みが激しいミュージシャンでもあるのだが、その中でも大きな転機になった1954年からの数年間にリリースされた作品をまとめたCD4枚組を先日購入した。
Thelonious Monk / Eight Classic Albums

https://www.discogs.com/release/8353035-Thelonious-Monk-Eight-Classic-Albums
4枚のCDに以下の8枚のアルバムが収録されている。
Monk (1954)
Monk's Music (1957)
Thelonious Monk Plays The Music Of Duke Ellington (1955)
The Unique Thelonious Monk (1956)
Mulligan Meets Monk (1957)
Thelonious Monk And Sonny Rollins (1954)
Art Blakey's Jazz Messengers With Thelonious Monk (1957)
Thelonious Monk Trio (1957)
名作『Brilliant Corners』がないものの、代表作のひとつである『Monk's Music』が入ってるし、マリガン、ロリンズ、ジャズ・メッセンジャーズといった共演ものも入っていて、これで中古で1,000円だったのだからお買い得だろう。ジャズの名作はいまはCDだとだいたい安いのが嬉しい(ロックもだけど)

その『Monk's Music』や『Thelonious Monk Trio』あたりはモンクらしさ全開で当然すばらしいのだけど、むしろ今回面白かったのはコラボ作品の『Mulligan Meets Monk』と『Art Blakey's Jazz Messengers With Thelonious Monk』の二枚。
前者は当時のモンクのカルテット(コルトレーンが参加したりしてた頃)のメンバーに、ウェストコーストジャズの代表格であるジェリー・マリガンが参加したもので、曲はモンクのオリジナルが中心。マリガンのスムースなバリトンサックスとモンクの訥々としたピアが全然噛み合ってなくて面白い。むしろ名手のはずのマリガンが「別に普通じゃね?」と思えてくる。

後者はアート・ブレイキー率いるジャズ・メッセンジャーズにモンクが加わった形。こちらも基本的にモンクの曲を演奏している。こっちは管楽器がソロを取ってる間モンクの伴奏が止まる場面が多いのが興味深い。マイルスの『Bag's Groove』の録音の後なので、そのときの経験を活かしているのかなという気もする。ブレイキーのドラムソロをはじめ、熱いソロの応酬の中にあってもモンクのソロはいたってマイペースなところが良い。

植草甚一を読んで育っているのでもともとモンクとミンガスはそれなりに聴いてきたのだが、改めて聴くとやっぱり面白い。これまでは初期の録音(『Genius of Modern Music』とか)を主に好んで聴いてたのだが、未聴の作品もまだまだたくさんあるのでぼちぼち集めていきたい。ていうかジャズピアノは本当はアナログ盤をでかい音で聴くのが楽しいので、安く売ってたらレコードも買おう。
