身体が変化する面白さを体験!!軸の実践ワーク
【第三章 実践ワーク編】
○脱力のおさらい
さてさて、
実践編のはじまりはじまり〜。
と言いたい所ですが、すいません。
少し前回の補足をさせて下さい。
前回の記事では
「理想の脱力とは?」という切り口で
脱力にまつわるテーマで話をさせて頂きました。
今回紹介する実際のワークを行う前に、そのおさらいをしつつ
誤解を生みやすい点をいくつか補足しておこうかと思います。
先ず、脱力を以下の四つのテーマに分けて考察するというのがありました。
1. どんな状態が理想的な脱力なのか?
2. 脱力にはどんなメリットがあるか?
3. なぜ簡単に脱力できないのか?
4. どうすれば脱力できるのか?
この四つの各テーマについて、
捉える視点も変えつつ、それぞれ補足してみます。
(1) どんな状態が理想的な脱力なのか?
・無駄な緊張が無い
・快/不快に対して感度が高い
・緊張しすぎ/抜けすぎのムラがない均一な状態
・姿勢保持のブレーキと動きのアクセルを自由にコントロール出来る
(2) 脱力にはどんなメリットがあるか?
・自然法則の重力や反力を上手く従える
・身体の骨格構造に沿った動きを邪魔しないから無理がない
・動きがスムーズで美しい
・無駄がないからエネルギー効率が良く疲れにくい
・動きに脳のリソースを割かれない
(3) なぜ簡単に脱力できないのか?
・成長過程で、固定支点(筋肉主力の重力に抵抗する身体使い)のクセがついている
・軸が無くなりそれ故、体幹が固まる、固まるから軸が更に無くなる、
という負のループにハマっている
・体幹が固まったせいで
手足だけの動きになりがちで、
手足だけ動かすからその都度体幹が力む
・昔に比べて安全で楽な環境になった事で感覚の入力変化が乏しくなり
軸レベルを高度化させる機会が減った
・「立つ」「歩く」「物を持つ」等、
日常の基本動作自体が固定支点化した
・軸という保証が無いせいで、
バランスを崩す事自体に恐怖心を抱き過ぎる様になった
(4) どうすれば脱力できるのか?
・色んな不安定(オフバランス)状況を設定し、踏ん張りを作らない事に慣れる
・重心の位置が変化する骨格連動(揺動支点)を再学習する
・固定支点化している関節周囲の緊張を認識して手放す
・運動や道具の扱い等を通して、重力と反力の流れを感じる条件を作る
・武術の型や立禅、瞑想等をヒントとして取り入れる
以上、4つのテーマをざっと整理してみました。が、もしかすると
「こんな沢山の事を考えるのって難しくない?!」
と思った方もおられるかも知れません。
ですが実際は逆で、
まるで禅問答みたいですが、
「何かする事を付け足して行く」
のではなく
「何も余計な事をしない/考えない」
という話です。色んな方が言われていますが、それはあたかも、
「立ち上がったばかりの幼児の様なバランス状態にリセットする」
事に似ています。
ついつい頭を先に働かせてしまう、
ある意味 “頭の回る人”、
“気を使い過ぎな人” ほど
難しく考えてしまって、
「全身で成り切る」とか「身体で感じる」事を気軽に面白く行えません。
この落とし穴に引っ掛かってしまいます。
喩えて言うならば、
スマホの見過ぎにならない様にしましょう、という記事をスマホで沢山漁って
目が疲れる、みたいな(笑)
「感じる」事と「余分な緊張を手放す」事は重要ではありますが
感じたことについてリアルタイムにジャッジしたりしないで
自然にただただ気づきを得るだけ。
立禅やヨガの死人のポーズなどにしても「晩御飯何食べようかな〜」とか
思っても別に悪くありません。
理解を促すには言語化はある程度必要ですが、
あくまでそれは実経験や実践ありきでないと活かされません。
言語による説明を読むだけでは理解は出来ないし、形だけ解った気になりやすい、と言う大前提を忘れない様にしたい物です。
しかも、「 脱力 」という言葉をどう定義しているか?も、指導者によってそれぞれ違う場合があり
それが混乱の原因になったりもします。
場合によっては、一部の大東流合気柔術や古伝空手、システマ等で言われる
マイナスの力、つまり身体操作で重力を使って働きを起こす物を
「力を抜く技術」と呼んで区別し、
受動的なただの脱力とは別の
能動的な技術だ、としている方が
おられます。
しかしそれらはあくまで身体操作であり、身体の在り方とちょっと違うベクトルです。
それに、高度な力抜きの技術を行えることと、ここでお話ししている脱力を完全に区別するのは難しいですし(色々体験すればするほど領域が重なっていると感じます)
僕が説明しようとしているのも睡眠時やお風呂に入ったりする時の様な消極的な脱力ではありません。
どちらにせよ、重力を感知する精度を上げないとそもそも、使える「脱力」、「力を抜く」、にならないと思って下さい。。
◯中心軸について
もう一つ、中心軸についても補足しておきます。
前回の内容は本当に簡素化した説明だったので、
軸というのは、直立している時(立位姿勢)に、上下縦方向に串刺し状態で
存在している様なイメージで受け取ってしまった方もいたかも知れません。
実は、、、、、全く違います。
座っていてもあるどころか、
身体が前屈したり反ったりしても、
左右斜めに傾いても、
もちろん寝そべっていても
垂直に屹立しています。
それどころか、運動中は身体の外側に一部が出る事すらあります。
軸は実体である身体と密接に関係はしていますが、物理的に実存している物では無いからです。
考えてみて下さい。
軸がもし、実際にお団子や
焼き鳥の串みたいに
身体を貫いているだけの物だったら、
こんなに動きにくい物はありません。
串はそもそも、焼き鳥なんかがあちこちに散らばらない様にする物ですし(笑)
あくまで、動きを確定化、正確さを左右する本質ではあっても、
実際の身体に対して動かない物だったら全く使えません。

ゴルフ等スポーツの分野でもよく軸、軸と言われますが、
本来、人工的に意識する物ではなく、動きを繰り返す中で量が質に転換し、
無駄な力みが減って効率化していった結果立ち上がってくる、
または立ち上がったばかりの赤ちゃんが筋力がまだないから
身体の反射のみで立つ時に出来る、
ルピンの壺の様な物ではないかと思います。
ここで2つほど(ようやくですがw)
身体の「吊り下げ軸感覚」を体験するワークをやってみましょう。
立ったままでも座ったままでも構いません。気軽に試してみてください。
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◾️ワーク①
わざと固定支点の動き(軸がブレる動き)をして、
揺動支点の動き(軸が乱れない動き)と比較するワークです。
行う事自体は非常にシンプルで、あまりコツは要りませんが、
高確率で身体の変化を感じれると思います。
《準備》
立った状態で誰かに胸や背中、または横から肩を軽く指先で押されてみて、よろけやすさを調べてもらう。
※検証的には、出来るだけ二人で行うのが望ましいですが、自分一人で行う場合、ワークの前に、例えば左右それぞれ片足立ちになってみて、グラつきやすい側を覚えておく。AとBそれぞれのワークの後で、どの様な変化があるか観察しましょう。
(A) 【固定支点で立つ動き】
1. 椅子に座って、または、しゃがんで立ち上がる際、膝に手をついてどっこいしと立ち上がってみる。
2. 誰かに胸や背中を軽く押されてみて、よろけやすさを調べてもらう。
(B) 【重心の瞬間落下】
1.次に、立った状態から、膝、股関節、足首を僅かに一瞬抜いてほんの数ミリだけ全身を落下させる。
と言っても実際は数センチ以上落下しやすいので、瞬きするくらいの間で気絶する様な感じで行う。
その落下の反動で身体が少し床から跳ね返って弾む現象を起こせたら成功。
ポイント:首や肩、腰等の余計な力を出来るだけ抜いた状態で行います。
2. 誰かに胸や背中を軽く押されてみて、よろけやすさを調べてもらう。
如何でしょうか。よろけやすさが変化したのではないでしょうか。
(A)の後はグラつきやすいか、何か支える筋力であちこち補正しながら立っている感じになり、
(B)はグラつきが減ったり、より支える力を特に使わずに立てる感じがしたのではないでしょうか。
もし、あまりそれを感じられなくても構いません。
上半身の力みが極端に強い人はあまり差が出ない事もあります。便利な言葉だと言われそうですが、やはり個人差があります。
本当の落下をするのは意外に難しく、どうしても安定させたくなってしまう人が多い様です。
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◾️ワーク②
重力と釣り合う感覚と不安定を実感するワークです。
(A) 【居着いた安定状態】
ただドテッと普通に立ったり、
ワーク①(A)の様に、どっこいしょと立ちあがった後に、自然呼吸をしてみて、重心の揺らぎがどのくらい生じているかを感じてみる。
(B) 【居着かない不安定状態】
1. 左右の足をくっつけて立ち、高い電信柱のてっぺんに
一人で立っている様なイメージ、感覚で立つ。

天辺に立って手を振るアレックス・オノルド氏
2. 足の裏で床を感じます。
3. 下へ落ちる重力と、上から吊られて引っ張られている感覚を同時に感じてみる。
4. そのバランスを作っている際に、呼吸するだけで揺らいでしまう、“不安定なポイント”があるので、敢えてその状態にする。
5. 上下に引っ張り合う力の真ん中で「ちょうど釣り合っている」と、何とも言えない心地よさと揺らぎが出てくると同時に、足裏に落ちている重心落下点の前後左右の揺らぎが出てくる。
✅ ポイント:背筋を伸ばそうとか考えるのは禁物です。無理に真っ直ぐ立とうとせず、バランスに身を任せます。
どうでしょうか。
(A)は武道・武術で言う、“居着いた状態” になっているので、
呼吸しても特にバランスの変化は何も感じないか、凄く薄いのに対して、
(B)は前後に何か落ちそうな、倒れそうな感覚、身体が動きたくなる感覚が出たのではないでしょうか。
つまり、
「呼吸によって生じる、重心の変化」
を感じ取りやすいバランス感覚に変化したという事です。
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今回は実践編ということで、比較的に簡単に試せそうなワーク、
というか実験的な物を2つ紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
次回は昔は日常だった軸というタイトルで、更にいくつか別のワークを紹介しながら、周囲と衝突しないとは?や、軸や脱力、元々のテーマであるリズム感と密接な関係がある比較的重要な身体の部位についてについて深掘りしていきます。
様々な点と点の情報が、徐々に結びついて行くワクワクが皆様に生まれます様に!
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