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反グロ論:2つのアメリカ・ファースト;トランプvs.ネオコン〜山岡鉄秀・解説


ネオコンとは:

ネオコン(Neoconservatism /新保守主義)とは、アメリカの保守系の勢力の一部を構成する「国際政治へのアメリカの積極的介入」「アメリカの覇権を重視」「アメリカ的な思想を世界に広めること」などを信条とする勢力のことである。

2つのアメリカ・ファースト;トランプvs.ネオコン

Two American Firsts: Trump vs. Neocons

このYouTube動画は、ネオコン(新保守主義者)という思想と、その支持者たちの行動原理を理解することの重要性を強調している。この動画では、ネオコンの歴史的背景が説明されており、もともとロシアや東欧からアメリカに渡ってきたトロツキスト(反レーニン派共産主義者)が中心であったことが明かされている。彼らが、ベトナム戦争後の反体制運動やカウンターカルチャーへの反発から、健全で力強いアメリカ社会の再建を目指すようになり、それが「ネオコン」という名称の由来となった経緯が解説されている。さらに、トランプ政権とネオコンの関係特にトランプが「ディープステート」とネオコンを打倒しようとしていること、そしてそれが日本の石破政権に与える影響についても言及されている。

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ネオコンの起源とイデオロギーの変遷

• 起源:トロツキストの共産主義者たち

◦ ネオコンと呼ばれる人々は、元々1930年頃からニューヨークに集まってきた、ロシアや東欧からアメリカへ逃れてきたユダヤ系の共産主義者が中心であった。

◦ ロシア革命後、共産党内でレーニンとの派閥争いに敗れたトロツキーを支持する者たちであり、「トロツキスト」と呼ばれた。彼らは、世界同時共産革命を目指すイデオロギーを持ち、非常に高学歴であった。

• 「新保守主義」への変遷の背景

・ヨーロッパ的保守主義との違い:

保守主義の父とされるエドマンド・バークの思想は、フランス革命を批判し、伝統が長い歴史を経て合理性を持つものとして継続していると主張した。

しかし、アメリカのような「新しい国」では、ヨーロッパのような長い歴史と伝統がないため、この考え方をそのまま持ち込むことはできない。

・アメリカ土着の保守主義:

アメリカにはラッセル・カークリチャード・ウィーバーのような土着の保守主義者が存在した。

彼らは農業を重視し、軍事的・経済的な拡張主義を取らず、アメリカ国内での平和な暮らしを志向する「重農主義」の考えを持っていた。この思想は、民主主義、平等、産業経済、徹底した合理主義といった近代的なアメリカ的コンセプトに抵抗を示すものであった。

・アメリカのアイデンティティとの衝突:

しかし、アメリカは「新しい国」「自由の国」というアイデンティティを持っており、土着の保守主義はこれと衝突する面がある。

• ネオコンサバティズムの誕生

◦ このような背景の中で、保守主義をアメリカという国にふさわしいものに「書き換え」「作り直す」作業が必要となった。これがネオコンサバティズム(新保守主義)の始まりであり、これも1930年代の出来事である。

◦ その代表的な人物であり、「ネオコンの父」「ゴッドファーザー」と呼ばれるのがアーヴィング・クリストルである。

◦ 彼らは元々トロツキスト的な発想を持っていたが、それがアメリカ的な価値観をしっかりと持ち、ヨーロッパ的な保守主義とは異なる、むしろ世界に広げるべきアメリカ独自の保守主義というものへと変貌していった。この思想は次第に過激化していく。

• 「ネオコン」という言葉の由来

◦ 彼らは、ベトナム戦争時代に起きた反保守主義的な運動(ヒッピーカルチャー、ニューレフトなど)に強く反発した。

Hippie wedding in Central Park, with political activist Abbie Hoffman, the groom, the ordained minister of the Neo-American Church, and Anita Kushner, the bride, squatting in the grass. \(34)I-Ching\(34), the Book of Changes, was used in the ceremony, and the bride and groom, who had a marriage license, dropped flower petals and money on the book., (Photo by Charles Payne/NY Daily News Archive via Getty Images)

彼らはこれらの動きを既存の価値観への挑戦と捉え、品格ある健全で力強いアメリカ社会を復権する運動を起こしていった。彼らは、新左翼やカウンターカルチャーを資本主義が元々持つ「退廃していく傾向の顕在化」と見なし、より健全で拡張力のあるアメリカの資本主義と価値観を確立する必要があると考えた。

◦ この変容を見ていた左派の社会学者であるマイケル・ハリントンが、クリストルたちを指して「お前たちは社会主義者だと思っていたら、実質的には保守主義者ではないか」まるで新保守主義者(ネオコンサバティブ=ネオコン)ではないか」と批判した。

◦ しかし、クリストルはこの批判の言葉を逆手にとり、「いいね、上等だ。我々はネオコンだ」と、その言葉を自ら採用した。

◦ こうして、元々トロツキストのような共産主義者だった者たちが、批判者の言葉をきっかけに自らを「新保守主義者」(ネオコン)と名乗るようになったという、「驚天動地の転換」が起こったのである。

Two "America Firsts": Trump vs. Neoconservatives

この動画は、主にアメリカの外交政策における二つの異なる「アメリカ・ファースト」の概念に焦点を当てている。具体的には、ネオコンの思想が、アメリカ型民主主義を世界に広めることを絶対的な正義とし、そのためには圧倒的な軍事力の行使も厭わないと考えるのに対し、トランプの「アメリカ・ファースト」は、不必要な対外干渉をやめ、アメリカ本来の健全な姿に戻ることを目指していると説明している。両者が「アメリカ第一主義」を掲げながらも、そのベクトルは真逆であり、現在のアメリカ国内における思想的な対立が浮き彫りにされている。さらに、日本がアメリカと戦略的に付き合う上で、この二つの勢力の違いを理解することの重要性も強調されている。

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米国における二つの「アメリカファースト」

米国における二つの「アメリカファースト」の思想は、ネオコン(新保守主義)の思想ドナルド・トランプの思想に分けられ、その内容は大きく異なる。

1. ネオコン(新保守主義)の「アメリカファースト」

• 根本的な考え方:

アメリカ型の民主主義を世界に広めることが絶対的な正義であり、その結果として世界平和が実現されると信じている。

善悪二元論に基づき、味方でなければ敵であり、敵と見なした場合は徹底的に攻撃し、先制攻撃も辞さない。

アメリカは歴史上類を見ないほど高い道徳性を持ち自由、民主主義、平等主義、開かれた市場、自由経済といった崇高な価値観を掲げる優れた帝国であると認識している。

◦ 過去のローマ帝国を含むいかなる帝国よりも優れた価値観を持つと信じている。

• 目標達成のための手段:

◦ これらの価値観を世界に広める上で、圧倒的な軍事力が決定的に重要かつ必要であると考えている。したがって、軍事力の行使は悪いことではなく、正義であると見なしている。

「デモクラティック・ピース・セオリー(民主的平和論)」に基づき、世界中が民主化すれば戦争は起こらないため、アメリカ型民主主義を広めるために武力行使も許されると主張する。

「ヘゲモニー・セオリー(覇権安定論)」を提唱し、一つの巨大な覇権国家(アメリカ)が存在することが世界の安定にとってプラスであると考え、ヨーロッパ的な勢力均衡論を愚かだと否定する。

• 国際関係への姿勢:

国連や国際法、ヨーロッパ的な協調路線に従う必要はないと考えている。彼らは、ヨーロッパが平和的なアプローチを取るのは「力がないから」であり、ナチスの台頭を早期に武力で叩き潰せなかったことを例に挙げ、強大な力を持つアメリカは異なる行動をとるべきだと主張する。

◦ 同盟国(例えばNATO)が結局アメリカに依存していることや、国際法無視を批判しつつもアメリカ軍の駐留を望むのは、アメリカが正しい証拠だと見なす。

• 代表的な人物と歴史的背景:

◦ 初期の論客にアーヴィン・クリストルがおり、ロバート・ケーガンは現代の代表的な論客とされている。

ジョージ・W・ブッシュ政権時に、ネオコンの者たちが国務長官や国防長官といった主要なポジションに多数入り込み、湾岸戦争、イラク戦争、アフガニスタン戦争といった軍事介入を推進した。しかし、これらの戦争はアメリカの疲弊と国際的評価の低下を招き、アフガニスタンからの無残な撤退がその末路として挙げられている。

2. ドナルド・トランプの「アメリカファースト」

トランプ氏の「アメリカファースト」は、ネオコンの思想とは対照的である。

• 根本的な考え方:

ネオコンが推進した「余計な対外干渉主義」が、アメリカを疲弊させ、その国際的威信を地に落とし、国内の崩壊を引き起こしたと批判している。

軍事産業は儲かったが、国全体としては損害を被ったと見ている。

• 目標達成のための手段:

不要な対外干渉主義をやめ、アメリカ本来の姿に戻るべきだと主張している。

アメリカ自身のことを最優先に考え、「Make America Great Again (MAGA)メイク・アメリカ・グレート・アゲイン(アメリカを再び偉大に)」を掲げている。

◦ 自国に焦点を当て、内政を立て直すことで健全で豊かなアメリカを取り戻すことを目指している。

• 国際関係への姿勢:

◦ 彼も国連に対しては懐疑的であり、WHOからの脱退を表明するなど、国際機関に頓着しない姿勢はネオコンと類似しているように見える。しかし、その動機は異なり、アメリカが自国の利益のために独自に行動しようとするものである。

ウクライナ戦争のような代理戦争であっても、アメリカが覇権国家である以上、対外的な関与は避けられない可能性があると認識し、就任前であっても戦争終結に向けて動いていた。

3. 二つの「アメリカファースト」の違い

両者は「アメリカ第一主義」と訳される点で似ているが、その目指す方向性(ベクトル)は真逆である。

• ネオコン: 対外干渉主義

アメリカの圧倒的な軍事力を用いて、自国の価値観を世界に広げ、世界における覇権を維持・強化することで世界の安定と平和を実現しようとする。彼らにとって「アメリカファースト」とは、アメリカが世界を主導する「帝国」としての役割を果たすことを意味する。

• トランプ: 対外干渉主義の抑制

アメリカが不必要な戦争や介入によって疲弊するのをやめさせ、国内問題に注力することで「本来の健全なアメリカ」を取り戻そうとする。彼にとっての「アメリカファースト」は、アメリカがまず自国の利益と国力を立て直すことを意味する。

要するにネオコンが「アメリカの力を世界に展開する」ことでアメリカを偉大にしようとするのに対し、トランプは「アメリカの力を国内に集中させる」ことで偉大さを取り戻そうとしている点が、決定的な違いである。

Trump vs. Neocons

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