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【謎解き】『チョコレート⼯場の秘密』の「名前」に隠された謎を完全解読する - なぜ柳瀬版は問題なのか?

🔶児童文学の名作『チョコレート工場の秘密』。実は、この物語に登場する子供たちの『名前』には、物語と深く結びついた「仕掛け」があります。
ここではその謎を解いていきます。最後まで辿りついたなら、きっとこの物語を、もう一度読み返したくなるはずです。

注意書き
本記事は、『チョコレート⼯場の秘密』の柳瀬尚紀さんの翻訳に対して、批判的な内容を含んでいます。愛読されている方やファンの方はご注意ください。

「注意書き」は読んでいただけましたか? ホントに? さぁ、それではお進みください。きっとビックリすることが待っていますよ

「チョコレート工場の秘密」(田村隆一訳)

第1章:ようこそ! チョコレート工場へ!

チョコレート工場の秘密』(Charlie and the Chocolate Factory)は、1964年にロアルド・ダールが発表した児童小説の傑作だ。

謎のチョコレート工場に入れるのは、世界中で売られている「ワンカチョコレート」のうち、たった五枚だけに入っているゴールデンチケットを当てた子供たちだけ。

チョコレート工場の秘密』の日本語版は、詩人でもあった⽥村隆⼀さんの翻訳による、親しみやすい児童書が長く親しまれていた(1972年〜2005年)。

しかし、2005年にティム・バートン監督『チャーリーとチョコレート⼯場』の国内公開にあわせて、評論社から柳瀬尚紀さんの新訳版が発売されると、田村版は店頭在庫分をもって実質的な引退となった。

アクが強い柳瀬版チョコレート工場の秘密』は、賛否両論を巻き起こしたけれど、この新訳には、アクだけでは収まらない致命的な問題があった。


第2章:柳瀬版の問題点

『チョコレート⼯場の秘密』の「名前」に隠された謎を解く前に、柳瀬版の問題点に触れておくことには理由がある。

これからとりあげるのは「名前」についてのみだけれど、柳瀬版へのこれまでの主な批判は、「アクが強い癖のある文体」、「言葉遊びへの過度な執着」、「名前や固有名詞の変更」など、過度に自分を前面に立てた翻訳姿勢によって、本来の「作品」のテイストを変えてしまったことにある。

そして後に述べるように、子供たちの「名前」を、「超訳」してしまったがために、本来、ダールがそこに仕掛けていた「謎」を覆い隠して、読者を見当違いの方向に連れていってしまった。

そもそも、「名前」を訳すことに意味があるのだろうか?

例えば「山田さん」をイギリス人に紹介するときに、「Mr. Mountain Rice Field」と訳したら、それは「名前」という「記号」に、本人の属性とは異なる見当違いの「意味」をもたせてしまうことになる。

但し、ダールは確かに『チョコレート⼯場の秘密』で、子供たちの「名前」に「意味」を持たせている。

問題は、柳瀬さんが、その「意味」を把握しないまま、「超訳」という選択をしたことで、「本来の面白さ」が置き去りになってしまったことにあるのだ。


第3章:柳瀬版の「名前」について

柳瀬版『チョコレート⼯場の秘密』の巻末には、「訳者から-空想講演『チョコレート⼯場の秘密』」と題した、10ページに及ぶ「あとがき」が掲載されている。

柳瀬さんはそこで、旧訳となった⽥村隆⼀さんの翻訳について、「あの訳書では、名前が面白くもなんともない。はたして訳者がわかっていたのかどうか」と貶めた上で、自身の翻訳の「名前」と英語の原名を記載している。

登場人物の名前が面白いでしょう? 皆さんの中には、以前出ていた翻訳でお読みになった方もいらっしゃるかもしれません。あの訳書では、名前が面白くもなんともない。はたして訳者がわかっていたのかどうか・・・・・・
ぼくの翻訳の名前と英語の原名を書いてみましょう。

・チャーリー・バケツ  Charlie Bucket
・オーガスタス・ブクブトリー  Augustus Gloop
・イボダラーケ・ショッパー  Veruca Salt
・パイオレット・アゴストロング  Violet Beauregarde
・マイク・テレヴィズキー  Mike Teavee

評論社「チョコレート工場の秘密」柳瀬尚紀

田村版では、子供たちの名前は、英語の音をそのままカナ表記にした「音訳」としていた。各々の名前は「チャーリー・バケット」、「オーガスタス・グルーブ」、「ベルーカ・サルト」、「バイオレット・ボールガード」、「マイク・テービー」である。

柳瀬さんの「あとがき」では、さらに、それぞれの子供たちの「名前」を、「自分はなぜそのように訳したのか」という解説が続いていく。

さて、ここまでは前段の話。それでは、いよいよ次の章からは、子供たちの「名前」について、「なぜ、柳瀬版のように訳してはいけないのか」という理由、そして「ダールが『名前』に込めた仕掛け」について解き明かしていきます。

とりあげる子供の順番は、ゴールデンチケットを当てた順番。まずは、「オーガスタス・グループ」からです。本当の意味はどこにあるのでしょうか。

ここから先は、ゴールデンチケットを手に入れた方だけが知ることができる「名前」に隠された本当の意味を、柳瀬版と比較しながら完全解読します。『チョコレート工場のひみつ』の「名前」のひみつです。

第1章〜第3章(無料)
第4章〜第7章:子供たちの名前に埋め込まれた「残酷な運命」の予言
第8章:チャーリー・バケットが選ばれた「器」の哲学
第9章:柳瀬版が踏み込めなかった「ウィリー・ウォンカ」の名前
第10章:『チョコレート工場のひみつ』のゲートに向かおう

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