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虫送り(三島町)|福島県指定重要無形民俗文化財


1. 三島町の虫送りとは(歴史と概要)

三島町の虫送りは、田植えを終えたサナブリの時期(西方地区)に、農作物の害虫を集落の外へと追い払い、その年の五穀豊穣を祈願する伝統的な民俗行事です。

  • 起源: 江戸時代から続くとされている伝統行事です。

  • 文化財指定: 三島町内の他地区(名入・大石田)の虫送りと合わせ、福島県指定重要無形民俗文化財に指定されています。

行事の進行と「唱え言葉」

伝統的には、中学生の年長者が「親方」役となり、準備から本番までを子どもたち自身が取り仕切ってきました。

地区の上(カミ)から下(シモ)に向かって、子どもたちが荷車につけた縄を引き、太鼓の音に合わせて「唱え言葉(虫追い唄)」を唄いながら集落を練り歩きます。

  • <代表的な唱え言葉(虫追い唄)の例>
    「デンバラ虫のオイクラヨイヨイ 何虫もオイクラヨイヨイ 万(よろず)の虫もオイクラヨイヨイ」
     ※昭和40年代後半に三島町教育委員会が収録したカセットテープには「何虫も追いぐるヤイ コメラの虫も追いぐるヤイ デンバラ虫も追いぐるヤイ」という表現も残っています。

地区別比較

  • 西方(にしかた)地区

    • 開催時期: 6月第2土曜日(3地区のトップバッター)

    • 象徴的なアイテム・形態: 大きな太鼓を積んだ荷車(リヤカー)、長い縄、松明

    • 主な特徴・独自性: 「親方」と呼ばれる最年長リーダーの統率のもと、リズミカルな唱え言葉(「オイクラヨイヨイ」)に合わせて集落を勢いよく練り歩く。

  • 名入(ないり)地区

    • 開催時期: 6月第3土曜日

    • 象徴的なアイテム・形態: 家の形(切妻屋根)をした稲藁製の虫籠、手作りの画用紙提灯

    • 主な特徴・独自性: 子どもたちが画用紙で提灯を自作して練り歩き、行事の最後には火をつけた虫籠を只見川(鉄橋など)から川へと投げ落とす。

  • 大石田(おおいしだ)地区

    • 開催時期: 7月第2土曜日(半夏生のころ)

    • 象徴的なアイテム・形態: 三角形の虫籠(メドハギという野草で葺く)、タチアオイの花

    • 主な特徴・独自性: 子どもたちが各家から本物の害虫(青虫や毛虫)を集めて提灯と「交換」して虫籠に納め、最後は川べりで行事道具を一斉に燃やす。

2. 現在の状況と課題

古くからの伝統を色濃く残す行事ですが、時代の変化に伴いその運営形態は少しずつ変化しています。

  • 開催時期: 毎年6月の第2土曜日に開催されています。

  • 担い手不足と大人の協力: かつては地元の小・中学生が中心となってすべての役割をこなしていましたが、過疎化と少子化の影響で子どもたちの数が大幅に減少しました。そのため、現在は地区の保護者や大人たち、地域づくりサポート事業実行委員会などが深く関わり、共同で伝統を維持しています。

  • 地域をつなぐ役割: 子どもの数が減ったからといって中止にするのではなく、学校や地域全体が一体となってサポートすることで、世代間交流を促す貴重な機会として機能しています。


3. 関連トピック

「ふるさと会津工人まつり」との同時期開催

西方地区の虫送りが行われる6月第2土曜日・日曜日は、三島町生活工芸館前ナラ林広場で、全国から多くのクラフト作家や観光客が集まる「ふるさと会津工人まつり」および「てわっさの里まつり」が開催される時期と重なります。工人まつりは1986年(昭和61年)の生活工芸館開館と同時に始まった歴史あるイベントで、町全体が年間で最も賑わう週末の一つです。奥会津の豊かな初夏の文化を一度に体感できる絶好のタイミングとなっています。

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