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noteを資産にするのは、記事ではなく「検索できる創作圏」だった

「noteを資産化する」と聞くと、一般的にはどんなものを想像するだろう。

有料記事を販売すること。
フォロワーを増やすこと。
スキを集めること。
検索される記事を量産すること。

私も以前は、長く読まれる記事を増やしていくことが「積み上げ型の資産」なのだと思っていた。

けれど、自分の記事や作品名をGoogleで検索してみると、少し違うものが見えてきた。

検索から人を連れてくる記事。

その記事から、次に読まれる記事。

作者の名前を調べたときに現れるプロフィール。

オリジナル作品を検索したときに並ぶ連載や紹介ページ。

さらに、その作品の舞台である架空都市まで検索結果に現れていた。

つまり、資産になっていたのは一本の記事ではなかった。

検索から入る入口と、その先を歩ける記事群、そして自分の名前や作品名を検索したときに現れる世界全体。

私のnoteは、いつの間にか小さな創作圏として検索上に積み上がり始めていた。

この記事は、SEOの専門的な調査ではない。

自分のnoteのアクセス状況と、実際にGoogleで記事名、作品名、作者名などを検索してみて考えた、個人的な分析である。


昔書いた記事が、突然また働き始める

この分析を始めたきっかけは、以前に書いた『人間標本』の記事が、今も継続して読まれていることだった。

公開直後に読まれるのは分かる。

けれど、しばらく時間がたってもアクセスが続いていた。

実際に検索してみると、私の記事は作品についての複数の問いに対する情報として使われていた。

作品の内容を知りたい人。

作品が何を描いているのか、意味やテーマを知りたい人。

同じ記事が、一つの検索語だけではなく、異なる疑問を持つ人に拾われていた。

記事を書いた当時、将来どのような言葉で検索されるかを細かく予測していたわけではない。

私はその作品を読んで、内容だけではなく、自分がどのように受け取ったのかを書いていただけだった。

しかし結果的に、

  • 作品の概要

  • 読後に残った疑問

  • 物語のテーマ

  • 自分なりの解釈

が一つの記事の中に入っていた。

そのため、作品について調べる人が次に抱く疑問まで受け止められる記事になったのだと思う。

積み上がる記事とは、一つの検索キーワードを狙った記事ではなく、そのテーマを知りたい人が次に抱く疑問まで残されている記事なのかもしれない。

作品側に新しい話題が発生すれば、検索する人も再び増える。

そのとき、過去に書いて置いてあった記事が、もう一度働き始める。

新しい記事を書いて宣伝し続けなくても、未来の検索需要が昔の記事を見つけてくれる。

これが、私が最初に気づいた「noteが資産になる」という感覚だった。


検索上位の公式サイトと戦う必要はない

『ブラック・ショーマン』を検索したときにも、別の発見があった。

検索結果の最初の方には、

公式サイト。
映画情報。
出版社。
出演者や作品紹介。

そうした強い情報が並んでいた。

私の記事が現れたのは、その後だった。

最初は「公式サイトばかりの中に、私の記事がぽつんといる」と思った。

しかし、記事の役割が違う。

公式サイトが答えるのは、

どんな作品なのか
誰が出演しているのか
いつ公開されるのか

といった事実である。

一方、私が書いたのは、

実際に観てどう感じたのか
原作を知らなくても楽しめたのか
物語をどのように受け取ったのか

という、個人の感想だった。

作品について調べる人は、最初に公式情報を確認する。

そのあと、

宣伝ではなく、実際に観た人はどう感じたのだろう。

と考える人もいる。

その疑問には、公式サイトではなく、個人が残した感想が答えられる。

つまり、検索上位の公式サイトを倒す必要はない。

公式情報の隣や、その先に、自分の記事にしか埋められない席を作ればいい。

検索される記事とは、誰よりも詳しい記事だけではない。

自分の立場や感情、解釈を丁寧に残した文章にも、公式情報では代替できない検索価値がある。


すべての記事が検索上位になる必要はない

ほかの映画やドラマについて書いた記事も調べてみた。

『爆弾』や『キントリ』の記事も検索結果には存在していたが、『人間標本』や『ブラック・ショーマン』ほど前には出てこなかった。

それでも、記事は読まれている。

考えられるのは、検索から直接その記事へ入る人だけではなく、別の記事から回遊している人がいるということだ。

たとえば、

『人間標本』の記事を読む

プロフィールや関連記事を見る

ほかの映画感想を読む

AIや創作の記事を見つける

という流れである。

実際の経路は、検索結果の画面だけでは断定できない。

それでも、検索順位では後ろにある記事まで読まれているなら、検索入口とは別の役割を持っている可能性がある。

検索入口になる記事と、入ってきた人に次に読まれる記事は、同じでなくてもいい。

検索記事だけを作っても、その先に読むものがなければ、一記事で帰ってしまう。

反対に、作品や制作記録を大量に積み上げても、外から入る入口がなければ見つけてもらいにくい。

検索流入が人を連れてくる。

回遊が、その一回の訪問を複数の記事へ広げる。

資産になるのは検索上位の記事一本ではなく、

入口と、その先に読むものがある記事群そのもの

なのだと思う。


オリジナル作品は「検索される前」から積み上げられる

さらに面白かったのが、自分のオリジナル作品を検索した結果だった。

『時間しばりの恋』を検索すると、作品紹介や掲載先、関連ページが並んでいた。

『The City Without Wind』では、検索結果の多くを自分の記事が占めていた。

『隠世の門』は、掲載サービスによって作品トップや各話など、異なるページが検索に拾われていた。

『街角探偵事務所ZACK事件簿』や『ZERO wears the World』も、タイトルで検索すればシリーズが並ぶ。

さらに「街角探偵」と検索すると、実在する探偵事務所の中にザック兄の記事が混ざっていた。

ザック兄、検索上では本当に探偵事務所を開業していたw

もちろん、オリジナル作品名は、最初から多くの人に検索される言葉ではない。

けれど、検索需要が少ないことと、検索資産にならないことは別である。

記事や連載、作品紹介、掲載先を積み上げておけば、誰かがその名前を検索したときに、

これは何なのか
誰が作っているのか
どこから読めるのか
どのような世界なのか

を検索結果が説明できるようになる。

つまりオリジナル作品は、検索され始めてから準備するのではなく、

将来検索されたときに、世界全体が現れる状態を先に作っておける。

一記事だけではなく、タイトル、作者名、登場人物、各話、関連作品が繰り返し結びつくことで、検索上にも作品の領域ができていく。


他人の作品名で出会い、自分の作品名へ連れていく

ここまでを並べると、私のnoteには三つの層がある。

既存の検索需要を借りる入口

映画、ドラマ、AI、GPTなど、すでに調べる人がいるテーマについて書いた記事。

『人間標本』や『ブラック・ショーマン』などが、この入口になっている。

入口から回遊して読まれる記事

検索順位では目立たなくても、同じテーマの記事、制作記録、キャラクター記事、小説など、入口から来た人が次に読むもの。

自分の名前と作品を受け止める検索領域

海谷ノという作者名。

『時間しばりの恋』『隠世の門』『The City Without Wind』などの作品名。

そして、作品の舞台である架空都市・汐原。

既存作品についての記事から入った人が、ほかの記事を読み、

この作者は誰だろう。
どんな作品を作っているのだろう。
汐原とは何だろう。

と思ったとき、検索結果にはすでに受け皿がある。

実際に読者がこの順番で移動しているかは、画面だけでは確認できない。

それでも少なくとも、検索されたときに迷子にさせない状態はできている。

他人の作品名で出会った人が、最後には自分の作品名を検索する。

そこまで進めば、検索需要を一時的に借りただけではない。

その人が作者や作品世界へ興味を持ち始めたことになる。


スキの数と、記事の資産価値は同じではない

noteでは、スキやコメントが目に見える反応になる。

反応が多い記事は嬉しい。

しかし、それだけで記事の価値を判断すると、見えなくなるものもある。

検索から来た人は、必ずしもnoteのアカウントを持っているとは限らない。

記事を読んでも、スキやコメントを残さずに帰る人もいる。

さらに検索流入は、公開直後に一気に起こるとは限らない。

何か月後、作品側に新しい話題が出たときに、突然過去記事が読まれ始めることもある。

スキは、その時点で目に見えた反応である。

一方、検索資産は、

未来に発生する関心を受け止めるために、記事がその場所に残っていること

でもある。

そのため、公開直後の反応が少ない記事を、すぐに「価値がなかった」とは判断できない。

今は静かでも、未来の検索に対する入口になる可能性がある。


検索結果だけでは分からないこともある

ここまで書いてきたことは、あくまで個人的な分析である。

検索結果は、

  • 検索する時期

  • 地域

  • 閲覧履歴

  • 検索する端末

  • 検索語のわずかな違い

などによって変わる。

また、記事が検索結果に表示されていることと、実際にそこから多くの人が入っていることも同じではない。

『人間標本』から入り、ほかの記事を読み、作者名を検索した人が本当にいるのか。

それを確認するには、Google Search Consoleなどで検索クエリや流入ページを見る必要がある。

だから私は、

「この導線で読者が動いている」

と断定するのではなく、

その導線が成立できるだけの入口と受け皿が、検索上にでき始めている

と考えている。

それだけでも、以前とは大きく違う。


noteを積み上げ型の資産にするとは

noteを資産にするとは、すべての記事を検索上位にすることではない。

検索されやすいテーマだけを書くことでもない。

検索から人を連れてくる入口を作る。

入ってきた人が次に読める記事を残しておく。

自分の作品名や作者名を検索したときに、きちんと説明できるページを積み重ねておく。

その三つがつながったとき、noteは単なる記事の保管場所ではなくなる。

検索できる、小さな創作圏になる。

既存作品について書いた感想も。

AIについて考えた記録も。

オリジナル小説も。

キャラクターの制作過程も。

一見ばらばらに見える記事が、作者名を中心に少しずつ結びついていく。

そして検索流入が本当の資産になるのは、

作品名で来た人が、作者名で戻ってくるようになったとき

なのだと思う。

私のnoteは今、Googleの中に少しずつ道を作り、作品の入口を置き、汐原の住所まで取得し始めているらしい。

思っていたより、ずいぶん大きな街になっていた


検索から、ここに辿り着いてしまった
スネークの皆さんへ。

noteを始めて一年が経ちました。
静かに読んで、静かに去っていく。
そんなあなたたちに、私は励まされてきました。

任務、ご苦労様です。

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