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反グロ論:稲村公望氏に訊く・郵政民営化の真実〜国富流出の批判


郵政民営化の真実:国富流出の批判

概括:

元総務省・郵政省官僚・稲村公望こうぼう氏に訊く。「ChGrandStrategy」というYouTubeチャンネルに投稿動画の抜粋では、日本の郵政民営化が失敗であったと主張しています。 この主張は、現郵政社長である増田氏が事実上民営化の失敗を認めたという記事や、アルゼンチンやニュージーランドといった他国の民営化の失敗例を挙げて補強されています。また、かつて日本国民の資産として公共事業に充てられていた郵貯や簡保の資金が、民営化によって海外勢力に流出し、現在その残高が大幅に減少している可能性が示唆されています。 稲村氏は、この民営化を「私物化」と表現し、日本の資産が外国勢力によって狙われた結果であると批判しています。この問題は日本の地方経済の衰退にも繋がり、政府やメディアがこの事実を追求せず隠蔽してきたと強く非難し、早急な是正を求めています。

郵政民営化その1

はじめに

稲村公望氏の「郵政社長も認めた?郵政民営化の間違いと裏側 〜前編〜」と題されたインタビュー記事に基づき、郵政民営化の経緯、その失敗、そして再国営化の必要性に関する主要なテーマ、重要なアイデア、および事実をレビューします。

増田郵政社長の発言と民営化の失敗

  • 増田社長の発言: 日本経済新聞(5月12日付け)のトップ記事で、現郵政社長の増田氏が「郵便局整理が必要だ」と発言したことが引用されている。これは都心の高コストな郵便局の整理を示唆するものであり、稲村氏はこれを「民営化失敗を事実上認めた」と解釈している。

  • 稲村氏の反論: 増田氏が総務大臣時代に「郵政民営化でバラ色の未来が開ける」と主張していたことを踏まえ、稲村氏は「話が違うじゃないか」と批判。地方だけでなく都会の郵便局も相互扶助が必要であると主張している。

  • 民営化の当初の約束との乖離: 当初は「バラ色の未来」が約束されたにもかかわらず、現状は郵便局の整理が求められる事態に陥っており、これは民営化が失敗であったことを示唆している。

海外における民営化の失敗事例

  • アルゼンチン: 稲村氏が郵政省の課長時代に遭遇した事例。当時の郵政トップは「バラ色の未来が開ける」と述べていたが、わずか6ヶ月後にデフォルト(債務不履行)を起こした。これは郵政だけでなく、アルゼンチン全体の民営化の嵐が失敗に終わった一例とされている。

  • ニュージーランド: 日本経済新聞が「素晴らしい」と報じたニュージーランドの郵政民営化も失敗に終わったとされている。民営化により物価(ガソリンなど)が上昇し、地方の温度が上がる(ヒートアイランド現象類似)などの影響で羊が倒れるという冗談が語られた一方、実際には景気が低迷し、大量の失業者が出て海外へ流出したという。ニュージーランドはその後、国営の貯蓄銀行「キウイバンク」を設立し、手直しを行った。

  • 共通点: いずれの国でも、民営化によって当初約束された恩恵が得られず、経済的・社会的な問題が発生している。稲村氏は、これらの海外事例から、日本も同様の失敗を辿る可能性があったと警鐘を鳴らしている。

郵政民営化の背景と問題点

  • 世論操作の疑い: 稲村氏は、日本国内で「バラ色の未来が開ける」という「ある種のマスゴミ操作が行われた」と指摘。日劇前で電通が関与して行われた「郵政民営化バラ色の未来だ」という紙芝居についても言及し、当時の政治家が世界のトレンドや実態を見ずに「踊らされて」いたと批判している。

  • 人口減少の要因: 郵便局の整理の理由として人口減少が挙げられることに対し、稲村氏は「小泉総理の時代に地方に対する補助金が大幅に削減され」たことが人口減少を招いたと主張し、それが郵便局の整理に繋がったと指摘している。

  • 郵政の資産: 郵政は戦後の復興期に、外国から借金をせずに新幹線や港湾、さらには小中学校の建設資金として利用された莫大な資産を有していた。稲村氏はこの資産が、民営化によって失われたことに危機感を抱いている。

  • 資金の流出: 貯金と保険の資金が「外国の悪の勢力を狙って」「分離して金を引き上げた」のが実態だと稲村氏は考えている。

  • 資金準備金の大幅減少: 10年前には110〜115兆円あった資金準備金が、現在では半分になっている可能性があると指摘。今年の日本郵政の決算が赤字であったにもかかわらず、保険会社である日本郵政が国際会計基準に則った準備金の発表をしていないことに疑念を呈している。

  • 運用先の変化: かつて大蔵省の資金運用部などが運用していた郵便貯金の資金は、現在「日本トラスティサービス銀行とかですね、そういう新しい銀行ができてそこに運用を丸投げしている」と指摘。

  • 専門性の喪失: かつて郵政省独自の資金運用部門が存在し、世界16か所の情報収集網と専門的な人材によって堅実な運用が行われていたにもかかわらず、現在はその能力が失われている。

  • 「郵政民営化」ではなく「郵政私物化」: 稲村氏は「privatization」の翻訳を「民営化」ではなく「私物化」と解釈すべきだと主張。野中広務氏の「人の財産、俺のものだ、というのは良くないな」という言葉を引用し、郵政の資産が国民のものであるにもかかわらず、一部の勢力によって私物化されたと批判している。

  • 税金の無駄遣いという誤解: 小泉総理が「税金の無駄遣い」と郵政を批判したことに対し、稲村氏は「明治4年創設以来、税金で食った歴史はない」と反論。「儲かったらむしろ上納して」いた事実を指摘し、NHKがこの事実を誤報したことによって国民に誤解が広まったと述べている。

再国営化の必要性

  • 現状の危機: 115兆円あった郵政の資金が半減している可能性があるにもかかわらず、政治がこれを追求しないことに稲村氏は強い危機感を抱いている。

  • 地方破壊の責任: 地方を壊した張本人が現在の郵政社長であるという認識を示し、「早く修正しなくちゃいけない」と再国営化の必要性を訴えている。

  • 国民資産の保護: 郵政の資産は国民の公共財であり、それが海外に流出している現状を鑑みれば、それを守るために再国営化が急務であるという主張が示唆されている。

まとめ

郵政民営化は、「バラ色の未来」という触れ込みとは裏腹に、海外の失敗事例と同様に日本の経済・社会に深刻な問題をもたらしたと稲村氏は主張する。特に、国民の重要な資産であった郵政の資金が、一部の勢力によって私物化され、その運用が不透明化している現状は極めて深刻である。稲村氏は、増田郵政社長の発言を民営化失敗の証左と捉え、失われた国民の財産を取り戻し、地方の再生のためにも、速やかな再国営化を強く訴えている。

郵政民営化の真実と再国有化への道

この YouTubeの動画では、郵政民営化について、その問題点と背景が論じられています。稲村公望氏は、民営化がアメリカの一部勢力と日本の財務省の思惑によって進められ、銀行救済のための資金源として郵政の資金が利用された可能性を指摘しています。また、外資系証券会社(ア◯ラ◯ク)が民営化プロセスに深く関与し、日本郵政が不採算な海外企業の買収をさせられたこと、そしてその損失がメディアで報道されないことへの疑問が呈されています。さらに、かつての郵政省の監査機能の廃止や、地域を支えてきた特定郵便局制度の変更が、地方経済の疲弊を招いたとし、政治による抜本的な改革再国営化の必要性を訴えています。

郵政民営化その2

稲村公望氏の「郵政社長も認めた?郵政民営化の間違いと裏側 〜後編〜」と題されたインタビュー記事に基づき、郵政民営化の主なテーマ、重要な考察、および関連する事実をまとめたものです。

郵政民営化の背景と動機

稲村氏は、郵政民営化の背後には複数の思惑があったと指摘しています。

  • 米国の圧力と日本の資金確保: 「アメリカの一部の勢力そのお金をま巻き上げようとしたんだ」という見方が示されており、日本の郵貯資金を狙う動きがあったとされています。

  • 金融機関の救済: 当時経営が悪化していた日本の銀行を救済するため、郵政民営化を通じて「銀行の保険のですね分担機を増やしてですね例えば銀行ある潰れたら優先の金で補填する」という発想があったと述べられています。財務省もこの動きに賛同していたと推測されています。

  • 外資系証券会社の関与: 郵政株売却時の主幹事証券会社11社のうち4社が外資系(JPモルガン、ゴールドマンサックス、シティグループ、UBS)であり、特にJPモルガンとゴールドマンサックスが積極的に関与していた可能性が示唆されています。

民営化後の問題点と損失

民営化後、郵政事業は様々な問題に直面し、多額の損失を計上しています。

  • オーストラリア企業買収の失敗: 2015年のオーストラリアの物流大手トール・ホールディングス買収(6000億円超)は、3年後に43億円の損失、その後さらに25億円の追い金が発生し、実質的な損失は8200億円に上ると指摘されています。

  • 多額の損失の隠蔽: 西川氏の時代にも1200億円の損失があったとされ、これらの巨額の損失が日本のマスコミによって十分に報道されていないことが問題視されています。

  • サービスの質の劣化: 郵政民営化後、郵便サービスの質が劣化していると述べられています。これは、「郵政はあまり儲からない」状況で、簡易保険や郵便貯金の収益に依存する構造になっているためと分析されています。

  • 郵政独自の犯罪捜査組織の廃止: 民営化以前に存在した「郵政観察」と呼ばれる犯罪捜査組織が廃止されたことで、不適切な行為の監視が手薄になったと懸念されています。

外資系企業の独占と不公平な競争

特定の外資系企業が日本の郵政事業の利権を独占したことが問題視されています。

  • ア◯ラ◯クによるがん保険の独占: 「ア◯ラ◯クにね、保険を独占させたっつうのもダメだと」指摘されており、米国のがん保険会社ア◯ラ◯クが不当に市場を独占したと批判されています。これは、当時の共和党大統領候補であったキーティング氏(全米保険協会トップ)の「簡易保険潰せ」という主張と関連付けられています。

  • 米国債購入による郵便貯金の保護: 郵便貯金が潰されなかった理由として、「郵便貯金アメリカの国債をたくさん買ってたから」という事実が挙げられており、日本の郵貯資金が米国の財政に貢献していたことが示唆されています。

地方経済への影響と「地方切り捨て」の思惑

郵政民営化は、地方経済にも甚大な影響を与えています。

  • 地方郵便局の機能低下と閉鎖の危機: 郵便局がNHK受信料や国民健康保険料の徴収業務から手を引いたこと、および民営化後のサービス劣化は、地方住民にとって不可欠なインフラであった郵便局の存続を危うくし、「地方から郵便局が消える」可能性が指摘されています。

  • 地方の活力喪失: 稲村氏は、郵政民営化が「地方の活力まで実質これ奪われ奪い取る、奪い取ることが意図的にね行われた」と強く批判しており、地方の疲弊が日本の国力低下に直結すると警鐘を鳴らしています。戦後の日本の復興は地方の豊かさによって支えられてきたにもかかわらず、その重要性が忘れ去られていると述べています。

  • 中央集権的な発想: 一部のエリート層に「沖縄で仕事がなければ東京に出ればいい、東京で仕事がなければニューヨークに行けばいい」といった地方を軽視する発想があることが指摘されています。

政治的介入と今後の展望

郵政民営化は、政治的な圧力と特定の勢力の意図によって推進されたと認識されています。

  • 独裁的な政治手法: 民営化法案が「日本政府が書いたんじゃなくて一部の人たちがホテル大倉に閉じこもってですね原案を書いて出してそれでホイと通した」という経緯や、「反対だと言うと刺客を送られて落選させられ」た事実から、「独裁の臭いがする独裁の王道」と表現されています。

  • 政治家への提言: 稲村氏は、郵政民営化が政治によって行われた以上、「政治で直す以外ない」と主張し、国会議員がこの問題に真摯に向き合うべきだと訴えています。

  • 再国営化の可能性とモデル: 郵政事業を立て直すためのモデルとして、「日本郵政公社」の再評価を提案しています。独立採算制で、複数年度にわたる長期的な計画が可能であった点を評価し、当時の法律が「非常に出来がかった」と述べています。

その他重要事項

  • 初代総裁の交代劇: 郵政民営化の初代総裁に就任した行田氏が事実上追い出され、ゴールドマンサックスと関係があったとされる西川氏が就任したこと、さらに西川氏の側近が三井住友銀行の社宅から通勤していたという不審な動きも指摘されています。

  • 西室氏の関与と発言: 東芝出身で、日本郵政の社長を務めた西室氏が、ア◯ラ◯クの独占市場形成に加担したとされる経緯が語られています。稲村氏に対してア◯ラ◯クの話をしないよう求める発言があったことも明らかにされています。

  • 検察の捜査放棄: これら一連の疑惑に対して、日本の検察が「ちゃんと捜査しない」ことに不満が表明されています。

まとめ

稲村氏の談話は、郵政民営化が単なる効率化のための改革ではなく、米国の金融勢力や一部の日本の金融機関の思惑が絡み、日本の貴重な国家資産が海外に流出し、さらには地方経済に甚大な打撃を与えた「悪事」であったと強く示唆しています。また、その過程において、政治的な不当な介入や、情報統制があった可能性も示唆しています。現状のままでは郵政事業が「潰れる」可能性があり、そうなれば日本全体に「大混乱」をもたらすとして、政治による抜本的な改革の必要性を訴え、特に日本郵政公社をモデルとした再建を提言しています。

このビデオは、日本の郵政民営化について、神谷宗幣氏が稲村公望氏を招いて議論する内容です。稲村氏は、民営化当時からその政策に疑問を呈しており、今回の対談では、民営化に反対した理由、懸念していた事態が現在どうなっているか、そして国民が被った不利益について詳しく語っています。特に、郵便局の資産が税金で作られたものではないことや、民営化によって失われた社会福祉的な側面、そして職員のモチベーション低下といった点が強調され、郵政民営化が日本社会に与えた影響が多角的に考察されています。

郵政民営化が日本社会にどのような広範な影響を与えたのか?


郵政民営化は、日本社会に多岐にわたる広範な影響を与えました。主な影響は以下の通りです。

1) 国民の財産と資金の扱いに関する問題

◦郵政民営化は、日本の世界最大級の資産を対象とし、国民の貯蓄の5分の1を占める巨大な金融資産がその対象となりました。
◦しかし、多くの国民が知らないこととして、郵便局のネットワーク自体は税金で建設されたものではありません。明治時代、前島密は郵便事業が税金に頼らないことを強く主張し、地方の名望家が資金を貸し付けて全国的なネットワークが築かれました。例えば、ミキモトパールもその例として挙げられています。
小泉総理は、郵便局員が国家公務員として税金で給与を得ているという誤解を正そうとしなかったと稲村氏は指摘しています。しかし実際には、郵政職員の給与は自分たちの稼ぎで賄われており、税金で負担されていませんでした。
◦この国民の財産である資産が「私物化」されたことは、非常に大きな問題だったと指摘されています。
郵政職員の年金についても、国家公務員でありながら税金に頼らず、自分たちの資金で負担されてきたという歴史があります。

2) サービス提供の原則と社会政策的役割の変質

◦民営化に反対した主な理論的根拠は、「全国津々浦々、貧しいところも豊かなところも、都市も地方も、同じサービスを提供していく」という郵政のユニバーサルサービスの理念が、民営化の考え方と合致しないという点でした。
◦旧郵政公社は企業会計制度を導入しており、長期的な投資も可能であると考えられていましたが、民営化後はこの点が懸念されました。
◦特に、かんぽ生命保険の性格が大きく変わりました。民営化前は、社会政策の補完という特別な法律(簡易保険法)に基づいていたものが、民営化によって市場原理に基づく一般的な保険へと変質しました。
◦かんぽ生命はもともと、葬式費用や子供の学費など、国民のささやかな貯蓄を目的とした貯蓄型保険であり、社会福祉的な要素を持っていました。

3) 職員の士気と業務内容の変化

民営化後、郵便局員にはノルマが課せられ、時には強引な営業手法が見られるようになりました。
◦民営化前の郵便・かんぽのセールスマンは、収入が良いだけでなく、「郵便局長」という名誉ある役職を目指すことができ、金銭目的だけではない動機がありました。しかし、民営化により「金稼ぎ」が主目的となり、多くの有能なセールスマンが「馬鹿馬鹿しく」なって退職したとされています。
◦このような変化は、「社会の安定をどうするかという考え方が失われ、「ただ儲ける」という考え方が入ってきて郵政を破壊したと批判されています。

4) 地方社会への影響

◦稲村氏は、自身が郵便局の家に生まれた経験から、地方を守るという意識が強かったと述べています。
◦地方を維持するためには都市部での収益が必要であると同時に、地方の努力があって初めて都市が機能するという相互依存の関係性があると考えています。
◦民営化を含む一連の政策が「地方創生」とは逆行し、地方を破壊していると批判しています。
◦結果として、現在、地方はますます寂れており、山村地域では高齢者が孤立して生活するケースが増加していると指摘されています。これは、明治以来日本が築いてきた「美しい日本」を取り戻すための国家的な努力が必要な問題であると訴えられています。

これらの点から、郵政民営化は単なる組織再編に留まらず、日本社会の根幹をなすインフラ、金融、保険、そして地域社会のあり方にまで広範な影響を与えたと考えられています。

郵政事業の歴史的役割と国民生活への貢献は何か?

郵政事業は、日本社会において独自の歴史的役割と国民生活への多大な貢献を果たしてきました。以下にその主な点を挙げます。

1) 税金に頼らない全国ネットワークの構築

◦郵政事業は、明治4年の創業から数年後に簡易保険かんぽが発足しますが、創業者の前島密まえじま ひそかは、「税金の世話になるな」と口酸っぱく主張していました。
◦郵便局のネットワーク自体も、税金でつくられたわけではありません。
◦当時、明治政府にはお金がなかったため、地方の名望家に金を貸してもらう形で、全国的なネットワークが築かれていきました。例えば、ミキモトパールのような会社も、そのルーツが全国ネットワークの構築に寄与したとされています。
◦このことから、郵政の財産は国民の財産であって、税金によって作られたものではないという点が強調されています。

2) 社会政策的な役割と国民の生活の安定への貢献

◦郵政、特にかんぽ生命保険は、民営化前は「簡易保険法」という特別な法律に基づいており、社会政策の補完の立場にあることが明確でした。
◦かんぽの大きな目的は、国民が「葬式の時に使うお金」や、子供の「小学校から中学校までの学費」など、ささやかな貯蓄を目的とした貯蓄型の保険であり、社会福祉的な要素を持っていました。これは、国民の生活における予期せぬ出費やライフイベントを支える重要な役割を担っていました。
◦かつての郵便局では、不幸があった家庭に局長が直接現金を届けるなど、地域密着で社会福祉的な役割を担っていたエピソードも紹介されています56。
「全国津々浦々、貧しいところも豊かなところも、都市も地方も、同じサービスをやっていく」という郵政の理念は、その社会政策的な役割と深く結びついていました。

3) 職員の自立性と社会貢献への意識

◦郵政職員、特に郵便局員の給与は、税金で賄われていたわけではなく、自分たちの稼ぎで賄われていました。これは霞が関の官庁の中でも珍しい体制であったと述べられています。
◦職員の年金についても、国家公務員でありながら税金に頼らず、自分たちの資金で負担してきた歴史があります。
◦民営化以前の郵政・かんぽのセールスマンは、稼ぎが良いだけでなく、最終的には「郵便局長」という名誉あるポストを目指すことができ、金銭的な動機だけでなく社会的な名誉や貢献を意識していました。このような動機付けが、個人の金銭的な利益だけでなく、「社会の安定をどうするか」という社会全体への貢献意識を育んでいたとされています。

4) 地方社会の維持への貢献

◦地方の郵便局は、地域のインフラとして重要な役割を担い、「田舎の地方を守る」という意識が強くありました。
地方が成り立っていくためには都市部での収益が必要であり、また都市の機能も地方の努力があって初めて成り立つという相互依存の関係性を支える存在でもありました。郵政事業は、地方の過疎化が進む現代において、かつての「美しい日本」を築いてきた役割の一端を担っていたと考えられています。

これらの要素から、郵政事業単なるサービス提供機関に留まらず、国民の財産を守り、生活の安定を支え、地域社会の結束と地方の維持に貢献する、多岐にわたる重要な歴史的役割を担ってきたと言えます。

郵政民営化の決定過程とそれに伴う問題点は何か?


郵政民営化の決定過程とそれに伴う問題点は多岐にわたります。

郵政民営化の決定過程
郵政民営化の背景には、いくつかの要因と認識が存在しました。

1) 国際的な影響と特定のコンサルタントの関与

世界的に郵政事業の民営化が推奨される動きがあり、その一例としてアルゼンチンが郵政民営化後に国家全体がデフォルトに陥ったケースが挙げられています。日本の郵政民営化も、この「富める国のモデル」として同様の論理に基づいていた可能性が示唆されています。特に、あるコンサルタント会社(その後、ドイツ郵政の総裁になった人物の出身元)が関与しており、その人物は後にモルガン・スタンレーとの秘密の入札が明らかになり、ドイツ政府によって逮捕・失脚させられたとされています。当時の官邸での会議では、小泉内閣に対しアメリカ人の学者が民営化を賛成する意見を述べるなど、外部からの影響も指摘されています。

2) 国民の財産に関する誤解

多くの国民は、郵便局のネットワークや郵政職員の給与が税金で賄われていると誤解していました。明治4年の創業以来、郵便事業は創業者の前島密が「税金の世話になるな」と強く主張し、地方の名望家からの貸付によって全国ネットワークが築かれたため、郵政の財産は税金ではなく国民の財産であるとされています。しかし、小泉総理はこの誤解を正そうとしなかったと指摘されており、野党議員の中にも「郵便局員が税金で給料をもらっているなら、民営化で税負担が減る」と考える者がいたとされています。

3)「行政改革」という名目

これらの誤解や国際的な流れが、「行政改革」という名目のもとで民営化を推進する背景となったと考えられています。

郵政民営化に伴う問題点

郵政民営化は、以下のような広範な問題を引き起こしたと指摘されています。

1) 国民の巨大な資産の「私物化」

日本の郵政が保有していた資産は世界最大級であり、国民の貯蓄の5分の1を占めていました。これが税金で築かれたものでないにもかかわらず「私物化」されたことは、非常に大きな問題であると強調されています。

2) 社会政策的役割の変質とサービスの質の低下

◦民営化の反対理由の一つは、「全国津々浦々、貧しいところも豊かなところも、都市も地方も、同じサービスを提供していく」という郵政の理念が、民営化の考え方と合致しないという点でした。
◦特にかんぽ生命保険の性格が大きく変わりました。民営化前は「簡易保険法」という特別な法律に基づき、社会政策の補完という位置づけで、国民のささやかな貯蓄(葬式費用や子供の学費など)を目的とした貯蓄型保険であり、社会福祉的な要素を持っていました。しかし、民営化により市場原理に基づく一般的な保険へと変質しました。
◦民営化後、郵便局員にはノルマが課せられ、時には強引な営業手法が見られるようになりました。稲村氏は、かんぽの資産償却期間を60年から10年に短縮したことで利益を出そうとしたことを「経済犯罪」と表現しています。

3) 職員の士気の低下と有能な人材の流出

民営化前の郵政・かんぽのセールスマンは、稼ぎが良いだけでなく、「郵便局長」という名誉ある役職を目指すことができ、金銭目的だけでなく社会的な名誉や貢献を意識していました。しかし、民営化により「金稼ぎ」が主目的となったため、多くの有能なセールスマンが「馬鹿馬鹿しく」なって退職したとされています。これにより、「社会の安定をどうするか」という考え方が失われ、「ただ儲ける」という考え方が郵政を破壊したと批判されています。

4) 地方社会の破壊

郵政事業は、地方の郵便局が地域のインフラとして機能し、地方を守るという意識がありました。都市部の収益と地方の努力が相互に依存し合う関係を支えていましたが、民営化を含む一連の政策が「地方創生」とは逆行し、地方を破壊していると指摘されています。結果として、地方はますます寂れ、山村地域では高齢者が孤立して生活するケースが増加している現状が問題視されています。これは、明治以来日本が築いてきた「美しい日本」を取り戻すための国家的な努力が必要な問題であると訴えられています。

これらの問題点から、郵政民営化は単なる組織再編ではなく、国民の財産、社会保障のあり方、地域社会の基盤、そして働く人々のモチベーションにまで、広範かつ深刻な影響を与えたと考えられています。

要約屋:

概説:郵政民営化の失敗と郵便事業の再構築

本動画では、日本郵政グループの現在の財務状況について解説されています。特に、日本郵便の郵便・物流事業が赤字に転落したことが強調されており、その原因としてデジタル化による年賀状や荷物取扱量の減少、そして燃料費の高騰が挙げられています。動画では、民営化以前の日本郵政が郵便事業の赤字を金融子会社の黒字で補填する仕組みであったことに触れ、現状の日本郵便の経営悪化は郵政民営化の失敗であると主張しています。さらに、郵便サービスは国民の生活基盤であるため、単独で利益を追求するのではなく、公的なインフラとして維持されるべきであるという見解が示されています。

なぜ日本の郵便事業は赤字に陥り、その原因はどこにあるのか?

日本の郵便事業が赤字に陥っている主な原因は、その事業の特性と、郵政民営化による構造変化にあると説明されています。

具体的には、以下の点が挙げられます。

•事業の本来的な特性

◦郵便事業は、日本において「通信インフラ」としての役割を担っており、ユニバーサルサービス:全国どこへでも低料金で同一料金でサービスを提供しなければならないという性質を持っています。
◦例えば、はがき1枚を全国のどんな離島にも80円で届けるというサービスは、元々採算が取れず、赤字になるのが当たり前の事業であったとされています。

•郵政民営化の影響

◦民営化以前は、郵便事業の赤字は、簡易保険(かんぽ)や郵便貯金といった金融部門の利益によって補填される構造となっていました。これはうまく考えられた仕組みだったと評価されています。
◦しかし、郵政民営化によってこれらの事業が基本的に分離されることになりました。
◦この民営化は、国民のために行われたのではなく、アメリカがかんぽや郵便貯金に集まる日本の国民の財産をアメリカ企業に渡すことを目的として要求したものだとされています。その結果、ア◯ラ◯クなどのアメリカ企業が郵便局の窓口で商品販売できるような構図ができたと説明されています。
事業が3つの会社に分割され、郵便事業単体で黒字化を目指すことになったため、「無理な状況」が生まれています。

•採算悪化の具体的な要因

◦日本郵便(郵便・物流事業)は、2024年3月期連結決算で686億円の営業赤字に転落しました(前期は330億円の黒字)。
◦この背景には、デジタル化による年賀状や荷物の取扱数量の減少があります。
◦さらに、物流や運営にかかるコストの高騰が響いています。
◦こうした状況により、日本郵便の最終利益は88.3%減の72億円となりました。

•効率化とサービス低下の悪循環

◦郵便事業の業績悪化に対し、経営の効率化を進めるという考えが示されていますが、これは人員削減につながると指摘されています。
◦人員が削減され、補充もされず、賃金も上がらない状況は、サービスの悪化(例:郵便の配達が遅くなる)を招きます。
◦さらに、郵便料金の値上げが実行されれば、ますます郵便離れが進み、業績がさらに悪化するだろうと懸念されています。

これらの原因から、郵便事業は単体での黒字化が困難な公共性の高いサービスであり、本来は金融部門の利益で支える、あるいは公的な事業として継続していくべきだという見解が示されています。

この番組の編集の切り取り方が最悪!

郵政民営化:15年後の真実

YouTubeチャンネル「ABEMA Prime」の動画では、郵政民営化が社会に与えた影響について検証しています!? 元担当大臣である竹中平蔵氏は、国際競争力の向上と事業の多様化が民営化の主な目的だったと説明しています しかし、元郵便局員や視聴者からの声は、土曜配達や24時間窓口の廃止など、民営化後のサービス低下への不満を明らかにしています。 また、はがきの利用減少による経営悪化と、地方における郵便局のインフラとしての重要性という課題も浮上しています。 この議論は、郵政民営化の成功と失敗の両側面を考察し、今後の郵便事業のあり方を問いかけるものです。

郵政民営化が日本の社会と経済にどのような影響を与えたのか?

郵政民営化は、もともと国の事業として行っていた郵便、銀行、保険などの事業を2007年から民間企業の経営に移行させた政策です。当時、この政策は賛成派と反対派で国論を二分する大問題となりました。

郵政民営化の主な理由と目的は以下の通りです。

事業の持続可能性の確保: 当時、郵便物の取扱数は年間約5%ずつ減少しており、このままでは郵政事業が「ジリ貧」になると懸念されていました。スマートフォンやインターネットの普及により、はがきや年賀状の利用が減少し続けていることが背景にあります。

国際競争力の強化: 国営では海外進出が難しいため、民営化によってより自由に国際物流事業に参入できるようになることが目指されました。ドイツポストがDHLを買収した例が挙げられ、日本も国際物流を自由に展開できるようにする必要があると考えられました。

効率化の推進: 民営化当時の日本の封書料金はアメリカの2倍であり、さらなる効率化が求められていました。

郵政民営化が日本の社会と経済に与えた影響は多岐にわたります。

社会への影響(サービスと国民生活)
サービス水準の低下:
土曜配達の廃止、24時間窓口や翌日配達といったサービスの相次ぐ廃止があり、多くの国民が不便を感じています。
◦現場の郵便局員もサービス低下を残念に思いつつ、「経営を維持するためには、サービスを落とすか値上げするしかない」と述べています。
◦専門家は、民営化時に謳われた「郵便局の高度化」や「あらゆるサービスが郵便局でできるようになる」という謳い文句が実現していないと指摘しています。

ユニバーサルサービスの維持の課題:
◦日本は「万国郵便条約」に基づくユニバーサルサービス(全国津々浦々に平等に郵便を届ける義務)を負っており、これを維持しながらサービスを維持することの難しさが現場レベルで感じられています。
◦土日配達や24時間サービスがなくなったことについて、当時の担当大臣である竹中平蔵氏は、国営のアメリカ郵便もそれらのサービスを行っていないため、大きな変化ではないと認識しています。

地域インフラとしての役割の維持:
◦現在、全国に約2万4000ある郵便局の半分以上が赤字経営です。
◦しかし、特に地方においては、郵便局が郵便だけでなく銀行や保険などの金融機関の役割も担っており、周囲に他の金融機関がない地域にとって「大切なインフラ」として機能しています。このため、赤字であっても郵便局の数を簡単に減らすことができないという問題があります。

経済への影響(従業員と事業運営)
従業員の意識と労働環境の変化:
◦民営化当時、多くの郵便局員(元国家公務員)は「自分の仕事が否定された」と感じ、先行きの不安(リストラや会社が買収される可能性など)を抱いていました。
◦民営化後、郵便配達と並行してゆうパックや保険を売る営業のノルマが厳しくなり、職員が苦しんでいると現場の郵便局員は証言しています。
◦竹中氏は、国鉄や電電公社の民営化の際にも同様の問題があったとしつつ、「民間企業は皆厳しいノルマを抱えている」と述べています。

事業の業績悪化:
◦はがきなどの郵便取扱数はインターネットやスマートフォンの普及に伴い減少の一途をたどっており、収益悪化の要因となっています。
◦竹中氏は、サービス低下や値上げは「制度とそれを使ってやる経営とは別だ」と指摘し、民営化という制度自体が問題なのではなく、その後の経営に問題がある可能性を示唆しています。
◦また、一部の専門家は、土曜配達や翌日配達のようなサービスは本来民間企業のビジネスチャンスとなるべき領域であり、国が全てを保証すべきではなかったという見解も示しています。

郵政民営化はサービスの合理化と効率化、国際競争力の強化を目指した一方で、国民の利便性低下や現場職員への負担増加、そして地方におけるインフラ維持の課題を浮き彫りにしました

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