900件の対話が導いた、“言葉にできない想い”を引き出す力―就活支援から取材ライターへ。木全彩花さんインタビュー
今回は名古屋で取材ライターをされている木全彩花さん(以下彩花)へのインタビュー記事です。
彩花さんは、関西国際空港のグランドスタッフや大学のキャリア支援センターでの勤務を経て、現在は取材ライターとして活躍されています。
現在はフリーランスの取材ライターとしてのびのびと働いている彩花さん。
その背景には、「自分の得意」を模索しながら職場を選び、自分らしい働き方を模索してきた過程がありました。
そして、今回お話を聞いて見えてきたのは、ライターの仕事と学生への就職支援との意外な共通点。
ぜひ最後までお読みください!
あきこ:本日はお忙しいところありがとうございます。まず彩花さんのご経歴を伺ってもよろしいですか。
彩花:こちらこそありがとうございます。
私は大学時代、客室乗務員を第一志望にしていたのですが叶わず、第二志望のグランドスタッフとして関西の空港で勤務いたしました。
ただ、憧れていた空の世界と現実とのギャップが大きく、退職して地元の名古屋へ戻りました。自分の得意を活かしたいと思い大学の就職支援センターに転職しました。
あきこ:得意を活かして就職支援センターに転職、とはどういう意味でしょうか?
彩花:大学時代の就活で書類選考によく通った経験があり、自分には言語化能力があるのではないかと思ったんです。
その経験を思い出し、大学キャリア支援センターで学生の就職支援をしたいと思いました。
キャリア支援センターでは1対1の面談で学生の考えを丁寧に引き出し、履歴書やエントリーシートの作成補助などを行いました。
1年間で900件以上のエントリーシート作成に関わる中で、学生さんの想いや背景に触れました。学生一人ひとりの想いや背景を引き出し、文章として整理していく作業は、振り返ればまさに「取材」と同じプロセスでした。

あきこ:1年間で900件ってことは1日10件以上?それはすごいですね。
とくに印象に残っている学生さんはいらっしゃいますか。
彩花:就活に全く乗り気でなかったIT志望の学生が忘れられませんね。
最初は先生に無理やり連れてこられた彼は、就職活動をすごく面倒に感じていたようでした。初めは雑談だけで終わりましたが、あきらめずに声を掛け続け、少しずつ本音を聞き出していったんです。
そして彼と対話を重ねる中で、「やりたいことがない」のではなく、「うまく言葉にできないだけ」なのだと気づいたんです。やりたいことがきちんとあるからこそ、気恥ずかしさもあったのでしょうね。
その瞬間、これは一緒にかたちにできるかもしれないと感じました。
エントリーシートを仕上げて提出したところ、無事に書類選考を通過しました。
その後も面接対策を重ね、最終的には複数社から内定を獲得。現在もそのとき入社した会社で働いていると聞き、少しでも彼の背中を押せたことを嬉しく思います。
あきこ:すごくやりがいのあるお仕事だったんですね。
彩花:そうですね。自分自身が1社目の空港勤務で夢と現実のギャップに苦しめられたからこそ、学生さんに同じような思いをしてほしくないと思っていたんです。
就職活動とは、自分がどんな働き方を望んでいるのか、何を大切にしたいのかを見つめ直し、その想いを言葉にして相手に届けるプロセスだと感じています。
だからこそ、一方通行ではなく、対話を重ねることがとても大事だと思います。実際に仕事を始めてから後悔しないように、表現の部分でお手伝いできたのはとても誇らしかったですね。
いま取材ライターとしてお話しをお伺いさせていただく起業家の多くは、言語化能力が非常に高い方々ですが、学生さんはなかなかそうはいきません。自分の希望や長所を、自分で分かっていないことが多いんです。
たとえばエントリーシートのよくある質問で学生時代頑張ったことを聞かれます。
よくある回答として「アルバイト」がありますが、アルバイトと一口に言っても、明るい接客を心がけたのか、効率化をがんばったのか、それともまったく別の観点だったのか。学生さんによってさまざまです。
そういったエピソードを丁寧に引き出すことを頑張りました。
かつて仕事を辞めたことに引け目を感じていた私にとって、学生の役に立てた経験は、自己肯定感を取り戻すきっかけにもなりました。
あきこ:自分の引け目に真正面から立ち向かって払しょくしていくなんて、すごくカッコいいですね!
彩花:ありがとうございます。出産を機に大学のキャリア支援センターは退職しましたが、今はフリーランスの取材ライターをしています。
フリーランスになってからは、自分の裁量で進められるフリーランスという働き方に、強いやりがいと誇りを感じています。
会社員でいる間は会社の枠組みの中や肩書きでしか仕事ができません。
今は「木全彩花」という人間としてお仕事いただいている感覚をとても心地よく感じています。
取材ライターを始めたばかりの頃は、新入社員インタビューなどが中心でしたが、今ではスタートアップ経営者の理念やビジョンを深掘りし、Wantedlyやnoteに掲載する記事が中心です。
人の価値観に触れる記事を今後も書いていきたいと思っています。
あきこ:最後に今後チャレンジしたいことを教えてください。
彩花:今後も採用広報だけでなく、生き方や考え方に焦点を当てた記事を増やしたいです。
そして最終的な目標は書籍の出版です。私には美容サロンを起業した妹がいまして、彼女の生き方やサロンへの思いをとても尊敬しているんです。彼女の歩みを一冊にまとめたいと考えております。
あきこ:すてきなお話をありがとうございました!
いかがでしょうか。
彩花さんのお話を聞いて、就職活動はただ内定をもらうための手段ではなく、自分自身と向き合い、価値観を言葉にして伝えていくプロセスなのだと感じました。
就職活動と取材ライターの仕事。一見違うように見えて、どちらも「人の本音を丁寧に言葉にする」という点では共通しているんですね。
彩花さんの今後のご活躍が、ますます楽しみです。
彩花さんのますますの活躍がとても楽しみです!
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