36/批判精神を骨抜きにするのは……
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【記事のポイント】反抗的な文化は、嫌悪されることによって死ぬことはありません。それが、本当の意味で打ちのめされるのは、認められた時。それは、先行するものがなければ成立しない反抗的文化の宿命なのです。
第4章/5. ダダの終焉とネオダダの興隆
第二次世界大戦をはさんで、現代美術の聖地はパリからニューヨークに移りました。
その現象を「二都物語」と呼ぶ人もいます。
ともかく、ニューヨークは新しい芸術の都になったわけですが、その現象にマルセル・デュシャンが及ぼした影響はとても大きなものでした。
彼のいる場所が20世紀美術の中心地だったと言っても過言ではありません。
とはいえ、1950年代には、デュシャンはすでに大いなる沈黙の中にいました。
もはや新しい作品を発表することもなく、完全に制作活動を放棄したと見られていたのです。
しかし実際には、アパートの一室で『遺作』あるいは『1落ちる水 2照明用ガスが与えられたとせよ』と称する、謎めいた作品を延々と作り続けていました。
納屋の古木戸に空いた二つの穴から中を覗くと、裸の女性がガス灯を持って横たわっているという、奇妙なジオラマです。
この作品は、デュシャンの死後、彼のほとんどの代表作をコレクションしているフィラデルフィア美術館に移されました。
作品の性質上巡回することは不可能であり、まさに門外不出の秘蔵品になっています。

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