私の削がれた3ヶ月、そして私は逃げることを選んだ
ある日、私の職場に圧山さんという看護師さんがやってきた。
この人からは圧を感じた。
物の言い方がきつく、上から口調。
正直、少し苦手かもしれないと思った。
圧山さんは、小さなミスでもすぐに注意しにやってくる。
ミスをするのは私が悪い。
それは分かっている。
ただ、私には不思議に思うことがあった。
こちらの話を少し聞いてくれれば、自分の勘違いだと分かる場面でも、一方的に注意だけして立ち去っていくことが少なくなかったからだ。
彼女とは、一緒に仕事をする人として、
きちんとコミュニケーションを取ったり、
信頼関係を築いたりすることが難しいと感じていた。
決して彼女は私の上司でも指導係でもない。
同じ職場で働く、一人の看護師さんである。
「ちょっといいですか」
その一言から始まり、強い口調で注意を受ける。
私には理不尽だと感じることも少なくなかった。
彼女に強い口調で注意されればされるほど緊張する。
緊張すると、普段ならしないようなミスまでしてしまう。
そして、また注意される。
気づけば、悪循環だった。
同じ職場の人だからと飲み込み、
できるだけ丁寧に接していた。
それでも、一か月ほど経った頃から肩こりがひどくなった。
彼女が来ると思うだけで体が緊張し、
肩に力が入り、体が硬くなる。
激しい動悸に襲われることもあった。
彼女から受ける風当たりは少しずつ強くなり、
私は少しずつ削られていった。
眠れない日々が続いた。
仕事を辞めることも考えた。
でも、職場には大好きな人たちがいた。
お互いに助け合い、
「ありがとうございます」
「お願いします」
「ごめんなさい」
そう言い合える人たちだった。
だからこそ、悩んだ。
三か月ほど経ったある日。
事件が起きた。
そばにいた人まで、
圧山さんの私に対する物の言い方に気づいた。
小さな声が聞こえた。
「感じ悪っ。」
その言葉を聞いて、
私は少しだけほっとした。
でも、患者さんもいる。
私は何事もなかったように平静を装い、
仕事を続けた。
感情を表に出すわけにはいかなかった。
それでも、
自分の中で何かがぷつりと切れるのを感じていた。
その直後だった。
また私が一人になるタイミングで、
圧山さんがやって来た。
いつものように、
私のできていないことを注意し始める。
いつもなら、
「気をつけます」
そう言って終わらせていた。
でも、その日は違った。
私は冷静に彼女の勘違いを伝えた。
そして、何事もなかったように立ち去ろうとした彼女を、
思わず呼び止めていた。
自分でも驚いた。
(私は今、何をしようとしているんだろう。)
そう思いながら、
彼女の目をまっすぐ見て、
初めて言い返した。
この日から、私は圧山さんと距離を置いた。
要件はメモ。
必要以上に声はかけない。
こちらから進んで手助けをすることもやめた。
彼女もまた、
私とは距離を置いていた。
今までは、書類が見つからないと、
まず私のところへ来る。
「どこにやったんですか」
強い口調でそう言われることもあった。
私は何も言わずに探し、
黙って差し出していた。
距離を置いてからは、
彼女自身が探す場面が増えた。
他の人に聞いて回る姿を見ても、
私は見ないふりをした。
その時、
本当は差し出してあげたい自分がいることに気づいた。
私は最後まで、
彼女と一緒に仕事がしたかったのだ。
「仕事は一人では回らないよ」
そう伝えたい気持ちもあった。
けれど私は、
差し出さなかった。
自分を守るために。
彼女から逃げるために。
そして私は、
人間観察を始めた。
これが、ナース圧山誕生の瞬間である🤣
肩こりは少しずつ楽になり、
動悸も減ってきた。
ようやく平穏な日々が戻ってきた。
職場の人間関係で悩んでいる人がいるなら。
無理に耐え続けなくてもいいと、伝えたい。
距離を取ることも、
自分を守る一つの方法だと私は思う。
