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拾う休日

家族で川沿いの桜を見に行った。
黄色い水仙が群生している場所だ。
道中、娘が石を拾い始めた。いつものことだ。少し進んだら、胡桃の皮が落ちていた。娘がそれも握りしめた。大事に持って帰るという。さらに進むと、真っ直ぐなちょうどいい枝があった。娘はそれも拾った。
もう両手が塞がった。娘が持てないからと渡してきた。
「お父さんは石の人、お母さんは胡桃の人、あたしは枝の人」
娘と妻が笑った。私も笑った。
笑いながら、なんか的を射てるなと思った。

私は自分のことをずっと石ころだと思っている。どこにでもある、ただの石ころ。それでいいとも。

妻は外側が硬い。頑固で、意見を曲げない。でも中身はごちゃごちゃしていて、繊細で、温かいものを持っている。胡桃はそういう形をしている。

娘が拾った枝は、真っ直ぐだった。まだ一本だけど、これから枝が分かれて、葉が出て、花が咲く。

妻は「拾って持って帰るの大変だから、置いて行こうよ。」と言った。
私は言わなかった。持って帰るのもまぁいいか。それに娘は言われても意思を曲げない。持って帰るはずだ。
妻は何度かお願いしていた。

川辺を進むとイタドリが生えていた。緑に赤い点の太い茎が何本も、まとまって立っている。
以前、野草が食べたいという文章を書いた。それをスキしてくれた人の記事に、イタドリがめちゃうまいと書いてあった。それからずっと気になっていた。
妻に袋をもらって、太いのを選んで摘んだ。
娘が私を見ていた。
同じ血だなと思った。

玄関先の蛇口でイタドリを洗った。
娘は石と胡桃と枝を大事そうに庭に置いた。

すぐ湯掻いて、皮を剥いて、一晩水にさらした。

翌朝、早速きんぴらにしてみた。

娘が一口食べた。こりこりでおいしいけど、しょっぱいと言って、箸を置いた。

残りは私が全部食べた。

うん、しょっぱい。

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