未来を当てない魔女のルーン占い
Hello Rune!
私は鉱石が大好きです。小さい頃からパワーストーンを集めてきれいに蒐集箱に並べたり、デアゴスティーニの地球の鉱物コレクションを買い集めたりしていました。
ある日、ルーンストーンと呼ばれるルーンを刻んだ石を占いに使う、という話を耳にして、いたく興味が湧きました。幸いなことに、家の近くに魔女のお店(パワーストーンやお香、ハーブやタロットなどを売っている店)があったので、現物を探しに行ってみることに。
正直、私は占いというものをあまり信じてはいません。それに、北欧神話やヴァイキングの歴史などにも、さほど興味を持ってはいませんでした。
こうして買ってきたのがこの子です。アッ可愛いアメジスト〜〜〜!

…いや、順接の接続詞がおかしいことはわかってる。言い訳をさせて欲しい。
私は「占い」という枠組みにはさほど興味はないのですが、「内観」という枠組みで、オラクルカードやタロットカードなどの占術のツールを使うことにはとても興味がありました。
未来を当てるのではなくって、自分の内側にある、まだ言葉になっていない言葉と出会う。そのための対話ツールとして、こう、魔女のひみつ道具みたいなのを使えたらテンション上がるでしょう?袋から出してざらっと手に乗せた瞬間、もう買う〜〜〜!ってなってしまったので、その、仕方ないんです…
さて、衝動のままにお迎えしてしまったルーンストーン。
ルーン占いのルの字も知らなかったので、まずは一冊解説書を買い、読んでみることにしました。
正位置・逆位置をどうしたらいいのか
ルーン占いには石だけでなくカードを使うこともあるようですが、どのツールでも、出た向きによって意味が真逆になるとのこと。いわゆるタロットと同じ、正位置・逆位置という概念ですね。ルーン文字自体がそれぞれに意味を持っており、正位置ならいい意味で解釈され、逆位置で出た時には意味が反対になると解説されていました。
ここでひとつ疑問が。
ルーンストーンは袋の中から取り出して引くのですが、引き方によっては横向きや斜め向きで出ることもあります。その場合、どう判断したらいいのでしょう?
また点対象、つまり上下ひっくり返しても同じ形になる文字もあり、それには正逆が当てはまらないとのことで、それはルールとして美しくないのでは?とも思ったのです。
そして、実際に解説書に沿って読み解こうとしたら、非常に占いにくかったのです。
たとえば、「創作についてのアドバイスをください」と尋ねてみた時、ᚠFeoh(富・家畜・財産)というルーン文字が出ました。これは正位置なら「物質的利益がある」、逆位置なら「物質的な損失がある」になる、という意味のようです。しかしこれ、物質的な損失が出ないように気をつけたら良いのか、物質的な損失が出ることを受け入れたらいいのか…いずれにせよ救いがないのか?そもそも、創作における物質的な損失って何なの?
また解説書を読んでいくと、逆位置では、破壊、喪失、停滞、失敗...など、非常にシビアな意味が示されることが多いと気づきました。正位置の真逆と捉えるので、自然とそうなりますよね。
しかし、毎度こんなショックな結果が出る可能性があるとなると、占っているうちにしんどくなる予感がしてきました。
ルーンに限らず、占いを通じて何か問いかけたい時、
・身の振り方をYes/Noで問う質問(eg. 私はこの仕事を辞めるべきですか?)
・他人の心情に関する質問(eg. あの人は私のことを好きですか?)
は基本的に聞かない、というマイルールを決めています。
YesかNoか、カードや石に決められてたまるか。それは己で決めることだ。他人の思いをそんなのでわかったつもりになれるか。相手の思いは相手のものだ。と思っているからです。
代わりに、
・今後仕事をどうするか決めるにあたり、気にかけておくべきキーワードは?
・好きなあの人ともっと仲良くなりたいけれど、その際に自分に必要な視点や行動は?
などのオープンエンドの抽象的な形式で尋ねることが多いです。
しかし手元の解説書を見る限り、個人的にNGな問いの読み解き方ばかり出ていて、自分が欲している抽象的な解説がほとんどなかったのですよね。
そのせいで、すっかりモヤモヤして、行き詰まってしまいました。
そこで、タロットにおいて正位置と逆位置はどう扱われているんだろう?という側面から調べていくことにしました。
すると、タロット占いでも逆位置を使わない流派がある、という情報に辿り着いたのです。その中でも、面白いなと思ったのがこちらの記事でした。
この方は、タロットにおいて逆位置という操作を導入したことで、正位置の定義が
◯◯という正位置の象徴が、①多すぎもなく、②少なすぎもなく、③全体として、④あるべき方向に向かって発露していること
という複雑なものになったとし、更に逆位置が導入された理由について、以下のように述べていました。
思えば、価値中立的な占いでは、ある特定の占いのニーズを満たすことができない。切実によい未来と悪い未来とのいずれが来るのかを知りたい人に、価値中立的な占いをしても満足しないだろう。結婚するかどうか迷っている人を占って、愚者のカードが出たとする。そんなときに占い師が「柔軟性や無邪気がポイントになるけど、柔軟性や無邪気さを持つことが良いことなのか悪いことなのかはよくわかりません。」と言ったら、その占い師は、多分儲からない。
そんなときは、「正位置で出たから、しっかり柔軟性や無邪気さを持ったほうがいいです。」とか「逆位置で出たから、このままの柔軟性や無邪気さでいいかどうか考え直したほうがいいです。」と言ったほうが喜ばれるだろう。
これこそが、タロットカードにおいて、逆位置を導入する主たる理由だと僕は思う。未来や誰かの心といったような、本質的にわかりようがない何かを、それでも知りたいと望む人たちのニーズを満たすために、逆位置は導入されたのだ。未来や誰かの心が、正位置だから良いものだ、逆位置だから悪いものだ、というようにして、少しでも知りたいという願いが反映したものなのだ。
まさにこれだ!
私が知りたいのは、「柔軟性や無邪気がポイントです」みたいな着眼点であって、「正位置/逆位置だから、柔軟性や無邪気を持つべき/捨てるべきです」みたいな行動指針ではないのだ、と。
その上で、さらによくよく調べると、ルーンの正位置・逆位置は、そもそも近代になってタロットから導入された概念だということがわかりました。まぁ、世界は二元論的思考で分けた方が、理解や納得しやすいことは多いので、自然な流れと言えばそうかもしれません。
と言うわけで、正位置・逆位置にはこだわらず、ルーンの正位置、すなわちルーン各文字が持っている意味を一つずつ理解し、そこから読み解いていく独自のスタイルで占いを進めてみよう、と思い立ちました。
とはいえ、買った解説書をよく見ると、各文字の意味を解説しているようで、著者が勝手に独自解釈を含めている部分があったのです。
これって、原典に遡る必要あるんじゃない...?
と、研究魂に火がついたので、ルーン文字の歴史から調べていくことにしました。
ルーンの歴史を探究しよう
ルーン文字に割り当てられている意味は、ルーン詩に書かれています。
ルーン詩とは、ルーン文字の意味や象徴性を記した詩の形式で、当時の人が、ルーン文字の名前・意味・象徴性などを学ぶ助けになったものです。これは、識字率が低い時代に口頭伝承を補完するためでもあったようです。
以下の3つが最も有名なルーン詩の資料です。
・9世紀頃に書かれたアングロサクソンのルーン詩
・13世紀頃に書かれたノルウェーのルーン詩
・15世紀に書かれたアイスランドのルーン詩
それぞれ異なる地域と時代に由来していて、ルーン文字の解釈にも若干の違いが見られます。
読み比べてみると、そもそも採用されている文字数が違う場合や(アングロサクソン詩では33文字、他は16文字)、共通の文字が使われていても、割り当てられたシンボルが違う場合もあります(ᚢという文字は、アングロサクソン詩でŪr=オーロックスという牛の種類、ノルウェー詩でÚr=金属中の不純物、アイスランド詩でÚr=雨)。
アングロサクソン詩では、その土地にキリスト教が普及していたことから、詩に宗教的要素や道徳的教訓がよく含まれます。一方で、ノルウェー詩やアイスランド詩は、北欧神話や自然崇拝の影響が色濃く反映されていることが多いようです。そのため、これらのシンボルを解釈するためには、当時の時代背景や歴史的・文化的状況も理解した上で読む必要がありそうなのですよね。
とはいえ、各シンボルの文化背景をひとつひとつ研究していくのはあまりに果てしないので、まずこちらの研究書を購入して読んでいくことにしました。
そして、衝撃的事実が。
ルーン占いの起源をさらに調べると、出土した古代のルーン文字の中で、占い用に使われていたと直接示すものはほとんどなく、歴史的信憑性がそこまで高くない、ということが判明したのです。
当時、ルーンが護符や呪術目的で使われたことはあり、また、古代ゲルマン人が占いをしていたという記録はあるものの、それが「ルーン占い」だったという証拠となる遺物は出ていません。現在普及しているルーン占いの多くは、20世紀初頭のオカルティズム運動の影響を受けており、古代の慣行と直接繋がっているとは、学術的には言い切れないようなのです。
たとえるなら
・昔々あるところに、「ドはドーナツのド、レはレモンのレ」という詩があった。
・その当時、ドレミ...は宗教的・呪術的なシンボルではなく、ただの一つの文化的な側面だった。
・後世になって、オカルトが大流行。ドレミが再発見され、神秘性が付与されて、ドはドーナツ、レはレモンを意味するドレミ占いが成立して、まことしやかに広まった。
・英語版だと、ドレミの歌の歌詞は、"Doe, a deer, a female deer. Ray, a drop of golden sun. "なので、ドは雌鹿、レは光線を意味するという形で、違うシンボルが使われている。だから、占いによってはそのシンボルを採用することもあったりなかったり。
・でも、そもそも古代にドレミ占いなんてものがあった事実はない。
みたいな状態と言えるでしょうか。
ルーン占いって、てっきりルーン文字と同じくらいの歴史と正統性があるものだと思い込んでいたので、調査を進めてみて、思ったよりもバックボーンがあやふやなものなのだな、と大きな衝撃を受けていました。
私としては、歴史の重みこそが、ルーン占いを信じる拠り所の一つたりうると思っていました。それがサラサラ...と消えてしまった状態で、一体どう向き合って占えばいいのだろう?
うーん。納得できるルーン占いが存在しないのだとしたら...
自分で作るしかないよな。ないものは作る。
お前はいつだってそうだ。
ということで、巷のルーン占いそのものを学ぶのではなく、ここはひとつ、ルーンというツールを用いたオレオレルーン内観術を編み上げるぞ!と決めたのでした。
私の「占い」との向き合い方
考えてみると、この方針転換は、個人的にかなり良い判断だったのでは?と感じています。
過去、易経の本を買って勉強をしてみたことがあったのですが、あまりハマりませんでした。一方、オラクルカードはすごくしっくり来るツールだと感じて愛用していました。
易経は、六十四卦それぞれに割り当てられた意味を照らし合わせて「この卦なので、恋愛では相手とのケンカに注意が必要」のように、決められた読み方をするやり方になってしまって、それがどうにも私には合わなかったのです。
一方で、オラクルカードは、短い1フレーズと抽象的な絵柄から、多様な解釈や読み方をすることができたのですね。
オラクルの解釈の自由度の高さが好きなのかな、と思っていたのですが、もう少し深く言語化してみると「占術結果から自分の内側に湧く反応を見て、そこから立ち上がる自分の思考や気持ちを掬い取れるのが楽しい」というのが、すごくしっくりきました。これ、「占い」というよりは、「本音の翻訳作業」と言ってもいいのかもしれません。
究極、オラクルを使わずとも、目の前の現実を見て、自分の中の本音を翻訳することはできます。
例えば、目の前にムカつく人がいれば、「なぜ、こんなに腹が立つのだろう?それなのに、イライラしながらもわざわざその人と一緒にいるのはなぜだろう?」などと考えてみることで、自分と対話して、内側の声を聞く第一歩は始まります。
けれども、目の前の現実に、どうしたって感情が揺れ動いてしまうことはあるでしょう。キーーー!ってなるよね、人間だもの。ドロっとした感情と、その出どころをニュートラルに観察し続けるのは難しいものです。だからこそ、占いツールを触媒として扱うことで、いつもとは別の思考ルートから、本音へと降りていけるのでしょう。
そんなわけで、ネガティブなルーンを引いたからショック!ポジティブなルーンが出たからラッキー!という、単純な一対一の読み解きではなく、ルーン詩の一行を味わって、自分の内に湧いたものを言語に落とし込む、というスタイルで、独自の内観術を組み上げてみました。
ルーン内観術
さて、編み出したルーン内観術について書いてみます。
普段、ルーンストーンのみをいくつか引いて読み解くこともあるのですが、オラクルカードと組み合わせることで、より柔軟な読み解き方ができることに気づきました。ただルーンやオラクルを引くだけよりも、掛け算でより幅広い解釈ができる、というのもお気に入りポイントです。
具体的なやり方。
まず、お気に入りのオラクルカードと、ルーンストーンを一つずつ引いてみて、その組み合わせで意味を読み解きます。
ルーンストーンは一粒一粒大きさや形が違いますし、取り出す時に麻雀の盲牌的なこともできてしまうのでは?とも思うかもしれません。が、しっかり感触を確かめてから取り出すのでなく、手の中に滑り込んできたものをパッと出しています。なんとなく、これ引いて〜!と主張してくる子がいるのですよね。
もし、その2つで意味を読み解きづらかったら、「オラクルとルーンをつなぐ意味を示すもの」として、もうひとつルーンストーンを引いています。
カードやルーンは鏡のようなものだ、と私は考えます。なので、自分の中に不安や焦りがある状態や、質問したいことに対して執着がある状態(これは絶対叶って欲しい、絶対起こって欲しくないなど)、つまりニュートラルではない状態でリーディングしようとすると、まぁ全くうまくいきません。
ぐちゃぐちゃメンタルでリーディングしても、ぐちゃぐちゃな結果しか出ないんですよね。鏡ですから。そう言う時は一旦仕切り直し。落ち着いて対話できる状態まで、自分のメンタルを立て直してから再挑戦です。
整った状態でリーディングできれば、鏡に映る自分の盲点の部分を冷静に読み取れて、大概、納得感を持ったアンサーをもらうことが多いです。
同じオラクルカードが出ても、ルーンストーンの組み合わせで読み解き方が変わります。
また、先述の通り、ひとつのルーン文字に対して、複数のシンボルが割り当てられていることもあります。その時には、各ルーン詩を読んでみて、ピンとくる読み合わせを直感で選んでいます。
例えば、Accepting Challengesというカードに対して、 ᚢ Ūr(野牛・にわか雨・鉱滓)というルーンと、ᚦ Thorn(棘・巨人)というルーンを組み合わせて読み解く例を取り上げてみます。
まずはそれぞれの詩の訳を見てみましょう。
Ur〈野牛〉は大胆で角あり,大変どう猛な獣,角で戦うヒースの野をうろつく荒々しい生物.
þorn〈いばら〉は大変尖っている.刺されるのは誰にとっても危険,その間で休む者には大変痛い.
これらの詩と、オラクルカードの言葉と、画像から連想されるものを導いていきます。
ᚢ Ūrとの組み合わせは、オラクルカードの優しい光に包まれた絵柄と、詩の荒々しい野牛の様子に大きなギャップがあるな、と思いました。そして荒野での野牛との邂逅は避け難い、コントロールできないという印象を受けました。この困難を乗り越えた先に穏やかな時間がやってくると読み解き、以下のようなメッセージに落とし込みました。
荒波に見える出来事ですら
後から振り返れば流れ
着くべきところへ押し流すための最善だったと知る

ᚦ Thornについてもやはり、ちくちくして危険だという状態と、オラクルカードの優しい絵柄のギャップが興味深く感じました。オラクルの画像にあるように胸を開いてその棘を受け入れる、ということが穏やかな道に続いている、と読み解き、メッセージとしては以下のように落とし込みました。
世界に対して心を開けば
外側の何者をも自分を傷つけることはできないと知るだろう

実践:親との関係でのリーディング
以上は、簡潔にメッセージを降ろすやり方でしたが、もう少し深く、以前自らリーディングをした時の記録を書いてみます。
過去、親との関係でこじらせた記憶が蘇り、蓋をしていた怒りや悲しみが一気に溢れて、飲まれそうになってしまったことがありました。その時自分に必要なメッセージを引いた際の読み解きが、以下の通りです。

最初に引いたカードはSpeak out(想いを伝える)。
Communicate and solve the conflicts (対話し、諍いの解決を図ろう)というメッセージが、初手でドンピシャおっしゃるストリートすぎて、ぐうの音も出ませんでした。この女性がトレイのようなものを差し出しているように見えます。思いを乗せて、相手に差し出そうね。というメッセージがビシビシ伝わってきて、圧さえ感じます。
次にひいたルーンがᚱ Rād(騎馬)。
ルーンの元となったルーン詩のフレーズとして、いくつかバージョンがあるのですが、ノルウェー詩の一部に「レギンは名剣を鍛えた」という部分があり、気になったので調べました。
レギンは黄金を狙って兄と共謀して父親を殺したのですが、兄は裏切り、龍に変身して黄金を持ち逃げしたのです。復讐のため、レギンは養子のシグルズを育てて、剣を鍛えて与えました。兄を倒させた後、今度はシグルズを裏切って、黄金を独り占めしようとしたものの、最終的に逆にシグルズに殺されます。ちなみにここで鍛えられた剣はグラムという名で、古ノルド語で「怒り」を意味するようです。
何が言いたいかって、怒りと復讐はもう、破滅しか生み出さないんです。ほんとにな…
この二つを繋ぐルーンとしてもう一個引いたのが、ᛞ Dæg(日)。
アングロサクソン詩には、「貧富を問わずすべての者に役立つ希望であり、幸福だ」という一節が含まれています。絶望しても、怒っても、悲しんでも、また朝が来て、希望が差し込んでくる。日は上り、また沈む。
親との関係の間でできた傷の痛みについて友人と話していた時、
「本当は、家族で幸せに穏やかに過ごしたいという願いがあるのに、全員がそれを無視して『なんでそうならないんだ!』というところばかり見てるよね?」
という痛い指摘をもらったところでした。その後このリーディングをしたので、怖いくらいにメッセージが刺さりました。
レギンは、自分の思っていることを内側に秘めて、コミュニケーションをしなかったのですよね。
もし兄に対して、黄金を分けてくれなかったことが悲しいとしっかり伝えられていたら?あんな奴殺されて然るべきだと、シグルズに復讐を勧める代わりに、裏切られた自分の辛さにフォーカスを当てて吐露していたら?黙ってシグルズを亡き者にしようとするのでなく、殺してでも黄金を独り占めしたくなるほどの不安に駆られていることを、シグルズと話し合っていたら?
怒りや復讐心って、その下に不安や悲しみが隠れていることがほとんどです。それが思う形で伝わらなかったり、解消されなかったりして、怒りに置き換わっているのですよね。
そしてもっと大事なのが、不安や悲しみのさらに下に、もっと単純なつながりへの欲求が隠されている、ということなのだと思います。
本当は、兄のことを信頼していたかったんだ。
その大前提が起点だったのではないでしょうか?それを共有できていたら、ここまで拗らせることも、まして命を落とすこともなかったのではないでしょうか。
ルーンを読みながら、まさかここでもこんな形でダメ押しをもらうなんて思っていなかったので、正直、痛すぎてのたうち回ってました。
ここで大事になってくるのがᛞ Dæg(日)のルーンな気がしました。
友人に相談する中で、落ち着いて向き合えるタイミングを待って、解決を急がなくてもいいのではないかな、とも言われたのです。
希望の光が見えてきたら、向き合って思いを伝えられるようになるのだろうか。朝の光を浴びて穏やかになれるその時まで、しばしじっと日を過ごしてもいいのかもしれない。
…と、まとめてから、数ヶ月後。先日、両親に手紙を書きました。
今までずっと言えていなかった過去の感謝、穏やかに過ごしたかったという願いと悲しみ、それら全ての素直な本心を一気に書き上げて送り、両親それぞれから返答をもらったのです。
手紙を書いたのがきっかけで人生が大激変した、という体感は正直ないのですが、何かが書き換わった、という感覚だけはあります。
まず手紙を書いたことで、日常の中で感じる漠然とした寂しさや心細さ、緊張が減った、という感じがあります。
もちろん時々出てくることもあるのですが、それでも、その出所を知っていて、既に整理をつけたから大丈夫、という感覚で、揺れにくくなっている感じでしょうか。
それから、親を対等な一人の人間として見ることが容易になった、ということもあります。
親なんだから、という期待やフィルターを外し、この人たちはこういう人たちなんだ、という人間として理解が進み、いい意味で距離を掴みやすくなったように思います。
その結果、遠慮してずっと言えていなかったことをあえて口に出したり、いつもならバランスを取って飲み込んできた言葉を伝えてみたり、いい意味で怖いものなしに自分の言葉を伝えられたように思います。
また、言いたいことを言って、聞きたいことを聞けてよかったです。
シンプルに、心残りがひとつ減った。
正直、全てが思った通りだったわけではありません。
ポジティブな反応も、ネガティブな反応も、伝わった部分も、全く伝わらなかった部分もありました。
いろんな感情で心が暴れ回りましたが、結論、勇気を出せたことは、間違いなく素晴らしかった。
本音と向き合うことは、時に痛みが伴うことがあります。
ルーンやオラクルという触媒が、直視が難しい現実と向き合うための、いつもと違う思考ルートを示してくれた。それが私の心の勇気のコップを満たすのを手伝ってくれて、最終的に行動に移せたのではないかな、と思います。
私は、私の本音を自分の中の混沌から見つけ出し、掴み取りたい。
だから、今日も私は大好きなアメジストのルーンストーンをそっと握り、私の中に潜っていくのです。
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