妖精
わたしは、東洋人としても小柄で、今でも街に出ると子供と間違えられるのに、彼はそんなわたしと、同じくらいの背丈しかなかった。明るい色の髪も、その笑顔も、実際のところ、艶やかで美しい肌も、まるで少年のようで、自分よりも生きているとは思えない。
ぽかんとしたわたしに、
「大昔にね、」
と少しだけ声を潜めて、そして、少しだけ顔を近寄せて、彼は言った。だからわたしも、少しだけ乗り出して、そうすると、甘く、それでいて緑の色をした、花の香りがするような気がした。
「魔法をかけられたんだ、妖精に」
そして、本当に妖精のように笑った。
「もちろん、僕じゃないよ、遠い親戚」
嘘だと思う、と聞かれて、わたしは微妙な角度に首を傾けた。彼を見ていると、本当のことのような気もするし、彼は単に楽しませてくれているだけかもしれないけれど、否定も肯定もどちらも決心がつかない。
そんなわたしの反応は、彼の満足するところだったらしい。にこにこと、何度か頷いたところで、料理が運ばれてきた。
というお話が
メモ帳の中に
保存されていました
顔を寄せたところで
緑の香りがした
それは覚えてるんだけど
なんのはなしかさっぱりわからない

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