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実習指導者がしんどいのは、忙しいからだけじゃない。

看護学生の実習指導って、日々の業務に“もう一つの仕事”が乗る感覚があります。
日々のカンファレンスに加えて、中間・最終カンファレンス。資料を見て、参加して、コメントして、評価する。
時間だけじゃなくて、言葉を選ぶ神経も使うから、じわじわ削られる。

現場が本当に難しくなるのは、**“思考の型がまだ整っていない学生”**が来たときです。
観察はしている。メモも取っている。
なのに報告になると、情報が並ぶだけで結論がない。話が長い。ズレる。優先順位が見えない。

「どう思う?」と聞いても固まってしまう。
考える以前に、何から手をつけていいかわからない。
実習指導者がしんどいのは、忙しいからだけじゃない——今日はその話を書きます。



「来年から看護師…?」って思ってしまう瞬間

言いたくないけど、ふと頭をよぎることがあります。
「これで試験受けて合格したら、来年から看護師なの…?」って。

厳しくしたいわけじゃない。責めたいわけでもない。
ただ、事故だけは起こしたくないんです。

現場では一つのズレが、患者さんの安全に直結します。
転倒、誤薬、感染、個人情報。
精神科ならなおさら、関わり方ひとつで状況が変わることもある。

だから、指導者がピリッとした言い方になる日がある。
それは「学びを奪いたい」からではなく、守るものがあるからです。



指導者は“教える人”である前に、現場を支える人

実習指導って、暇な人がやってるわけじゃない。
むしろ一番忙しい時間帯に、指導が挟まる。

受け持ち患者のケア。急変の対応。家族への説明。
記録。電話。医師への報告。チームへの共有。
その合間に、学生のフォローが入る。

そこにさらに、カンファレンスが重なる。

日々のカンファレンス。
実習期間中の中間カンファレンス、最終カンファレンス。
資料に目を通して、参加して、コメントして、評価して…。
それって「座って話を聞くだけ」じゃなくて、責任のいる仕事なんですよね。

忙しい日に限って準備が後回しになって、
帰り際にドッと来る。
指導者のしんどさって、時間だけじゃなくて、神経を使い続ける疲れも大きいと思います。



精神科で指導をしていて、私が渡したいもの

私は精神科の病棟で勤務しています。
学生は卒業して、国試に合格して、どこの病院で働くかはわかりません。
それでも実習の時間だけは、現場で生きていくための“芯”みたいなものを、少しでも手渡せたらと思っています。

どれか一つに決めるのは難しいけれど、私がいちばん大事にしているのは 誠意と熱意 です。

教科書に書いてあることは大事。
でも現場は、教科書どおりに進まないことの方が多い。
精神科は特に、相手の反応や場の空気、距離感ひとつで変わることがある。

だから私は、完璧な知識や技術より先に、
「目の前の人に誠実でいよう」
「学ぶ姿勢を手放さないでいよう」
その土台を大事にしてほしいと思っています。

誠意と熱意がある人は、わからないことを放置しない。
迷ったら確認する。ごまかさない。
失敗したら学び直す。

その積み重ねで、知識も技術もあとからちゃんと追いついてくる。
そして結果的に、いい看護ができるようになる。
私はそう信じています。



それでも、指導者がしんどい日はある

学生のために、と思うほど言葉を選ぶ。
評価に残るとわかっているからこそ、コメントにも神経を使う。
うまく伝わらない日には、こちらの心も削れる。

それでも明日、また現場が始まる。
実習もまた続く。

もしこの記事を読んで「わかる…」ってなった指導者の方がいたら。
あなたは冷たい人じゃないです。
むしろ、ちゃんと責任を背負ってる人です。



まとめ
• 実習指導者がしんどいのは「忙しい」だけじゃない
• “思考の型が整っていない学生”が来ると、現場の難易度は一気に上がる
• 教科書と現場のズレの中でも、最後に残るのは 誠意と熱意

しんどいのは、あなたが手を抜いていないから。
現場を支えながら、学生の未来にも責任を持とうとしているから。

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