子ども時代を振り返る。前歯と縄跳びの話。
中学生の頃。
テンションを上げるとか下げるとかそういうのが分からなかった。
kanae今日テンション低いじゃん、上げていこうよ!とか
私、今日テンション上がらないからごめんね。とか
友達に言われるんだけれども
???
そもそも気分が上がらないのに学校では元気にふるまうとか、そういう感覚が分からない。明るい人は明るい。暗い人は暗い。それだけだと思っていた。
仕事をするようになって、やっと元気で明るい自分を演じる必要性が分かったんだけれど。
そんな素な私が、
「人からどう見られているのか?」が気になる出来事があった。
中1のある日、体育館で縄跳びをしていて、縄に引っかかってこけたワタシ。口開けてとんでたみたいで、顔からコケて、前歯が一本、折れて飛んでいった。(どんなコケ方したらそうなるんだろう?)
とにかく前歯は飛んで行った。行方不明だ。正直なところ前歯が衝撃を吸収してくれたらしく大して痛くもなかったのだが、
---恥ずかしい!!めっちゃ恥ずかしい!!
ものすごい恥ずかしさで涙目になってしまった。
友達は、私がよほど痛いんだと思って心配して保健室に付き添ってくれた。その間も私は涙を浮かべていただろう。痛くなんてない、恥ずかしいのだ。
先生が母に電話して迎えを待っている最中、担任の若い男の先生が保健室に入ってきて、
「kanae!前歯みっけたぞー!!」
担任の掌には私の前歯が。(今思えば素手で拾ってくれたんだ、ありがとう)
ひいいい、声が大きい!他の人に聞こえる!これ以上、私を恥ずかしめないでくれ。
そこで母が到着。私は担任から前歯を受け取りひとまず病院へ。
道中、
あんた、そんなに縄跳び楽しかったの?笑いながらとんでたって、先生言ってたよ。
と母に言われた。
黙れ。担任。
その日の治療が終わった。
仮の前歯ができるまでは、スカスカの前歯でいなければならない。
どうしよう。Tくん(好きな人)に歯抜けって思われる。そもそも、今日のこの事件が別のクラスのTくんに噂となって伝わったらどうしよう。
口開けて縄跳びしてたんだって。笑いながらとんでたんだって。なにそれ。ウケる。
友達がこんな風に噂しているだろうと、脳内で勝手に妄想が始まる。
やめて。Tくんに聞こえるじゃん!
と、妄想で叫ぶ。
次の日、友達が数人心配して声をかけてくれた。
「大丈夫だった?あのね、実は、、、」
な、何?
「あのね、実はkanaeがコケた体育館の床にね、kanaeの歯型ついてた!昨日、kanaeが帰ったあと見つけた!これから一緒に見に行く?」
ちーん、、、オワタ
ああ、もうダメだ。きっと私の歯型がついた場所はこの中学校の観光名所にでもなってしまうんだ。Tくんも訪れるだろう。そして嘲笑するかもしれない。ウエンツ瑛士似のイケメンTくん、サヨナラ。私はもう恥ずかしくてあなたの前には出られません。
「うん、行く、、、」
仕方なく観光名所を確認しに行った。もう2度とは見たくないが。体育館の床には、私の歯型がしっかりついていた。
今でも、まだあるかなあ( ´θ`)遠い目
