渡り鳥は、地図を持たない
渡り鳥は、地図を持っていません。
何千キロという距離を、毎年同じように渡っていく。誰かに道を教わったわけでもなく、地図を見たわけでもない。それでも、目的地にたどり着きます。
格闘技を長く続けていると、自分が渡り鳥に似ていると感じることがあります。
何を目指しているのか、明確な地図があったわけじゃないです。小学生のときに「強くなりたい」と思った。それだけでした。その先にあるものが何かも、どうやってたどり着くのかも、わからないまま、ただ進んできました。
地図がないまま進むことは、不安です。でも振り返ると、その不安の中でしか、見えてこないものがありました。
こういう感覚、ありませんでしたか。
・何を目指しているのか、
自分でもうまく説明できない
・明確な計画があったわけじゃないのに、
ここまで来てしまった
・先が見えないまま、
進み続けることへの不安がある
・周りは地図を持っているように見えるのに、
自分だけ持っていない気がする
・それでも、なぜか前に進む力が、
自分の中にある
地図を持たずに進んでいる人は、決して少なくないと思っています。
僕は吉田開威といいます。剛柔流硬式空手の世界王者を経て、MMAに転向したプロ格闘家です。
小学6年生のとき、UFCを目指すと決めました。その時点で、明確な地図を持っていたわけじゃないです。アマチュアで15連敗して、何が正しい道なのかわからなくなった時期もありました。
それでも、進み続けてきました。
地図を持たないまま進むことの意味を、ここから書いていきます。
地図を持たない者たちの話
このガイドは、6つのパートで構成されています。
パート1
地図を持たないということ
パート2
渡り鳥が頼っているもの
パート3
迷いながら進むことの意味
パート4
地図を奪われた季節
パート5
それでも飛ぶ理由
パート6
地図のない場所で、何を残すか
最初に伝えたいことがあります。
このガイドは、技術や戦術のマニュアルではないです。格闘技を通して見えてきた、生き方についての話です。具体的な答えを探している人には、物足りないかもしれないです。でも、答えのなさそのものと向き合いたい人には、何か届くものがあると思っています。
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