【バケツと表面張力理論 前編】表面張力は限界の証 ~ストレスは誰にでもある~
人の気持ちを「表面張力」で考えてみる

人の感情を「コップ」や「バケツ」で例える話は、
心理学の説明でもよく使われます。
ストレスが溜まると水位が上がり、
限界を超えると溢れてしまう。
とても分かりやすい説明だと感じます。
この考え方は、
実際、ストレス対処(コーピング)を説明する
教育的なモデルとして広く使われています。
ただ、現場感覚で人の話を聞いていると、
少しだけ「違うかもしれない」と思う瞬間があります。
今日はそんな違和感から生まれた、
「バケツと表面張力理論」のお話です。
今回は3話構成の「バケツと表面張力理論」の
第1話目でございます。
明日、第2話目(中編)を投稿予定です。
なかなか気持ちを吐き出したり
貯めこまないようにするのが苦手な
かわずです。
◇ ストレス・コップ理論(既存の基本の考え方)
まず前提として、よく知られている説明を整理します。
ストレス・コップ理論では、次のように考えます。
コップ:ストレスの許容量
水:日々のストレス
溢れる:限界・感情の爆発・不調
蛇口:ストレス解消方法
つまり、
ストレスが溜まりすぎる前に外に出しましょう
という、とても大切なメッセージを伝えるモデルです。
これはとても重要な考え方です。
この考え方自体、私も正しいと思っています。
◇ 少しだけ現場だと違うところ
ただ、
私は人の感情を見ていると、
もう少し現実は「ゆっくり」動いているように感じます。
例えばバケツに水を入れる場面を想像してみてください。

水は満杯になった瞬間に全部あふれるでしょうか?
実際にはそうなりません。
ひっくり返さなければ、
追加された分だけが少しずつこぼれます。
つまり、
問題は「満杯になること」ではなく「ひっくり返ること」
なのではないか、という視点です。
表面張力という「限界のサイン」
水には表面張力があります。
バケツやコップの縁いっぱいまで水を入れても、
すぐには溢れません。
少し盛り上がります。

この「盛り上がり」は、とても重要なイメージです。
なぜなら、
溢れる前には必ず予兆がある
ということを示しているからです。
人間の感情も同じです。
例えば:
余裕がなくなる
会話が減る
疲れやすくなる
小さなことでイライラする
判断力が落ちる
こうした状態は「突然の崩壊」ではなく、
表面張力で盛り上がっている状態と言えます。
ここで少しだけ感情を外に出せると、
決壊は起きづらくなると考えています。
◇ 「女性のバケツ」という説明の違和感
よく聞く説明として、
「女性は感情のバケツがいっぱいになると溢れる」
というものがあります。
でも、この説明には少し注意が必要だと思っています。
感情のバケツは、決して女性特有のものではありません。
・男性にもあります。
・子どもにもあります。
人間であれば誰にでもあります。
もちろん、
ホルモンバランスや社会的役割による傾向はあるかもしれません。
しかし、
「性別」という大きな括りで分けてしまうと、
一人ひとりが抱える「個人の特性」や
「今の状況」が見えなくなってしまう
気がするのです。
大切なのは、「誰が溢れやすいか」という一般論ではなく、
「目の前のその人が、今どんな状態か」
という個別の視点で向き合うことではないでしょうか。
◇ 溢れるのではなく「扱い方」の問題
ここまでをまとめると、こうなります。
コップ理論は:
「溢れる前にストレスを出しましょう」という予防のモデル。
受けているストレスが、
解消できる量を上回ると決壊するという考え方です。

バケツと表面張力理論は:
「溢れる前には必ず『盛り上がり(サイン)』があり、
一気にひっくり返る前に、
自ら少しずつこぼすことで決壊は防げる」
という視点です。
バケツの水が限界まで盛り上がっているとき、
ほんの数滴を意図的に外へ出すだけで、
表面張力は落ち着き、
決壊の危機を脱することができます。
逆に、限界を超えて放置し続け、
バケツごと「ひっくり返って」しまえば、
心は完全に折れ、すべてが崩壊してしまいます。
感情は、
「我慢して溜め込み続けるもの」でも、
「限界まで耐えて爆発させるもの」でもありません。
表面張力のサインに気づき、
自分で調整しながら扱えるもの
という理解に近づければ、
心はぐっと楽になると思っています。
◇ 次回予告
ここまでは「バケツの水」の話をしました。
でも実際のバケツ(感情)の中身は、
水(単純で1種類)だけとは限りません。
油のようなものもあるし、
砂利のようなものもあります。
そして、それぞれ処理方法が違います。
次回(中編)は、
「感情のこぼし方」
について書いてみようと思います。
一度きりの人生、
やりたいことをやって生きていきましょう。
・~・~・~・~・~・~・
【🐸から一言】
相手のことを思いやる心や、
自身の今後のことを考えると
言い出せないものですよね。
あとは、
上手く言葉にまとまらなかったり、
気づいて欲しいという想いや、
プライドなど
いろいろなものが邪魔して
なかなか愚痴をこぼすにも
難しいものだと感じます。
優しさで、ご自身が苦しくならないように
どうか、その優しさは別の機会に取っておいて
定期的に、思いっきり心の声を叫んでみるのも
大切だと思います。

おたま吉:
最後までお読みいただき、
ありがとうございましたじゃくし!
後編もオタマしみ(お楽しみ)に~
ここぱ:
あえて言わせてもらっちゃうけど、
性別によって
慎重になってくれることもあるけど、
軽視されちゃうこともあるわよね。
たしかに傾向はあるのかもしれないけど、
ストレスなんかは、
誰にでもあるもの。
だから、第一印象だけで
決めつけないで向き合うことが
大切かもしれないわね。
