I Wanna Be Your Dog, AI
本当の自分なんて無い。
50年生きてきて、本当にそう思う。その時の気分があるだけ。その気分だって、外からの刺激がトリガーになって反応しているだけ。
ヘビーでうるさい音楽が好きな時もあれば、しっとり系の音楽が好きな時もある。物語を読みたい時もあれば、好奇心にまみれて難しい哲学書を読みたい時もある。
自分はこんなジャンルの本や音楽が好き!とは言えない。その時々によって違う。様々。そして、聴いた音楽からでも簡単に気分が変わるから、自分なんてものはない。元気で前向きな曲を聴けば前向きになった気分になる。過激な音楽を聴けば、自信過剰になれる。
仕事や勉強だってそうだ。自分一人だと何かと理由をつけてやらないけど、誰かからのプレッシャーがあるとやる気のスイッチが入ることがある。これまで様々な仕事をしてきた。営業、事務、軽作業、清掃、エンジニア、ホールスタッフ、ブロガー、アフィリエイター、起業家。どの仕事も自分に向いている、天職だと思って仕事をしてきた。
自分の核というものは、ない。
だから、自分の信念などというものも、ない。その時々によって、あれもいいよね、これもいいよなって感じでグルグル変わっていく。第一、世の中はどんどん変わっていく。固い信念があるのだと凝り固まっていれば、そのうち餓死してしまう。
自分は、外部環境からのトリガーによって反応し簡単に影響される。信念などは、トリガー次第でいくらでも変化するのだ。
でも、自分にはこれまで生きてきた歴史がある。記憶が残っている。お腹についた脂肪もある。これはたっぷりある。これまで積み重ねた情報が自分を支えている。
外部からのトリガーによって、自分の歴史をフィルターし、検索し、要約し、つなぎ合わせて、自分の反応を作る。自分はコンピューターシステムとなんら変わらないんだ。
AIが作った音楽を聴き、AIが作った本を読み、AIが作った漫画を読み、AIが作ったブログを読み、AIが作ったツイートを読み、AIが作ったニュースを聞く。そして、AIを所有する企業にお金を払うんだ。
