2025振り返り「趣味に月50時間注ぎ込む社会人」
この記事はエンジニアと人生Advent Calendar 2025の13日目の記事です。
エンジニアと人生コミュニティのアドベントカレンダーは、エンジニアを生業とするコミュニティメンバーの目線で語る、それぞれの人生。つまり、エンジニアのライフアクティビティについて書いています。
それにならって僕も2025年の振り返りを書きます。
僕の2025年を一言で言うならば…まさしく妻と一緒に演奏活動に全力を費やした1年間でした。
チューバとオーボエ
僕はチューバという楽器を高校から28歳になる今日まで続けています。大学時代に吹奏楽の部活の先輩だったことがきっかけで付き合った妻はオーボエという楽器を吹いています。

今でこそ共働きで2人ともフルタイムで働きつつも、月に50時間近く楽器に触れ続ける生活を続けていますが、去年まで、こんなに楽器に打ち込むことようになるとは全く想像してませんでした。

【1月】 ある年明け、新しい楽器を買った
2025年1月4日、本当に年明けです。去年から妻に「オーボエを購入し直したい」と相談を受けてた僕はドルチェ楽器名古屋に行き、なぜか、オーボエではなくチューバの試奏をしていました。
経緯としては、大学を卒業してから演奏会に年1回だけ出るくらいのほそぼそとした形で楽器を続けていたところ、妻も演奏会にオーボエで出て欲しいという話しがあがってきました。しかし、妻は楽器を持っていません。いや、持っていなかったのではなく、実は大学時代に持っていた楽器を盗難にあっています。それ以来、妻は楽器を続ける気力が沸かなくなってしまっていました。
オーボエという楽器は新品で200万円、中古でも90万円ぐらいは下らない楽器です。良い中古は出ていないかと探しつつ決めきれずにいました。そんな風に楽器屋を見て回っていると…珍しいモデルのチューバが在庫として置いてあり僕が欲しくなってしまったのです。
そして250万円ほどするチューバを購入しました。

ほどなくして下倉楽器にオーボエの中古で良い品があるのを発見し、こちらも購入しました。だいたい100万円。盗難された昔のオーボエと同じモデルを買ったので買い直す形になりました。(楽器の良し悪しは1本1本全く仕上がりで変わるので機械部品のように取っ替えたわけではありませんが)

写真で少しネタバレしているのですが、コールアングレ、通称アングレというオーボエ奏者が持ち替えで吹く「ンゴゴゴー」という音色で鳴る楽器です。アングレも5月頃に購入しました。新品だと250万円〜などして手がでないのでヤフオクで90万円ほどで買った後に工房にて10万円ほどかけて蘇らせてもらいました。
2月には僕と妻のお互いが新しい楽器で演奏会に乗りました。静岡大学OB吹奏楽団という妻と出会った大学部活のOBOG団体です。

【2月】 勉強会に持って行けるネタがない。そうだ、楽器を吹こう
僕が新しい楽器を買った1ヶ月後あたりに Minokamo.swift というiOSエンジニア(iOSとはiPhoneなどApple製品で動くアプリケーションを動かすシステム、つまりiOSエンジニアはiPhoneで動くアプリケーションを作る人たち)向けの勉強会がありました。
地元で開催していたので、周りの勧めもあり登壇を希望していたのですが、僕はiOSエンジニアではないのでネタがありません。だいぶ困っていたのですが勉強会前日にハッ!と閃きました。「そうだ、楽器吹けば良いじゃん」

演奏だけするのも会の趣旨と反すると思ったので、ちょっとしたSwift製のアプリも開発して発表しました。
そしたら、発表後に参加していたiOSエンジニアのツワモノ共がすごい喜んでくださったのと一緒に口を揃えてこう言ってくださいました。
「LT発表、良かったよ!Try! SwiftやiOSDCでも全然発表できると思う!チューバ演奏するのもアリだと思うから応募してみたら?」
Try! Swift?、iOSDC?なんだそれは?という感じだったのですが、iOSエンジニア向けの大型カンファレンスです。改めて自分はSwiftやiOSは専門外なので、そんな大きな場面で登壇できるかなあと不安に思っていたのですが、エンジニアと人生コミュニティで交流があり、個人的にも信頼しているすぎーさんやかっくんさんも含めて界隈であまりに著名で優秀なエンジニアのみんなが背中を押してくださるので、「考えてみようかな…」という気持ちになりました。
【5月】 ピアノバーでも吹いてみよう
今度は名古屋の栄で「HACK.BAR 名古屋」という勉強会がありました。これはどちらというとエンジニアが集まって飲み会をしようという感じのイベントです。
友達が主催をしていて誘ってくれたので行ったのですが、「あ!会場がピアノバーじゃん!」ということにピーンと来てしまい。ここでもLT(ちょっとした登壇のことを言う)と称して演奏しました。

【5月】 新しいチューバを買おう(2本目)
突然ですが、もう1本チューバを買いました。このチューバはF管というジャンルに分類されるチューバです。F管はチューバが曲の中で求められる音域の中でも高い音域を出しやすい楽器なのですが、基本的にはコンチェルトやソロ用に使われます。吹奏楽の部活などをしている分には使わないですが、音大生なら持っているという感じの楽器です。
チューバという趣味を続ける中で以前から欲しいと思っていましたが、良い楽器に巡り合えたのと、これまで演奏してきたようにソロで演奏する機会は自分で作れるということが分かってきたため購入しました。150万円ほど。

ちなみに、妻もこの時期にアングレを購入しました。
【6月】 演奏会で難曲に挑戦する
これまで勉強会やピアノバーで1人で吹いてきましたが、このように1本で吹くのを披露する機会というのはアマチュアが楽器を続ける中では珍しい機会です。よくあるのは、吹奏楽やオーケストラのような大人数で演奏するどこかしらのバンドに入って、その演奏会で吹く機会です。
僕と妻もお互いが新しい楽器を買ったのを機に「可児ウィンドオーケストラ」という新しい楽団に入って、6月には可児ウィンドオーケストラ第41回定期演奏会に乗りました。

好きな人にしか伝わらないかと思いますが、マスランカの交響曲第4番とP.スパークの交響曲第1番「大地 水 太陽 風」をこの演奏会でやりました。いや、何が伝えたいってこの2曲えげつない難しい曲なんですよね。この曲を演奏するために2ヶ月間ずっと練習の毎日です。

【7月】 プロポーザルを出そう
7月になると2月に聞いたiOSDC Japan 2025というカンファレンスのプロポーザル申し込み時期がやってきました。カンファレンスのプロポーザルは「採択」されなければいけません。そして採択されるために大事なのは「何を話すのか」が明確に伝わることです。ここで、「チューバを演奏する機会を作りながらも聴いてる人にとって学びのある場にするためにはどうしたら良いのか・・・」と悩むことになりました。
そこで、実は2月にも背中を押してくださったエンジニア仲間のsugiyさんの奥様が実は音大ピアノ科の出身ということをきいて、sugiyさんの自宅まで「こうこうこういう形でプロポーザルを出そうと思うが、良い形になるだろうか」と2人に相談しに行くことにしました。対策を立てようにもやろうとしてることの事例がないことなので、お互い「うーん…」と頭をかしげて困る図にはなりましたが、訪ねてみて良い出会いになりました。
そして、実際にプロポーザルを出して採択されました。ITカンファレンスの場で「チューバを演奏します」と書いていながらも、「ぜひ、登壇お願いします」と返事が返ってきたのは純粋に心から喜ばしかったです。
【8月】 夏は吹奏楽コンクールに出よう
8月は静岡大学OB吹奏楽団に参加して吹奏楽コンクールに出ました。中学高校の吹奏楽部が出るような大会、いわゆるコンクールです。県から始まり、最後は全国大会までの上位大会があります。結果は、東海金賞に留まってしまいましたが、打ち込んだかいがありました。

ちなみに、吹奏楽コンクールも演奏の精度が求められる場なので出ることになるとめっちゃ練習が必要でした。これも毎日毎日取り組みました。

【9月】 ITカンファレンスでチューバを吹く
そして、9月の後半にはiOSDC Japan 2025でメトロームアプリを開発した技術的な知見を発表すると一緒にチューバを演奏しました。過去に記事にとりまとめてあるのでこちらを読んでください。登壇もYoutubeでみることが出来ます。
本当に多くの人に演奏を聴いてもらえる素晴らしい機会だったのですが、準備には本当に苦心しました。せっかくなので1つ1つ書いていくと…
まずは、選曲です。チャルダッシュというクラシックのソロ演奏の中でもプロでもなかなか即興では吹けない難曲を選びました。おかげでプロポーザルが採択されてから当日までは1日2時間の練習を2ヶ月ぐらい続けてようやく最後らへんに形になりました。チューバなどの管楽器はそもそも音を綺麗に出すだけでも難しい、音楽をセッションするには玄人向けな性質があります。
それでもなおチャルダッシュを選んだのは、おそらくクラシック演奏なんて普段は聴かないであろうiOSDC Japanの観客さんにとって、「初めて聴くチューバの音」になることもありえます。クラシックとしての面白さが伝わりつつも、演奏も聴いていて聞き飽きないキャッチーさがあるチャルダッシュにしたのは双方の満足度が高い選曲に出来たと思います。

また、妻にピアノ伴奏をお願いしたのは良かったですが、ステージピアノとアンプなどの機材も友人に借りて回りました。
【11月】 吹奏楽フェスティバルで踊ろう
いつも、島村楽器の部屋を借りて練習しているのですが、ある日、店員さんに「チューバいて欲しいので、ぜひ出ませんか…!」と声をかけられ、島村楽器社さん主催のチャリティーコンサートイベント「吹フェス2025」にでることになりました。
ジャンボリミッキー!が曲にあったのですが、せっかくなので妻と一緒に踊りました。

【11月】 演奏会で難曲に挑戦する(その2)
可児ウィンドオーケストラ第42回定期演奏会に乗りました。好きな人にしか通じないと思いますが、なんと、アマチュアバンドにもかかわらずローマ三部作(ローマの祭り、ローマの噴水、ローマの松)を演奏しました!もちろん、エグい難しかったのでそれなりに時間が掛かりました。

【12月】 チューバアンサンブル、ブラスアンサンブルをやろう
まだ、12月半ばなので本番はありませんが、年始に2つのアンサンブルの本番を控えています!アンサンブルというのは、指揮者なしで演奏する形態です。
1つはチューバ四重奏、これはなかなかにマニアックです。もう1つはブラスアンサンブル、これもすごい楽しみな本番です。
12月7日日曜日、年明けにある第13回定期演奏会に向けた第3回練習がありました。
— 名古屋ブラスアンサンブル (@nbe_officials) December 7, 2025
テューバのエキストラさんも参加させて、出席率は安定のローブラスとなりました。
演奏会は、来年2026年1月18日です。
あと1回ほどのリハーサルを重ねて本番となります。
なお、チラシが完成しました。 pic.twitter.com/csUDE56g7Z
聴いていて迫力ある演奏になること間違いなしなので、東海に住まわれている方は聞きに来てみてください!
【来年】 振り返って、学んだこと、伝えたいこと
この1年を振り返って考えたことがが2つあります。
プログラミング以外の趣味を持つことの素晴らしさ
今年は月に50時間は楽器関係の時間に注ぎ込んでいましたが、去年まではその時間は何に使っていたのかというと、「プログラミング学習」という趣味に使っていました。休日の過ごし方はというと、妻と一緒にカフェに行き妻がティーを楽しんでいる横でパソコンを開く週末です。ものづくり、エンジニアリングに趣味として取り組めること自体も素晴らしいかと思いますが、人生のライフアクティビティとして、もう1つ打ち込める趣味を持っておくと心の豊かさが何倍にもなることを実感しました。
機会は自分から作りに行く
私のようなアマチュア奏者にとって自分の音をゆっくり聴いてもらえるリサイタルなどの機会は滅多にありません。しかし、HACK. BARやiOSDC Japanのように自分から観客と演奏者お互いが笑顔になれる場を作っていくことで、演奏の機会は作れるのだと学びました。機会は自分から作りに行く。これは演奏活動だけでなく仕事、しいては人生を豊かにするスタンスだと信じています。
(最後に…)
iOSDC Japan 2025で登壇(演奏)した結果、個人事業の案件受注に繋がりました。つまり、演奏は営業活動だったのです。最後まで読んでくださってありがとうございました。良いお年を。
