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【組織戦略】 想定外でフリーズする組織を救え。50代EMが実践する、変化を楽しむチームの作り方 【Ch52】 🌊


システムで障害発生!5xxエラー発生! 要確認!!!📱



週末夕方、退勤の準備を始めようとした矢先に鳴り響くチャットの通知音。

その瞬間、頭の中が真っ白になり、胃がキュッと痛くなるような感覚を覚える方は多いのではないでしょうか。

終わりの見えないトラブル対応や、突然の仕様変更。

責任感の強い方ほど、身を削って目の前の火を消し続けていませんか?


これまでのキャリアを振り返ると、決して平坦な道ではありませんでした。泥臭い現場を転々とし、IT業界へ飛び込んでから20年以上の歳月をサバイブしてきました。

仕様変更、急なバグ、メンバーの離脱、技術トレンドの激変……。
まさに「想定外」との戦いの連続。。。


でもVUCAと呼ばれる現代において、変化を敵対視していては組織も自分自身の心身も持ちません。
VUCA=変動性・不確実性・複雑性・曖昧性

今回は、私がEMとして組織開発の最前線で大切にしている軸をベースに、チームが変化をポジティブに受け入れ楽しむための変化耐性強化に至るステップについてお話しします。




🧠 第1章:なぜ、私たちの脳は「変化」を全力で拒絶するのか?


そもそも、なぜ組織や人はこれほどまでに変化を嫌うのでしょうか😕

  • メンバーのやる気がないから?

  • ベテラン層が保守的だから?

いいえ、全く違います(推察含むですが。。。)

それは生き物としての生存本能であり、極めて正常な心理学的な防衛反応だそうです。

組織や個人に変化(異物)が導入されると、以下のようなプロセスを辿るとされています。

  • 現状維持: 慣れ親しんだ安心感と安定のフェーズ。

  • 異物の導入: 想定外のトラブルや、新しい技術・ツールの突然の導入。

  • 混乱: 不安、抵抗、そして一時的なパフォーマンスの急降下。

  • 変容のアイデア: カオスの中から、新しいやり方や解決策を発見する。

  • 新ステータス: 変化を取り入れ、以前よりも高いパフォーマンスを発揮する。


多くの組織では、この混乱の段階でパフォーマンスが落ちることに耐えきれず、やっぱり前のやり方に戻そうとしてしまいます。

人は変化に対して本能的に強いストレスを感じる生き物です。

変化に抵抗するのは怠惰だからではありません。

現状維持バイアスという強力な心理作用が働いているだけなのです。

だからこそ、EMの本当の仕事は強引に変化を求めることではなく、このカオスを、チームと一緒乗り越えるための強固な橋をかけることなのです。

🏋️‍♂️ 第2章:トレーニング① 小さく変えて、脳を騙すアジャイル思想


では、どうすればこのカオスの谷を乗り越えられるのか?

最初にやるべきこと。

それは、極めて小さく変えることです。

変化耐性のないチームに、いきなり明日から変化しろ!と言えば、当然パニックになります。

最初は小さく。
本当にこれで、この先に変化していけるのか?と疑問に思うくらい小さく。

  • NGなアプローチ: 無駄な定例会議を明日から全部なくそう!(急激な変化=未知への恐怖)

  • ⭕️ OKなアプローチ: 定例会議の最後の5分だけ雑談の時間にしてみない?(小さな実験=安全と安心)

人が行動を起こすためにはモチベーションだけでなく、実行のしやすさが極めて重要だとされています。

私はチームに新しい提案をする際、以下のように伝えています。

  • 決定事項じゃないこと。

  • たった1週間だけの実験であること。

  • もし上手くいかなかったら、来週すぐに元のやり方に戻すこと

だから、まずは小さく試してみない?と投げかけるところから。

いつでも戻せるという安心感と、小さな実験という魔法のフレーズ。

これだけで、メンバーは想定外の脅威をワクワクする実験としてポジティブに再認識し始めます。
これが組織の自立自律自走を促すための、最も強力な第一歩になります。

🛡️ 第3章:トレーニング② 心理的安全性を構造で担保する


想定外の事態が起きた時、チームが思考停止してしまう最大の原因は、失敗したら怒られるかもしれない、自分の評価が下がるかもしれない、という恐怖です。

ここで重要になるのが、Googleのプロジェクトであるアリストテレスで重要性が証明された心理的安全性です。

心理的安全性は、対人関係のリスクをとっても安全だと信じられる職場環境と定義されています。

でも勘違いしてはいけないのが、何を言ってもいいとか、怒らないから、いう口先だけで終わってしまうことです。
それでは現場の空気は変わりません。

管理職はこれを精神論ではなく、構造としてチームに組み込みます。

✅ 変化を楽しめるチームにするためのEMの仕掛け

  • ナイス失敗!の称賛 🎉

    1. 想定外のトラブルなどで誰かが果敢に挑戦して失敗した時、第一声でナイス・トライ!いい失敗だね!と声をかけます。

    2. 結果ではなく、挑戦した事実そのものを称賛する文化を意図的に作ることで、未知への恐怖心を麻痺させます。

  • EM自身の弱さの開示 🤕

    1. 自身が想定外の事態で困っているという泥臭い姿を見せることで、メンバーはマネージャーやリーダーでも完璧でなくていいんだ!と安心し、自ら主体的に動き出します。

マネージャーは、メンバー全員の書いたソースコードを一行残らずレビューすることはできません。
でも、メンバーの表情のこわばりやチャットの文面の小さなSOSには、誰よりも敏感でありたいと思っています。

想定外の荒波の中でメンバーを絶対に一人にはしない。
その本気の寄り添う姿勢が、チームの足腰を根底から強くします。

📝 第4章:トレーニング③ 失敗を資産に変えるドキュメント


最後のトレーニングは、想定外のトラブルを個人の反省で終わらせず、組織の資産へと変換するドキュメントドリブンの実践です。

名著『失敗の科学』では、航空業界がいかに失敗データを透明性高く共有し、システム全体を進化させてきたかが克明に描かれています。
この考え方を、IT開発組織にもそのまま適用します。

想定外の事態が何とか収束した後、私は必ずポストモーテム(事後検証)を開きます。

ここで絶対に守るべき鉄の掟があります。
それは、犯人探しは絶対に禁止ということです。

📝 変化耐性を劇的に高めるドキュメントの書き方

  • Fact(事実): 「Aさんが設定ミスをした」といった属人的な表現ではなく、「システムが特定の条件下でエラーを吐いた」「手順書にフェイルセーフの記載がなかった」と、事象と仕組みの問題として淡々と記述する。

  • Learning(学び): 「なぜその想定外が起きたか」をシステム的・組織的な観点から深く掘り下げ、そこから得られた新しい知見を言語化する。

  • Future(未来): 「次はどうやってこの波を楽しむか(どう仕組みで防ぐか)」を具体的なアクションプランに落とし込む。

上記を実践しチームに文化として根付いてくると、その後のチームにとっての想定外は、恐怖の対象から組織が成長するための最高のネタへと進化します。

これが、私が目指す変化に強いヒューマン・アーキテクチャの完成形です。

🚀 第5章:変化の波に乗るミドル世代、そして次世代を担う若手へ


🔥 第一線で戦い続ける、戦友である同世代のミドルマネージャーの皆さんへ

私たちはこれまで、バブル崩壊後の不況やリーマンショック、そして凄まじいスピードで進む技術のパラダイムシフト……
数え切れないほどの想定外を泥水にまみれながら生き抜いてきました。
その経験値は、決して伊達ではありません。

若手メンバーが予期せぬトラブルでパニックに陥っている時でも、どっしり構えていられるのは、数々の修羅場をくぐり抜けてきた私たちだけの特権です。
その鈍感力(レジリエンス)こそが、チームの最大の防波堤になります。

🌱 次世代を担う、若手の皆さんへ

皆さんの新しい技術への適応能力と、圧倒的なキャッチアップのスピードは本当に素晴らしいです。
でも、もしも次々とやってくる変化の波に少し疲れそうになったら、少し立ち止まって思いをはせてみてください。

アジャイルソフトウェア開発宣言には、こうハッキリと書かれています。

「計画に従うことよりも、変化への対応を」

この複雑な世界において、最後まで完璧に機能する計画なんて最初から存在しません。
人生は想定外の連続です。

海にやってくる波をコントロールできないように、変化を止めることはできません。🌊
ならばサーフィンを楽しむように、来る波をいかに美しく乗りこなすか。🏄

そのプロセス自体を、キャリアの最大の楽しみにしてみませんか?

🌈 結び:想定外こそが、私たちの真の仕事である


振り返ってみれば、自分が思い描いた計画通りに進んだことなんて、ただの一つもなかったかもしれません。

すべては良き想定外の連続でした。

でもだからこそ人生は面白く、キャリアは味わい深いのだと思います。

休日に美味しいビールを飲みながら「今週も色々あったな」と振り返る時間が、私の至福の時です。

完全に予定調和な毎日からは、決してイノベーションは生まれません。

想定外のトラブルが起きたその瞬間こそが、私たちマネージャーの最大の腕の見せ所であり、チームが一つ上のステージへと進化する絶好のチャンスななのですから。

難しい経営理論や偉そうなことは書けませんが、もし今、予期せぬトラブルや終わらない火消し対応で一人胃を痛めているリーダーがいるなら。

さて、どうやってこの面白い波をチームで乗りこなそうか?と、メンバーに笑顔で問いかけてみてください。

あなたの小さな一言が、組織のスイッチを守りから攻めへと切り替える、最強の魔法になるはずです。

🎁 変化に強いチームを作る!EM秘伝のカオス・ナビゲーション

この記事の続きでは、私が実際に組織変革の現場で使用し、数々のチームをカオスから救ってきた変化の受容度診断シートや、想定外を成長に変えるためのワークショップ手順書を綴っていく予定です。

  • 📝 サティアの変化モデルを使った、チームの現在地(カオス度合い)確認ワークフレーム

  • 🎯実験を組織の文化にするための、心理的ハードルを劇的に下げるスクリプト集

  • 📚 失敗を組織の資産と物語に変換する、ナラティブ・ドキュメンテーション術



どんな大波が来ても決して折れない、しなやかで強い自走チームを作っていきましょう!🌊🏄‍♂️



最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!✨

この記事が少しでも

  • 「チームに変化の兆しが見えた!」

  • 「何気ない会話が弾んで生産性向上につながった!」

と理想な形に少しでも近づくきっかけとなれば良いなと。


私のnoteでは、これからも現場のリアルな泥臭い経験に基づいたキャリア戦略や組織・マネジメント論を発信していきます。

それでは、また次の記事でお会いしましょう!


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