確定申告…わかんないよ——この迷宮を突破するための地図
はじめに
あなたの「分からない」は正常な反応です、それは「悪」ではありません!
税務署で勤めていた頃のこと。
確定申告の時期には、こんな話をよく聞きました。
「確定申告わかんない」
「無理」
「意味わからん」
「怖い」
「誰か助けて」
あの頃に比べてアプリも情報も充実しました。
なのに、不安を感じる人は減っていない。
なんでだ?
アプリは申告書を作る「作業」を助けてくれます。
でも、その「構造」を教えてくれるものではない
からです。
操作マニュアルを手に入れても、地図を持って
いなければ迷宮は迷宮のままです。
この迷宮を突破した先に、あなたが届けたいものを
届ける力が磨かれることでしょう。
ここでは会社に勤めながら、副業をして収入の柱を
もう一本増やした方をモデルに話を進めます。
さて、この混乱の正体とは?
——透明シートに印刷した3枚の地図を重ねて
見ていること
「確定申告がわからない」
という状態を、もう少し丁寧に見てみましょう。
その頃、イロイロな話を聞く機会があったのですが
実は3つのものがごちゃまぜになっていました。
利益と所得(同じように見えて、まったく別の話)
収支計算と所得計算(計算のルールが違う)
所得と税金(所得がそのまま税金にはならない)
迷っている人は、この3つが「確定申告」という一つ
の言葉になっている。
そのため、3枚の地図を重ねて道が見えなくなった…
あなたは地図を見て進んでいるはずなのに
あるはずの目印がない。
通れるはずなのに壁になっている。
右に行きたいのに道がない。
こんなことが繰り返されたとしたら?
そりゃ混乱するのも当然です。
でも、地図を1枚ずつ見れば、それぞれは思ったほど
難しいものではありません。
確定申告は「3階建て」
確定申告の全体像は、3層の段階構造です。
建物を外から見るのではなく、下から順番に登って
いくものです。
【1階】商売の世界——「自分は何をしたか」
ここは「売上 - 経費 = 利益」を計算する、あなたの
副業の成果を計るフロアです 。
売上 − 経費 = 利益
ここはシンプルです。
一年間、副業で何を稼いで、何を支払ったか。
その差額が「利益」です。
木の成長で例えるなら、1年間で縦方向にどれだけ
伸びたかが「利益」になります 。
これが分かれば、確定申告はできます。

「今年はどれだけ伸びたか」——それだけの話です。
それに対して、根の張り方や枝ぶりといった横方向の広がり(資産・負債:貸借対照表)については、今回はあえて省略しておきます。
そして経費について多いのが
「どこまでが経費なのかわからない…」
でも、ネットにあふれる経費の解説はあなた個人に
向けて書かれていません。
そのために説明がモヤっとして分かりにくい。
迷ったときのシンプルな問いは、だたひとつ
「あなたが副業に取り組む中で何の支払いをしている
か」ここに立ち戻ってください 。
日常の生活と副業が重なる部分(自家用車・スマホ・
家賃など)は確かに判断が難しい。
その場合は「副業で使っている割合はどのくらいか」
を思い出すことが手がかりになります。
あなたが副業で使う割合を決めて経費に含めればいい
のです 。
「何パーセントまで認められるの?」
「この経費は全部引けるって聞いたよ?」
これらは、人によって仕事の内容や取り組み方が違う
ことから起こります。
この状況をできるだけ具体的に相談すると、スッキリ
した解答が返ってくるはずです。
※ 具体的な判断は、専門家に確認することをお勧めします。
【2階】税法の世界——「収入の柱をまとめる」
1階で出た「事業での利益」は、税法上の言葉では
「所得」と呼びます。
会社員の方は、給与の源泉徴収ですでに確定申告の
基本的なベースは出来上がっています 。
源泉徴収票とは、会社があなたの代わりに済ませた
確定申告の結果票でもあります。
そこに、もう一本の収入の柱である「副業の所得」
を足し算するためのフロアです 。
副業の所得
+
給与所得(源泉徴収票)
= 合計所得
ちなみに「青色申告は、なんか怖い」という話も
あります。
これはこれは人によるのですが…
複式簿記というひと手間を引き受ける代わりに、
控除の特典がもらえる仕組みです。
可能であれば「もうひと手間」を引き受けること
を考えてみてください。
【3階】税額の世界——「ゴール」
2階で出た「合計所得」から、さまざまな「控除」
を差し引いたものが「課税所得」です。
そこに税率をかけて、税額が決まります。
合計所得ー所得控除 = 課税所得
課税所得× 税率=税額
所得控除の多くは、すでに決まっています。
家族構成、健康保険、生命保険の支払い——
これらは源泉徴収の段階で反映済みです。
追加で関係するのは「医療費控除」「ふるさと納税」
など、その年の特別な支出がある場合に限られます。
なぜこれほど「実感が持てない」のか
構造はわかった。
でもまだなんとなく怖い。
その理由には、3つのパターンがあります。
① 利益は「触れない」
手元の現金や預金残高と利益は一致しません。
計算して初めてわかる概念的な数字なので、
感覚がつかみにくいのです。
② 一年間が「圧縮」されている
確定申告は一年分の活動を数字に変換します。
毎月の出来事や感情が消えて、無機質な数字に
なります。
「何が経費かわからない」のは、自分の活動の
記憶が薄れているところから来ています。
③ 数字が自己評価と結びついている
赤字=失敗、
利益が少ない=自分がダメ
逆に
思ったより利益が多かった=税金の負担が怖い
——そう感じてしまうと、数字を見ること自体が
怖くなります。
さらに「間違えたら取り返しがつかない」という
恐れが重なると、確実に手が止まります。
でも、数字はあなたの価値を決めません。
それはただの記録です。
迷宮を突破するために
確定申告は「一発で正解を出す試験」ではありません。
「1階から順に、自分の活動を数字に
翻訳していく作業」です。
地図の全体像を知っていれば、今自分がどのフロアで
迷っているかがわかります。
どのフロアで迷っているかがわかれば、そのフロアに
ついて聞けばいいのです。
「何がわからないかわからない」
から
「ここがわからない」
に変わった瞬間、迷宮の出口はもうすぐです。
あなたの副業は、誰かの笑顔につながっている
さいごに、もう一つだけ。
確定申告の数字は、単なる「申告書類」では
ありません。
それは一年間、あなたが「何に取り組んできたか」
の記録です。
どんな人の困ったを助けることができたのか。
何にお金と時間を使い、何を積み上げたか。
その記録をあなたが読み解けたとき、副業は
「お金を稼ぐ行為」
から、
「自分が何者かを知る行為」
に変わります。
この数字が見えると、次が見え始めます。
次が見えると、あなたが届けたいものがもっと
届くようになります。
そして、あなたが関わる人の笑顔が増えていく
ことでしょう。
確定申告は、そのための道具です。
本来は怖いものでも、罰でもない。
あなたの副業は、誰かの笑顔につながっている。
その記録を、あなた自身で読み解けるようになって
ください。
あなたの活躍を、心から応援しています。
※ この文章は確定申告の全体構造を直感的に理解するためのものです。
個別の税務判断については、税理士などの専門家にご相談ください。
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