【米国株】アーム・ホールディングス(ARM)vs エヌビディア(NVDA)— AI半導体の"設計図"と"頭脳" 事業成長力を徹底比較する
【AI半導体の"設計図"と"頭脳" ― チップ設計のライセンスモデルvsGPU覇権のプラットフォームモデル】
記録日:2026年春頃
アームは3月決算・US GAAP(NASDAQ上場)、エヌビディアは1月決算・US GAAP(NASDAQ上場)。会計基準は同一(US GAAP)ですが、決算期が異なるため業績の直接比較は参考値としてお読みください。
アームの株価は約200〜240ドル前後、エヌビディアの株価は約190〜200ドル前後で推移(2026年4〜5月時点の参考値)。
アームはソフトバンクグループが約90%の株式を保有する筆頭株主。エヌビディアは2026年1月期(FY2026)で売上2,159億ドル・純利益1,201億ドルを記録。
筆者の注目ポイント
注目度:アーム ★★★★☆ / エヌビディア ★★★★★
筆者はエヌビディアに強い関心を持っている。理由は、FY2026で売上2,159億ドル(+65%)・純利益1,201億ドル(+65%)という桁違いの業績成長、ROE101%・ROIC126%という異次元の資本効率、そしてPER40倍(Fwd PER24倍)はこの成長率に対してむしろ合理的な水準にある点。一方、アームはPER158〜311倍と極めて高い評価だが、売上40億ドル・粗利率97%の「半導体業界の設計図」ビジネスモデルの独自性は唯一無二。Armv9アーキテクチャのロイヤリティ単価上昇とデータセンター向けNeoverse CPUの浸透が、長期的な成長ドライバーとなる。
① 現在の株価・バリュエーション比較
アーム・ホールディングス(ARM)NASDAQ
株価:約200〜240ドル(2026年4〜5月時点)
PER(TTM):約158〜311倍
Fwd PER:約122倍
PEGレシオ:4.87
粗利率:97.7%(GAAP)
配当利回り:0%(無配)
時価総額:約2,110億ドル
決算期:3月決算(US GAAP)
EPS(TTM):約0.75ドル
ベータ:3.34
EV/EBITDA:約227倍
エヌビディア(NVDA)NASDAQ
株価:約190〜200ドル(2026年4〜5月時点)
PER(TTM):約40〜41倍
Fwd PER:約24倍
PEGレシオ:0.61
粗利率:約73%
ROE:101.49%
ROIC:126.30%
配当利回り:約0.04%(実質無配に近い)
時価総額:約4.8兆ドル
決算期:1月決算(US GAAP)
EPS(TTM):4.93ドル
EV/EBITDA:約36倍
バリュエーションの差は圧倒的。アームのPER158〜311倍は「半導体の設計図」という独占的なビジネスモデルへの期待プレミアム。エヌビディアのPER40倍・Fwd PER24倍・PEGレシオ0.61は、売上2,159億ドル・純利益1,201億ドルという怪物級の実績に対してむしろ割安にすら見える水準。時価総額はエヌビディアが4.8兆ドルとアームの約23倍。
② 直近決算の比較
アーム — FY2025(2025年3月期・US GAAP)
売上高:40.1億ドル(前期比 +24%)
うちロイヤリティ収入:21.7億ドル(+20%)
うちライセンス収入:18.4億ドル(+29%)
GAAP営業利益:8.31億ドル(営業利益率20.7%)
Non-GAAP営業利益率:52.8%(Q4)
GAAP純利益:7.92億ドル(前期比 +159%)
粗利率:97%(GAAP)
売上高は過去最高を更新。Armv9アーキテクチャの採用拡大によるロイヤリティ単価の上昇、データセンター向けNeoverse CPUのハイパースケーラーシェア50%近くへの浸透が牽引。Arm Total Accessライセンスは44社に拡大。GAAP純利益は前期比159%増だが、絶対額は7.92億ドルとエヌビディアの66分の1。
FY2026 Q2(2025年7〜9月)
売上高:11.4億ドル(+34% YoY)
Non-GAAP EPS:0.39ドル(+30% YoY)
Q3ガイダンス:売上12.25億ドル±5,000万ドル
FY2026通期では売上成長率21%、EPS成長率25%をアナリストが予想。ただし成長率はFY2025の24%からやや減速の見通し。
出典:Arm Holdings FY2025 Annual Report(Form 20-F)、FY2026 Q2決算(Form 6-K)、SEC Filing
エヌビディア — FY2026(2026年1月期・US GAAP)
売上高:2,159.4億ドル(前期比 +65%)
純利益:1,200.7億ドル(前期比 +65%)
EPS:4.93ドル
粗利率:約73%
ROE:101.49%
ROIC:126.30%
売上・利益ともに前期比65%増と驚異的な成長。データセンター向けGPU(H100/H200/Blackwell)がAI学習・推論需要で爆発的に売れ、売上の大半を占める。FY2027(2027年1月期)Q1決算は2026年5月20日に発表予定。アナリストは引き続き高成長を予想。
出典:NVIDIA FY2026 Annual Report、StockAnalysis、FullRatio
③ 事業構造・中期計画の比較
アームの事業構造
半導体チップの「設計図」(IP:知的財産)をライセンス提供するファブレスIP企業。自らチップを製造・販売せず、チップ設計者(クアルコム、アップル、NVIDIA等)にCPUアーキテクチャをライセンスし、出荷チップ数に応じたロイヤリティ収入を得る。世界のスマートフォンの99%がArmベースのCPUを使用。データセンター向けCPU「Neoverse」がハイパースケーラーの約50%で採用されるなど、AIインフラ領域にも浸透。
強み
粗利率97%という驚異的な高収益ビジネスモデル
世界の半導体エコシステムの「インフラ」としての独占的ポジション
Armv9アーキテクチャへの移行でロイヤリティ単価が上昇
データセンター向けNeoverse CPUのシェア拡大
Arm Total Accessライセンス44社(トップ30顧客の過半数)
課題
PER158〜311倍という極端に高いバリュエーション
ソフトバンクグループが約90%の株式を保有(浮動株が限定的)
売上40億ドル・純利益8億ドルと絶対額がまだ小さい
ライセンス収入は大型契約のタイミングに左右される
RISC-Vなどオープンソースアーキテクチャとの競合リスク
エヌビディアの事業構造
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