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Marriott International(MAR)vs Hilton Worldwide(HLT)— 事業成長力を徹底比較する


【世界最大級ホテルチェーンの“アセットライト王者対決” ― 規模のMarriottか、成長率のHiltonか】

記録日:2026年6月30日

本記事では、世界のホテルチェーンを代表する ** Marriott International ** と ** Hilton Worldwide ** を比較します。

Marriott InternationalはNasdaq上場、ティッカーMAR。Hilton WorldwideはNYSE上場、ティッカーHLTです。いずれも米国会計基準(US GAAP)で、12月決算です。

Marriottは「Marriott Bonvoy」を軸に、Luxury、Premium、Select、Midscale、Extended Stayなど幅広いブランドを展開する世界最大級のホテルグループです。

Hiltonは「Hilton Honors」を軸に、ラグジュアリーからミッドスケール、長期滞在型までをカバーしつつ、ネットユニット成長率の高さが目立つホテルグループです。

株価・時価総額・PERは2026年6月30日UTC時点の市場データをもとにしています。ホテル市場規模は、出典が確認できた数値のみ記載します。


筆者の注目ポイント

注目度:Marriott International ★★★★☆ / Hilton Worldwide ★★★★☆

筆者は今回は ** Hilton Worldwideにやや強い関心 ** を持っています。

理由は、Marriottの規模とBonvoyの強さは圧倒的ですが、Hiltonは既存規模に対する開発パイプラインの厚み、2026年のネットユニット成長率見通し、ブランド拡張の勢いが目立つためです。

ただし、これはMarriottを低く見るという話ではありません。Marriottは世界約180万室規模、Marriott Bonvoy約2.83億会員という巨大なネットワーク効果を持ち、ホテル業界の“標準プラットフォーム”に近い存在です。

ざっくり言うと、

  • Marriott:規模・ブランド数・ロイヤルティ基盤の巨大さ

  • Hilton:成長率・開発パイプライン・運営効率の高さ

を見る比較です。


① 現在の株価・バリュエーション比較

Marriott International

  • ティッカー:MAR

  • 上場市場:Nasdaq

  • 株価:374.88ドル

  • 時価総額:約988.5億ドル

  • PER:39.3倍前後

  • EPS:9.55ドル前後

  • 年間配当:2.92ドル前後(四半期0.73ドルを年換算)

  • 配当利回り:約0.8%

  • 直近四半期の調整後EPS:2.72ドル

  • 会計基準:US GAAP

  • 決算期:12月

Marriottは、PERだけ見るとホテル運営会社としては高めの評価です。ただし、ホテルを大量保有する重いモデルではなく、フランチャイズ・マネジメント・ライセンスを中心とするアセットライト型です。

そのため、通常のホテル不動産会社というより、ブランド・予約網・ロイヤルティプログラムを持つプラットフォーム企業として評価されやすい銘柄です。

Hilton Worldwide

  • ティッカー:HLT

  • 上場市場:NYSE

  • 株価:332.54ドル

  • 時価総額:約757.0億ドル

  • PER:50.8倍前後

  • EPS:6.55ドル前後

  • 年間配当:0.60ドル前後(四半期0.15ドルを年換算)

  • 配当利回り:約0.2%

  • 直近四半期の調整後EPS:2.01ドル

  • 会計基準:US GAAP

  • 決算期:12月

Hiltonは、Marriott以上にPERが高めです。これは、ネットユニット成長率の高さ、フランチャイズ・マネジメント主体の高収益モデル、Hilton Honorsの会員基盤、ブランド拡張余地が評価されているためだと考えられます。

配当利回りは低く、株主還元の中心は配当よりも自社株買いです。


② 直近決算の比較

Marriott International:2026年12月期 第1四半期

Marriottの2026年1Qは、RevPAR、調整後EPS、調整後EBITDAが堅調でした。

  • 全世界RevPAR:前年同期比4.2%増

  • 米国・カナダRevPAR:前年同期比4.0%増

  • 国際市場RevPAR:前年同期比4.6%増

  • 希薄化後EPS:2.43ドル

  • 調整後希薄化後EPS:2.72ドル

  • 純利益:648百万ドル

  • 調整後純利益:726百万ドル

  • 調整後EBITDA:1,398百万ドル

  • 営業利益:1,064百万ドル

  • グロスフィー収入:1,433百万ドル

  • 2026年末ネットルーム成長率見通し:4.5〜5.0%

  • 2026年通期調整後EPS見通し:11.38〜11.63ドル

  • 2026年通期調整後EBITDA見通し:5,880〜5,970百万ドル

Marriottの強さは、規模の大きさだけではありません。Q1時点で、世界のシステム全体は9,900超の物件、約179.6万室。開発パイプラインは4,107物件、約61.8万室に達しています。

出典:Marriott International「First Quarter 2026 Results」

Hilton Worldwide:2026年12月期 第1四半期

Hiltonの2026年1Qも堅調でした。特に、ネットユニット成長率とパイプラインの厚みが目立ちます。

  • 全世界RevPAR:前年同期比3.6%増

  • 希薄化後EPS:1.66ドル

  • 調整後希薄化後EPS:2.01ドル

  • 純利益:383百万ドル

  • 調整後EBITDA:901百万ドル

  • 総収益:2,937百万ドル

  • 営業利益:678百万ドル

  • Q1に承認した新規開発客室:26,200室

  • 2026年3月末開発パイプライン:52.7万室

  • Q1の総追加客室:16,300室

  • Q1のネット追加客室:10,900室

  • 2026年通期RevPAR見通し:2.0〜3.0%増

  • 2026年通期ネットユニット成長率見通し:6.0〜7.0%

  • 2026年通期調整後EBITDA見通し:4,020〜4,060百万ドル

HiltonはMarriottより絶対規模では小さいですが、既存規模に対する新規開発パイプラインの厚み、ネットユニット成長率の高さが魅力です。

出典:Hilton Worldwide「First Quarter 2026 Results」


③ 事業構造・中期計画の比較

Marriott Internationalの事業構造

Marriottは、ホテルを自社で大量保有する会社ではありません。

主な収益源は以下です。

  • フランチャイズフィー

  • ベースマネジメントフィー

  • インセンティブマネジメントフィー

  • ライセンス収入

  • コブランドカード関連収入

  • Marriott Bonvoyを通じた顧客接点

  • 一部の所有・賃借ホテル収益

2025年末時点の年次報告書では、Marriottは9,805物件、1,779,936室を展開し、保有・賃借しているホテルはシステム全体の1%未満と説明しています。

代表的なブランドは、The Ritz-Carlton、St. Regis、JW Marriott、W Hotels、Marriott Hotels、Sheraton、Westin、Renaissance、Courtyard、Residence Inn、Fairfield、Moxy、AC Hotels、TownePlace Suitesなどです。

Marriott Bonvoyの会員数は2026年1Q末で約2.83億人。ホテル宿泊だけでなく、クレジットカード、旅行体験、ロイヤルティ経済圏としても大きな価値を持ちます。

Hilton Worldwideの事業構造

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