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チームのWIPが見えない管理職は、手遅れになってから気づく

【Phase3:初期管理職のOS】
チームのWIPが見えない管理職は、手遅れになってから気づく


「気づいたら、案件が同時に10本走っていた」
「メンバーが忙しそうなのに、何で忙しいのか説明できない」
「全部進んでいるはずなのに、何一つ終わらない」
「締め切り直前になって、実は止まっていたと発覚する」
「誰が何をどれだけ抱えているか、正直把握できていない」
この状態の正体は、メンバーの処理能力でも、案件の多さでもない。
チームのWIPが観測されていないことにある。


はじめに

管理職になると、チームの仕事の全体像を把握する責任が生まれる。

だが、実際に把握できている管理職は少ない。

メンバーに聞けば「順調です」と返ってくる。
会議で進捗を確認すれば「進めています」と返ってくる。
だが、締め切り直前になって「実は止まっていました」が発覚する。

あるいは、こういう状態になる。

チーム全員が忙しい。
毎日残業している。
なのに、完了する仕事が少ない。
「みんな頑張っているのに、成果が出ない」

管理職側は、こう解釈することが多い。

メンバーの処理速度が遅い。
案件が多すぎる。
人が足りない。
もっと効率を上げる必要がある。

だが、ここで一度切った方がいい。

本当に問題なのは、処理速度なのか。
本当に問題なのは、案件の総量なのか。
本当に問題なのは、人数なのか。

違うことが多い。

かなりの確率で、問題は
「WIPが観測されていないこと」
にある。

WIPとは、Work In Progress。
着手したが、完了していない仕事のことだ。

WIPが観測されていないチームでは、
誰が何をどれだけ抱えているかが見えない。
見えないから、仕事が空いていそうな人に追加で振る。
振られた人のWIPが積み上がる。
積み上がると、切り替えコストが爆発する。
全部が少しずつ進み、何一つ完了しない。

そして、この状態は外から「忙しそう」にしか見えない。
中で何が起きているかは、観測しない限り分からない。

ここで一つ、重要な事実を置く。

「忙しさ」と「成果」は、比例しない。
むしろ、ある地点を超えると反比例する。

WIPが適正な範囲にあるチームは、
忙しさと成果が比例する。
働いた分だけ、完了が積み上がる。

WIPが上限を超えたチームは、
働けば働くほど、切り替えコストが膨らみ、
完了が減っていく。
「頑張っているのに成果が出ない」という感覚は、
この反比例ゾーンに入っているサインだ。

このゾーンにいるチームに
「もっと頑張れ」と言うことは、
渋滞している道路に車を追加投入することと同じだ。
状況は確実に悪化する。

WIPの観測は、Phase3の運営OSの中で、
最も地味で、最も効く論点だ。

この記事では、
WIPとは何か、
なぜWIPが多いと全部が遅くなるのか、
どこで多くの管理職が詰まるのか、
どう観測して、どう制御するのか、
をかなり具体まで落として整理する。

ここが弱いまま管理職を続けると、
「全員忙しいのに何も終わらない」チームが固定化される。
逆にここが整うと、
チームの状態が数字で見える。
遅延が起きる前に検知できる。
完了する仕事の総量が増える。

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