Daily Research vol.3 「下り」
みなさんこんにちは!
今週も終盤に差し掛かりましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
私は学会に向けたAbstractの締切が迫っており、日々作業に追われています。8月1日が締切なので、なんとか乗り越えます!
さて、今日のテーマは「下り」です。
みなさんは下り、得意ですか?
私は大の苦手でした(笑)
特に音威子府の5kmコースにあるS字カーブは難しく、レース前はいつも下りのことばかり考えていました。
私が下りを苦手だと感じていた理由は、主に3つです。
① スピードが出すぎる
② ライン取りがわからない
③ 滑走中にスキーをうまくコントロールできない
「とにかく慣れるしかない」と思い、何度も繰り返し滑ったり、こっそりトップ選手の後ろについてコーナリングを学んだりしていました。
その中で感じたのが、トップ選手は「スピードコントロールが上手い」ということです。
特に、コーナーに入る前の減速と、その後のターンでの滑走が上手いと感じていました。
今日、いつものようにGoogle Scholarで論文を探していたところ、下りの滑走に関する面白い論文を見つけました。
Sandbakkら(2013)の
「Downhill turn techniques and associated physical characteristics in cross-country skiers」
という論文です。
この研究では、エリートレベルの女子クロスカントリースキー選手を対象に、下りのターン中の滑走について分析しています。
主に使われていたテクニックは、
ステップターン(a)・横滑り(b)・ハの字(c)の3種類です。

研究から、パフォーマンスの高い選手ほど減速にかける時間が短く、短時間で大きく減速していることが示されていました。また、ステップターンによって加速する時間も長い傾向がみられています

さらに、パフォーマンスの高い選手では、ハの字を使わずに減速していることも特徴的でした。
特に面白いのが、aとcの比較です。
aの選手は約8 km/hからターンに入り、横滑りによって短時間で減速した後、素早くステップターンへ移行して速度を回復しています。
一方、cの選手は約7 km/hから入り、ハの字で減速した後、ステップターンを行わず、横滑りでターンを終えています。
その結果、ターン中の速度にも差がみられています。
同じ下りでも、ターンの戦略で違いが生まれています。
私自身、トップ選手の後ろを滑って「減速が上手い」と感じていましたが、論文を読んでみると、単に減速するのではなく、「必要な減速を短時間で行い、その後の滑走につなげる」ことがポイントなのかもしれません。
とはいえ、下りは頭では分かっていても、実際にスピードが出ると体が反応しないものですよね。
だからこそ、たくさん滑って経験を積むことは重要だと思います。
ただ闇雲に滑るだけではなく、「どこで減速するのか」「どのくらいの時間で減速するのか」「その後どう加速するのか」といった戦略を考えながら練習すると、また違った下りの練習ができるかもしれません。
ぜひ音威子府や十日町、坊平など、さまざまな下りで試してみたいですね。
さて、話は変わりますが、私の研究もいよいよ本実験に向けて動き出します。
学会に向けたAbstractを書きながら、本実験に向けて準備中です。
陸上やクロカンのトレーニングがない夏休みは、小学生ぶり。
これまで競技に注いできた夏の時間を、今年は研究に注いでいきます。
この2ヶ月が勝負!
参考文献
Bucher Sandbakk, Silvana, et al. "Downhill turn techniques and associated physical characteristics in cross‐country skiers." Scandinavian journal of medicine & science in sports 24.4 (2014): 708-716.
