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医者の初期研修期間について|2年間でおおかた上りきる「塔」

 初期研修。大概の人は医師免許を取って約1か月後、医籍登録を経て次の年度から始めます。2年間です(3年の病院もあった??)。

 医者の就職活動、私の医学生時代の場合は、多くの人は4年から6年の夏まで行っていました。病院見学という名の就職活動を経て、面接などを行って選考という形です。

 多くの場合、一般の就活と比較すると少し生ぬるいものでしょうか。厚労省の関連機関が運営しているマッチングシステムがあり、初期研修医が効率よく就職できるよう、第一志望に落ちても第2、第3・・・と効率よく配置されていきます。

 人気病院はそこそこの倍率はありますが、大学入試時ほどではないです。


市中病院・大学病院/基幹病院の傾向

 あくまで傾向です。

市中病院

 特に地方の市中病院では、比較的治療法がわかりやすい症例(common disease)の入院を診つつ、開業医や小病院から来る難しい疾患は、大病院に中継する、ハブ的な役割を持っています。

 時に大病院から、小病院では管理が難しい、終末期の患者を受け入れることもあります。

大学病院/基幹病院

 学生実習の延長ですが、より実践的といった感じでしょうか。特殊な症例や治療に難渋する症例が中心です。指導医の補助的に働くことが多かった気がします。

研修医は戦力

 事務的なこと、簡単なことは初期研修医で大部分を終わらせられることが多いため、ローテーションで来てくれた時や、外来の初期診療のときなどですごく頼りになります。

 指導医は研修医を管理しつつ効率よく患者を診て、一方研修医は自分で実戦経験を積みつつ、実践から学習に拡げます。

 少し上の立場になって気づきました。すごくありがたい存在です。

表題のこと

 初期研修医が終わって、すぐはまだ一人前とは言えませんが、初期研修でどれだけ頑張ったかで、3年目以降の負担が変わってきます。

初期研修期間に死ぬほど働けば優れた医者になれるのか?

 個人的にはそう思いません。優れた医者がどのような医者かという定義は、ここでは論じないことにします。

 こなすことを重視したり、知識偏重になる医者。知識がおろそかでも、患者に寄り添える医者など。どちらが優れた医者かは私にはわかりません。

「塔」を上る

 基本的な外来のスキルほか、どの診療科であってもこの初期対応ぐらいはやってね、というレベルは一応は決まっています。これを「塔」として、一段一段上っていきます。普段ベッドサイドにはいない、病理医、放射線医に進む予定であっても。それなりに初期対応の知識はあるよねというレベル。

 「頂上」は胸を張って、自信をもって危なげなくそれらができるレベル。それ以上は専門的なことになります。

 例えば、胸痛→とりあえず心電図。つぎは云々。

 初期研修時代はこの「塔」の頂上に、指導医の助けをもらいつつ、見守ってもらいながら、上って到達するのか、否かということ。

頂上まで到達できない場合

 もしくは少し頂上までやり残したけど、3年目以降は自分の責任で一人で上っていくというイメージになります。

 この場合、少しヒヤヒヤしながらではありますが、臨床に出ている以上は、その「頂上」に到達できると思います。専攻医研修時でも診療科の指導医、相談役は絶対にいます。

 初期研修中に産休育休に入るとか、何らかの都合で中断したのち復帰しても、2年で終了できる人もいます。 

私の知っている中断した人たち

 知っている先輩で2名、同輩と後輩で1名ずつ、途中で中断した人を知っています。少ないですが、いないわけでもないそんな感じです。

 そのあとどうだったか。1人は何年後かに再度、残りの研修を終了させて基礎医学系に進んだらしいです。残りの人たちは知りません。

初期研修医という立場

終了して初めてほぼ1人前

 どこに就職するにしても、医師免許、医籍登録証明に加えて、必ず初期研修修了証の提出を求められます。前の原稿で書いた、医者として最低限度の実践知識を持っていることの証明になります。

 逆に言うと、初期研修を終了していなければ大学生とほぼ同じレベルだということです。厳しいですが。

やっぱり立場が低い

 初期研修医という括りは、3年目以上の一人前の医者とも違う。またナース、コメディカルの人と比べて圧倒的に数が少ないです。それなりに厳しい立場におかれます。

 一応上級医のうしろについて動くことになりますが、私の経験上やっぱり理不尽な思いをすることがたくさんありました。同じ職種内で仕事が完結するのではなく、多くの場合で他の職種と関わらざるを得ないからだと思います。

専門医取得も見据えると

 研修終了は月単位の認定ですが、すぐ終わらせてさっさと後期研修に移ることに越したことはないです。

 専門医機構の研修は年単位で動くので、後期研修開始が少し遅れると、専門医取得が年単位で遅れることになります。

 後々、今の病院を離れてみたいなことが、年単位で遅れることにつながります。

私の経験をもとにした、初期研修病院の選び方

本当に忙しい病院でいいですか?

 第一に2年で終わらせることです。大事なので何回も書きました。前回の原稿で、「塔」を上っていくイメージを書きました。「塔」の頂上に余裕をもって辿り着けばそれで十分合格だと思います。

 忙しい状態からイージーには難しいですが、イージーな状態から自分の意思で忙しくするのはまだ簡単です。辛くなったら自分の裁量でコントロールするだけでいいからです。

 私の知っているとある先生は、イージーな病院だったけど、違う診療科のローテ中でも、救急車が来たら自分の番号に連絡してもらうように、お願いしていたそうです。

少しきつい程度がチカラになる

 筋トレと一緒です。あるいは他の業種でも同じではないでしょうか。体が資本。少し辛くても働けることが大事です。

初期研修の実績がある病院を選ぶ

 知人の話ですが、受け入れた実績のない病院に行ってしまったが故に、上級医にしても初期研修医の扱いが分からず、自分もどう動けばいいかわからない。そんな状況が起きてしまったそうです。

 珍しいケースですが、あまり冒険しすぎるのもよくないのでしょうか。

大学病院vs市中病院 この際どちらでも良いと思います

 よく言われることですね。コモンで忙しい病院なら市中、専門性の高い疾患なら大学病院ですね。

 迷ったら両方1年ずつでもいいのではないでしょうか。

初期研修は2年で終わらせましょう

 自分にどれくらいキャパシティがあるか見つめ直し、病院選びは慎重に行いましょう。過信は禁物です。

 医学生へ、何年も学年が上の私からのアドバイスです。

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