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第8回|繊細さを肯定するという選択


「繊細であることって、弱さなんじゃないか」
そう考えて、自分を責めてきた人は少なくないと思います。僕自身もそのひとりでした。
「もっと図太くならなきゃ」「気にしすぎを直さなきゃ」って、ずっと思い込んでいました。

でも、店長として働いていたあるとき、ふと気づいたんです。
繊細さは“欠点”じゃなくて、“ギフト”なんじゃないか と。


弱さではなく、ギフト


繊細さがあるからこそ、スタッフの小さな表情の変化に気づける。
繊細さがあるからこそ、お客さまが言葉にしない気持ちを察して対応できる。
繊細さがあるからこそ、「こうしたらもっと働きやすいかも」と工夫を重ねられる。

つまり、繊細さは「弱さ」ではなくて、人との関係を深めるための力。
その視点を持った瞬間、これまでコンプレックスだった部分が、じわじわと誇りに変わっていきました。


無理に「変わろう」としなくていい


もちろん、「もっと強くなりたい」「気にしすぎをやめたい」と思う気持ちも自然なことです。
けれど、それを無理に変えようとすると、ますます自分が苦しくなってしまう。

繊細なままでもいい。
そのままでも十分にやっていける。
そう思えるだけで、心はずっとラクになります。


自分を大事にすることは、周りを大事にすることにつながる


僕が学んだ一番大きなことはこれです。
繊細な人って、つい「相手のために」と自分を犠牲にしがちです。
でも、疲れ果ててしまえば、本当の意味で相手を大事にできなくなります。

だからまずは、自分を大事にすること。
休みたいときは休む、助けてほしいときは声を出す、無理なことは「できません」と伝える。
その選択はわがままではなくて、周りを守るための大切な行動なんだと思います。


最後に。

この連載を通して伝えたかったのは、「繊細さを恥じなくていい」ということ。
あなたの繊細さは、きっと誰かの支えになる。
そして、自分を大事にできるとき、周りとのつながりはもっとあたたかくなります。

どうか今日も、ちょっとラクに、自分らしく過ごせますように。

あとがき


ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。

この連載を書きながら、あらためて自分自身が繊細さとどう向き合ってきたかを振り返る時間になりました。
振り返ると、繊細さを否定してきた時期が一番しんどかったように思います。
「強くなければならない」「もっとできるはずだ」と追い込んでいた頃は、いつも心に余裕がなく、スタッフとの関係もぎくしゃくしていました。

けれど、失敗して、立ち止まって、素直に「ごめん」と伝えたときから少しずつ変わりました。
弱さを見せても、チームは離れていかなかった。
むしろ「一緒に頑張ろう」と寄り添ってくれる人が増えていきました。

そのとき初めて、「繊細さは欠点じゃないんだ」と思えたんです。



この本を手に取ってくださった方の中には、
「気にしすぎてしまう自分が嫌い」
「職場で疲れやすいのは自分が弱いからだ」
そう感じている方もいるかもしれません。

でもどうか、忘れないでほしいです。
その繊細さは、相手の気持ちを理解する力であり、チームをやさしくつなぐ力であり、関わる人を大事にできる力です。
その力は、これからの社会でますます必要とされるはずです。



僕自身、まだまだ完璧なわけではありません。
これからも悩むことも、立ち止まることもきっとあります。
でもその度に「繊細さを肯定する」という選択をしていきたい。

そして同じように悩んでいる誰かに、
「そのままで大丈夫だよ」
と伝えられる存在でありたいと思います。



最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。
あなたの繊細さが、あなたらしい強さとなりますように。

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