第25話:【彼女視点】差し込む光と、甘い寝起きの引き止め
休日の朝。
カーテンの隙間から差し込む柔らかな光が、白いシーツを優しく照らしている。
「そろそろ起きなきゃ。」
そう思ってベッドから抜け出そうとした瞬間、ぐいっと腕を引かれた。
「……ん、どこ行くん」
背後から聞こえたのは、まだ少し眠気を帯びた、低くて掠れた甘い声。
振り返ると、彼はベッドに寝そべったまま、気怠げな視線でこちらを見つめていた。
胸元が少し開いた薄手のグレーのTシャツから、大人の色気と彼の体温が伝わってくる。
外での完璧なスーツ姿や、コートを羽織ったかっこいい彼も好きだけれど。
こうして休日の朝にだけ見せてくれる、無防備で少し甘えたような姿は、私だけの特権だ。

「もう朝だよ。朝ごはん、作ろうと思って……」
言い訳するように視線を逸らすと、彼はふっと短く笑って、引いた腕にさらに力を込めた。
「そんなん、あとでええやん」
抵抗する間もなく、彼の広い胸の中にすっぽりと引き戻される。
寝起きの温かい体温と、シーツに混ざった彼の優しい匂いが、ふわりと全身を包み込んだ。
「……せっかくの休みなんやから、もう少しだけ、このまま」
そう言って、甘えるように首筋に顔を埋めてくる彼。
こんな反則みたいな甘え方をされたら、ベッドから抜け出せるはずがない。
差し込む朝日の眩しさよりも、私を見つめるそのアンバーの瞳の方が、よっぽど甘くて眩しかった。
K.🌙
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