皆伝 小論文 採点基準を知る
採点の基準を先生に聞きました。
・標準的には次の五つの点を評価対象としています。
1.理解力
2.論理力
3.知識力
4.発想力
5.表現力
一つの要素につき、20点で換算します。
1.理解力 20点
出題された本文/素材文/課題文や、図、グラフなどの資料、設問の意味を適切に理解していることを表現する。
①問に答えている。 5点
序論は問に答えようとしているのに、結論がずれている解答は受験生には時々あるんですけど、得点になりません。
設問が「愛とは何か」なのに、「恋とは」の解答だと0点です。
設問が「愛と恋の違いを書きなさい」なのに、愛しか書いていないと、2点です。愛と恋について書いていても、違いを書いていないと、3点です。
②本文/課題文/素材文を理解している。 5点
③「800字以内で書きなさい」という字数の条件を守っている。 5点
基本的には9割の字数、800字なら720字以上で5点です。85%の680字、100%以上の801字なら4点。80%の640字なら3点、75%の600字なら2点、70%の560字なら1点です。
④「具体例を挙げて」「あなたの経験を交えて」「筆者の意見を元にして」などの条件を理解している。 5点
2.論理力/説得力/構成力 20点
論理的で採点者が読みやすい、理解しやすい構成で書く。
①論旨が明確か。序論、本論、結論になっている。 5点
②論旨に沿った根拠で、且つわかりやすく書いている。 5点
×「彼は日本人なので、英語を話せる」
③論旨に沿った具体例で、且つわかりやすく書いている。 5点
④つまりでまとめ、例えばで具体例、第一に、第二にと順序をわかりやすくして、従ってで因果関係、なぜならで根拠をわかりやすく表現している。 5点
3.知識力 20点
テーマに関する知識の広さ、深さ、多様さを持っていることを表現する。知識がないと、ユニークな発想もできないし、問題点の理解もできません。
①事実誤認がない。 5点
×「地球温暖化の主な要因は、地球システムが温暖化に向かっているからである」
②背景の知識を正確に持っている 5点
〇「地球温暖化の要因は人為的な活動によるものである。それは主に18世紀後半から19世紀前半にかけての産業革命の世界的展開がもたらしたものである。具体的には~」
③現状の知識を正確に持っている。 5点
「COPの京都会議、パリ会議などでは温暖化の封じ込めに対する目標値に関しては、具体的な進展が見られたものの、実際の二酸化炭素排出量はむしろ増えている」
④具体例などの知識を正確、且つ多様に持っている。 5点
〇「原因物質としては、具体的には二酸化炭素、またさらに温暖化の効果が高いメタンの排出を挙げることができる」
〇「影響としては、具体的には北極の氷山の溶解、温帯地域への集中豪雨や気温上昇、亜熱帯地域における低気圧の強大化などを挙げることができる」
背景としての具体例、現状としての具体例のどちらも挙げているので、5点ですね。
4.発想力 20点
ユニークでオリジナルな発想をしていることが、発言の価値を高めます。意見がある人はと問われて、誰でも思いつくことを言っても、何の貢献にもならないということです。学問でも、研究でも、仕事でもユニークでオリジナルなことに価値があります。
①ユニークでオリジナルの課題を発見して、問題提起をしている。 5点
②ユニークでオリジナルの解決法または証明を書いている。 5点
③ユニークでオリジナルの具体例を書いている。 5点
④ユニークでオリジナルの自説に対する反論を書いている。 5点
つまり、①②④は難しいので、③の具体例で独自性を出しているなら、得点できるんです。
5.表現力 20点
正確で分かりやすい表現で書く。語彙の豊富さも含めて、コミュニケーションでは、言葉を発する方も、受け取る方も、正確で深い情報、価値観、発想の交換ができるし、この能力は大学でも、将来の仕事でも役に立つので、重視されます。
①誤字脱字が三つあると、小論文全体を0点とする大学もあると聞いたことがあります。ここは減点法です。先生は一つ誤字があると、マイナス一点とするそうです。
②自分の意見を書いているか。
時々、テーマの客観的な説明、課題の現状認識だけを書いていて、自分の意見(ーべきである。―する必要があると考える)が書いていないレポートがあるそうです。レポートと、小論文は違います。
③段落や改行、一文字空けなどのルールを守っている。
④表記の揺れがない。略語、口語、擬音語、擬態語、重複表現、同じ言葉を近くで繰り返して使わない。文法的に正しい日本語を使う。
・表記の揺れ
「-である。」と書いていたのに、「-です。」ではいけません。
・略語
×「コンビニ」「エアコン」
〇「コンビニエンスストア」「エアーコンディショナー」
・口語
×「テンパって」
・擬音語、擬態語
×「テキパキとやったので」
〇「手早く片付けたので」
・重複表現
×「馬から落馬した」「骨を骨折した」
・同じ言葉を近くで使う
×「このことは、重大なことであることを、皆が理解していることは、とても大事なことだ。」
大学によって異なるんですけど、
①②③④⑤ これをABCDの四段階評価にしたり、A+~C-とDという十段階の評価にすることが多いそうです。
①A 20点②A 20点③A 20点④B 15点⑤B 15点 90点
①A+ 20点②A 18点③B+ 14点④B- 10点⑤C 6点 68点
芸術系の大学で課される小論文では、理解力、発想力、表現力が大事です。字数も少ないので構成、知識よりは、前の3つを重視するそうです。
どの大学も小論文では差がつかないので、基本的に、6割-7割で合格と言われています。面接や、志望理由書、他の科目で差がつくということです。
小論文では、特に知識と発想は密接に関わっていて、身に着けるのに時間がかかります。だから、どうしても小論文で高得点が必要な人か、特異な才能を持っていう人を除くと、ほとんどの人は、表現力、理解力、論理力で6割、発想力では具体例でユニークであることを示して、65点くらいを狙うのがいいでしょう。
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