【そもそもぶつかってる?】「きのこ・たけのこ論争」で考える「アサーティブな考え方」とは。
こんにちは。
かわずです。
突然ですが、
みなさんは
「きのこの山」と「たけのこの里」
どちらが好きですか?
ネットや日常の雑談で、
たびたび巻き起こるこの論争。
「私はたけのこの里が好き」
「いやいや、きのこの山でしょ」「それより、きこりの切株だし」
なんて会話を見かけたとき、
みなさんはどう感じているでしょうか。
今回は、
「アサーション」
について書いてみようと思います。
もしかしたら、
人間関係がちょっと楽になるかもしれない
考え方だったりします。
◇ ぶつかり合う「2つの正義」
もし、好みが違う2人が出会ったら、
どんな会話になるでしょうか。
Aさん:
やっぱりきのこの山が一番おいしい。
たけのこの里なんて、
どこがいいのか分からないよ!
Bさん:
いやいや、何を言っているの?
たけのこの里に決まってるじゃない。
きのこの山が美味しいなんて理解できない!
こんなふうに、
ついついヒートアップして衝突してしまうことも
あるんじゃないでしょうか。
でも、ちょっと冷静に考えてみましょう。
これって、
・Aさんはきのこの山が好き
・Bさんはたけのこの里が好き
という、ただそれだけの事実があるだけ
なんです。
たとえば、
誰かが
「私、ピーマンがちょっと苦手なんです」と言ったとします。
それに対して、
周りの人が
「ピーマンは栄養があるし美味しいのに、
食べないなんて理解できない!
なんで食べないの?」
と怒り出すことは
あまりないんじゃないでしょうか。
たいていは
「あ、そうなんだね」くらいの会話になるんじゃないかなと。
それなのに、
なぜ「きのこ・たけのこ」になると、
私たちは「どちらが正しいか」を争ってしまうのでしょうか。
どちらもそれぞれ美味しくて、
どちらを好きな人が存在していても良い(両立している)はずなのに、
なぜか衝突が起きてしまう。
その理由は、
私たちが「違っていること」を
お互いに"オッケー"と言えないからかもしれません。
◇ なぜ、私たちは「相手を説得したく」なるのか?
両立しているはずの好みで、
なぜぶつかり合ってしまうのか。
そこには、
私たちの心の中にある「ある思い」が関係しています。
心理学(ロジャーズのクライエント中心療法など)の世界では、
「自己概念」や「内的参照枠(内的照合枠)」
という言葉があります。
難しい言葉に聞こえますが、
簡単にいうと
「自分独自の物事の見方のフィルター」や
「自分の中に大切にしている『こうあるべき』という枠組み」
のことです。
私たちはみんな、
自分だけのフィルター(内的参照枠)を通して
世界を見ています。
そして、そのフィルターを通して
「これが正しい」
「これが優れている」
と信じているもの(自己概念)を持っています。
この「自分の中の大切な思い」が
強ければ強いほど、
相手と意見が違ったときに、
こんな気持ちが強く湧き上がってきがちです。
「自分の価値観(正しいと思っていること)を、相手にも知ってほしい」
「自分が愛しているものの素晴らしさを、相手に認めさせたい(優位性を示したい)」
相手を論破しようとしたり、
自分の意見を押し付けたりしてしまうとき、
実はその奥底には
「自分の存在や価値観を否定されたくない(認めてほしい)」という、
ちょっと不器用な自己防衛の気持ちが
働いているのかもしれません。
◇ アサーション(アサーティブな考え方)
「あなたもOK、私もOK」
では、どうすれば衝突せずにいられるのでしょうか。
ここで登場するのが、
「アサーティブ(Assertive)」という考え方です。
アサーティブとは、
日本語でいうと
「自他を尊重した、適切な自己主張」のこと。
相手を力ずくでねじ伏せる(攻撃的)のでもなく、
自分が我慢して相手に合わせる(受動的)のでもない、
「お互いを対等に尊重する」コミュニケーションのあり方です。
簡単に言えば
「あなたもOK!私もOK!」
(I'm OK, You're OK)
です。
アサーティブな視点を持つと、
頭の中の会話はこんな風に変わります。
「あなたはたけのこの里が好きなんだね。OK!(これはあなたの好み)」
「私はきのこの山が好きなんだ。OK!(これは私の好み)」
「あなたもそれでいいんじゃない!
私は違うけれど、私もいいよね!」
これで、お話は終わり。
本来、ここには一切の衝突はありません。
お互いに自分の好きなお菓子を、
美味しく食べていればいいだけなのですから。
◇ 最後に:少しだけ視点を変えてみる

アサーティブな考え方を取り入れるのは、
口で言うほど簡単ではないことも多いように思います。
特に、
日々の仕事や生活でストレスが溜まっているときや、
心に余裕がないときは、
ついつい
「私が正しい!」
「なんで分かってくれないの!」と
トゲトゲした言葉が出てしまうのは
人間なら、よくあることなんじゃないかなと思うんです。
でも、
もし誰かとの関係で
「なんでこの人とぶつかっちゃうんだろう?」
と思ったら、
少し立ち止まって、
このお話を思い出してみてください。
「もしかして、両立しているはずのことで、
お互いに正しさを競い合っていないかな?」
相手の考え方(視点)を少しだけ想像してみる。
「そうか、
この人はこの人のフィルターで、
一生懸命正しいと思うことを言っているんだな」
と受け止めてみる。
そうやって「アサーティブ」に考えてみると、
相手の言葉の裏にある「本当に言いたいこと」が、
今までよりも優しく聴こえてくるかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
あなたの日常が、少しでも楽になると嬉しいです。
【心理学的な補足】
文章の中で「あなたもOK、私もOK(I'm OK, You're OK)」という言葉が登場しますが、これは心理学の文脈ではロジャーズではなく、エリック・バーンが提唱した「交流分析(TA)」という理論の代表的な概念です。
ちなみに、「内的参照枠」や「自己概念」は、カール・ロジャーズの提唱したものです。
