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解き(土)の章∞第22話|十一月の総勘定元帳(中編)

妻・里緒の逝去後に係る、
あれやこれやの対処が、
2025年の年末で、
(大晦日までに)
ようやっと
ひと段落した。

年が明け、
2026年。

遅れに遅れていた
確定申告に係る作業へ、
ようやく、
着手することになる。

例年であれば、
年明け早々に、
e-Tax送信まで
済ませてしまう。

ところが、
今年度に限っては、
1月中旬を過ぎても、
まだ、
道半ばだった。

やはり、
妻の死の衝撃は、
大きかった――
と言わざるを得ない。

そうは言っても、
「妻が亡くなったので、
今年は確定申告ナシで」
とは、
絶対にならない(笑)。

税務署は、
やはり、
待ってくれない。


話を、
元に戻そう。

モチベーションは、
正直、
かなり低かったが、
何とか、
会計ソフトへの
打ち込みを、
ある程度まで
終えた。

そして、
ゆっくりと、
見返していく。


すると、
さっそく、
弱りきった
僕のメンタルが、
反応した。

接待交際費。

見ていただければ
分かると思うが、
春先までは、

当院の
法務的サポートを
担っていただいている
専門家の先生方との
会食が、
比較的、
頻繁に記録されている。

ところが――
春頃を境に、
それが、
ぱたりと止む。

そう、
妻の、
がんの再発だ。

それ以降、
会食や会談の記録は、
目に見えて、
減っていく。


次に、
3月11日。

僕は実は、
ボディビルをやっていて、
大会の入賞歴もあり、
現在は、
地方連盟の
理事を務めている。

この話を
深く掘り下げると、
狭い世界ゆえ、
「ああ、
風志って、
あの人か」
と、
なってしまう可能性もある(笑)。

だが、
ここでは、
話の流れ上、
避けて通れない。

3月11日付で、
経費計上されている、

「手土産代
 六花亭
 1,070円」

これは、
僕が理事として
所属している
ボディビル連盟への
手土産代だ。

では、
なぜ、
手土産が
必要だったのか――。

それは、
妻の入院に伴い、
理事会への出席が、
叶わなくなったから、
である。


その後、
時系列が進むにつれ、
接待交際費から
読み取れる
“切迫度”が、
次第に
増していくのを
感じ始めた。

7月29日付で、
経費計上されている、

「手土産代
 エスタ帯広
 タニホ菓子店
 830円」

である。

7月末。

この頃には、
春を越え、
一度は
落ち着いたはずの
がんに、
再発の疑いが
浮上していた。

起死回生を願い、
炎で
焼き消すように――
想いを込めて。

そう思い、

『鬼滅の刃』と
JR北海道の
共同企画スタンプラリー
(2025年6月18日〜10月13日)
が開催されていたこともあり、

妻が
大ファンだった、
帯広の地で、

煉獄杏寿郎に、
逢いに行こう――
と、
決めた。

煉獄さんに、
がんを、
焼き尽くしてもらおうと。

その際、
日程調整で
ご迷惑をおかけした
お客さん向けに
用意した
手土産だったと、
記憶している。


そうこうしているうちに、
時の流れは、
思っているよりも、
早かった。

8月
 9月
  10月――

時(とき)と、
並行するように、
“刻(とき)”も、
淡々と、
流れていく。

もう、
止められない。

帳簿や
日計表(予約表)の
数字や、
予定の記載からだけでも、
様相は、
少しずつ、
変わっていった。

影は、
いつの間にか、
深く、
落ちていた。

(後編へ続く)

(👆令和7年7月29日・里緒撮影)

(関連サイト)
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