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【STAR ISLAND 2026】冷たい雨と、見えない敵。試練の現地入り Day2

writting & Photo : ta2o


怒涛の積み込みから一夜明けた、5月21日。
STAR ISLAND 2026 の舞台も2日目、ついに今日かぐづちメンバーが集う。 しかし、我々を待ち受けていたのは非情にも終日降り続く冷たい雨だった。

かぐづちではおなじみのハイエース2台で現地へ

今回かぐづちに課せられたミッションは、光(LED)を使わない炎のみのパフォーマンス。 
実は土砂降りさえ避ければ、雨の中でも炎のステージは成立する。彼らが本当に恐れているのは雨ではなく「風」だ。 強風が吹けば、着火すらままならない。雨と風の動向をシビアに見極めながら、試練のDay2が静かに幕を開けた。


10:30 現場到着。環境は自ら創り出すもの

毎度かなりの物量になるので、
演者もサポートも準備は一緒に!

現地到着後、早々に想定外の事態が牙を剥く。主催者側に用意してもらった道具準備用のテントが土の斜面に建てられており、雨漏りの隙間もあったため急遽、撮影機材のテントと荷物を入れ替えることに。厳重な管理を要するパフォーマンス用機材の保全が最優先。各テントの設営の甘い部分を徹底的に修正して、環境の整備を行う。

かぐづちの頼れるサポート
通称「SWATチーム」の一人、シンゴ!

普通のパフォーマーなら、ここで不満を漏らすかもしれないが、かぐづちは動じない。 「いかなる不確定要素があっても言い訳にせず、自分たちでなんとかできる条件を常に備えておく」 代表・和泉の信念と言葉を合図に、予備で持参していたタープテントを自らの手で展開していく。

予備タープがあったことで本番前日まで続いた雨をしのぎ、
余計な気を回すことなく準備を進められた。

外部環境や他者の不備に依存しないプロフェッショナルの矜持が、そこにあった。


13:00 距離という魔物、そしてVコン確認

危険物を扱う真剣な顔もゆるむ食事時

テント内で昼食を済ませた後、Vコン(映像コンテ)を見つめるメンバーの眼差しが鋭さを増す。音、花火、そしてドローン、それらが複合的に展開する巨大なショーにおいて、炎舞の完全なシンクロは絶対条件だ。

意外かもしれないが、ダンサー出身の女性メンバーらとは異なり、かぐづちは全員が曲のカウントを取ってパフォーマンスできるわけではない。コミュニケーションの取れない距離と、個人の特性。いかにして全体の動きを統制するのか?

彼らが導き出した答えは、「視覚的シンクロ」だった。 置き型のLED照明(FT)プログラムを曲に完全連動させて発光させる。どれほどステージが離れていようと、その光を合図にすればタイミングはピタリと一致する。さらに、その発光パターン自体をVコンに組み込むことで、全員が「今、ショーのどの部分にいるのか」という現在地を視覚的に共有・把握できるシステムを自ら作り上げたのだ。

楽屋や各ステージに展開設置することで
全員が同じタイミングを共有できる。

14:00 託される武器、海上の試練

全体の戦略を共有した後は、今回初投入される秘密兵器を含めた道具のレクチャーが始まった。扱うのは、一歩間違えれば大事故に直結する炎の塊だ。 開発者や熟練メンバーが、初めてその道具を握る者たちへ構造と挙動を徹底的に叩き込んでいく。本番さながらの張り詰めた空気がテントを満たしていた。

レクチャーを終えた一行は、海上フロートへ

最も遠いステージで100m以上も離れているため、
通常のステージとは次元が違うスケール感!

遮蔽物が一切ない海の上では、容赦なく吹き付ける冷たい海風がメンバーの身体を直接打ち据える。例年に比べて気温は異常なほど低く、強風も相まって会場は極寒だった。


事前の想定では、幅わずか2メートルの足場から強風で海へ転落するリスクを重視していたが、いざステージに立ってみると、フロートは思ったよりも安定していて、8人で移動しても危険を感じるような不安定さはない。強風の揺れによる影響で船酔い気味のメンバーもいたものの、4×4mの養生済みステージはどっしりと構えている。見ていても致命的な恐怖を感じる場面は少なく、パフォーマンスそのものへの影響はないと皆確信を得ていた。

海風や天候からパフォーマンス道具を守る
金属製ベンチボックス

一方、設営チームは雨で思うように作業が進まない焦りの中、デリケートな機材を風雨から守るための物理的な防衛策を徹底していた。

幅180cm級の強固な金属製ベンチボックスを用意し、強風で飛ばないようフロートのパネルに直接ビス打ちして完全固定していく。ダンパー付きのしっかりした構造を採用したことで、風で勝手に蓋が閉まる危険もなく、機材は安全に守り抜かれた。圧倒的なリスクヘッジが現場を支えている。

それでも、暗闇の海上では些細なミスが大事故に直結する。荷物を探る際、誤ってデリケートな発火装置のスイッチに触れれば、道具に引火し箱ごと炎上しかねない。

プロフェッショナルたちの頭の中では、次々と改善策が猛スピードで回転し続けていた。


19:00 夜の火気テスト。限界突破の火力

すっかり日が落ちいよいよ、秘密兵器を使った実際の火気テストへと突入する。 2点、今回のために制作された新たな演出機材だ。
雨がパラつく極寒の海上は引火のリスクがあるため、パフォーマーは燃えやすいダウンジャケットなどの防寒着を着ることができない。寒さが、容赦なく彼らの体力を奪っていく。

本番は8つの花火が海上でも咲き誇る

海の風を読みながら、ついに海上に火が灯る。
客席から100m離れた海の上からでも、花火やドローンに決して見劣りしない限界突破の火力

都市の夜景を背に、轟音とともに闇を切り裂く規格外の火柱。極寒の海上が、一瞬にして照らし出される。単体でのテストとはいえ、レンズ越しに叩きつけられるその暴力的なまでの光量は、現場の空気を一変させるだけの圧倒的な説得力を持っていた。

望遠レンズ越しに見ても熱を感じそうなほどの音と迫力

21:00 撤収

芯まで冷え切った身体と疲労を引きずりながら過酷なDay2が終わった。 明日はいよいよ本番前日。
全セクションが合流しての通しリハーサルが行われる。雨と風の脅威に耐え、自らの手で環境をこじ開けたかぐづち。限界突破の炎は、果たして本番の壮大な演出とどうシンクロするのか?

次回
お台場の夜空を焦がす怒涛のDay3 通しゲネプロ編


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