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障害厚生年金63万を手に入れるために、時間と労力と3万を失った話

少し生々しいタイトルになりました。

「障害厚生年金63万を手に入れた」と書くと、どこか得をした話のように見えるかもしれません。

でも、実際の感覚はかなり違います。

私にとって障害厚生年金は、ラッキーでも、臨時収入でも、勝ち取ったごほうびでもありませんでした。

働き方が崩れて、体調も安定せず、家計の見通しもぼんやりしていた時期に、なんとか暮らしを止めないための支えでした。

私の場合、結果として635,500円の障害厚生年金につながりました。

ただ、そのお金にたどり着くまでに、かなりの時間と労力を使いました。

年金事務所へ約半年間通い続けました。
診断書や証明書、交通費、郵送、コピー代などを合わせると、3万円近いお金も先に出ていきました。

そして、お金以上に重かったのは、自分のしんどかった時期をもう一度思い出して、書類にしていく作業でした。

これは、障害厚生年金の制度を詳しく解説する記事ではありません。

うつ病パパとして、子育てと家計をなんとか回しながら、実際に年金請求をしてみて感じたことを書きます。

同じように、メンタル不調を抱えながら手続きの前で止まっている方に向けて、「こういう重さもあるよ」とそっと残しておきたい話です。

※制度の要件や金額は、加入状況、初診日、障害の状態、家族構成、年度などで変わります。この記事は私の体験談であり、請求できることや受給を保証するものではありません。実際に手続きを考える場合は、日本年金機構、年金事務所、主治医、必要に応じて社会保険労務士などに確認してください。

63万円は、勝ったお金ではなく「暮らしを止めないお金」だった

決定通知を見たとき、まず出てきたのは「やった」という気持ちではありませんでした。

どちらかというと、力が抜けました。

やっと少し息ができるかもしれない。

そんな感覚に近かったです。

年金額約63万円。

月に直すと、生活のすべてを支える金額ではありません。

でも、子育て中の家計にとっては大きいです。

食費。

子どもにかかるお金。

通院にかかるお金。

しんどい日の惣菜や外食。

赤字を少し埋めるお金。

そういうところに、少しだけ余白ができます。

お金があれば、うつ病が急によくなるわけではありません。

育児が急に楽になるわけでもありません。

それでも、「来月どうしよう」という不安が少し薄くなるだけで、家の空気が変わることがあります。

夫婦でお金の話をするときの緊張も、少し下がります。

私にとっての63万円は、得したお金ではありません。

暮らしを止めないためのお金でした。

手続きの入口で、すでに体力を使う

障害年金という制度そのものは、本当に大事なものだと思っています。

病気やけがで働き方に制限が出たとき、生活を支える仕組みがあることは大きいです。

ただ、実際に請求する側になってみると、手続きは軽くありませんでした。

年金事務所に相談する。

初診日を確認する。

病院に証明書をお願いする。

診断書を書いてもらう。

病歴・就労状況等申立書を書く。

書類の整合性を確認する。

提出書類をそろえる。

文字にすると淡々としています。

でも、うつ病で頭が回りにくい時期にこれをやると、一つひとつがかなり重いです。

電話を一本かけるだけで疲れます。

書類を読んでも、内容が頭に入ってこない日があります。

「ここを間違えたらどうしよう」と思うだけで、手が止まる日もあります。

必要としている人ほど、その手続きを進める体力が残っていない。

これは実際にやってみるまで、あまり実感できませんでした。

病歴を最初から書く、という指示の重さ

病歴・就労状況等申立書では、私の場合、平成28年からの経過を書く必要がありました。

平成28年に、過労や人間関係のストレスも重なって適応障害と診断されました。

その後、1年ほど休職し、復職できずに退職しました。

平成30年にはハローワークの職業訓練を受け、会計事務所で働き始めました。

なんとか働いていた時期もありました。

でも、令和5年に退職し、転職先を3か月で辞め、さらに再転職したあとに体調が大きく崩れました。

そこから、うつ病としての治療が続いていきました。

こう書くと、きれいな時系列に見えます。

でも、自分の中では、どれもあまり思い出したくない時期です。

休職したこと。

退職したこと。

働けると思って転職したけれど、続かなかったこと。

家族に支えてもらいながら、なんとか日々を過ごしていたこと。

それを制度の書類として、淡々と書かないといけない。

これは思った以上にしんどかったです。

過去の自分を責めるためではなく、制度につながるために必要な整理。

そう思うようにしていましたが、それでも心は削られました。

3万円は、元気なときの3万円とは違った

請求には、お金もかかりました。

診断書、証明書、交通費、郵送、コピー代。

私の場合、合わせると3万円近くになりました。

この3万円は、元気なときの3万円とは重さが違いました。

働き方が不安定で、家計の見通しも不安で、子どもにかかるお金もある。

その中で、受給できるかどうかまだ分からない手続きのために、先にお金を払う。

これはかなり勇気がいりました。

家計簿を見ながら、何度も考えました。

これで通らなかったらどうしよう。

このお金を子どものものに使った方がよかったのでは。

もっと早く相談しておけばよかったのでは。

もちろん、診断書には医師の時間と専門的な判断が必要です。

証明書も、ただで出るものではありません。

それは分かっています。

でも、請求する側からすると、「通るか分からないものに、先にお金を出す」感覚があります。

家計管理の目線で見ると、3万円は小さくありません。

暮らしを立て直すための入口として必要なお金だった。

今はそう思います。

でも、簡単に「払ってよかった」とだけは言えません。

正直、痛かったです。

申立書を書くのは「できなかったこと」を書く作業だった

病歴・就労状況等申立書を書くとき、一番難しかったのは、自分の状態を遠慮せずに書くことでした。

どんな症状があったのか。

仕事にどう影響したのか。

通勤でどれくらい疲れたのか。

家事や育児にどれくらい参加できなかったのか。

家族にどんな支援を受けていたのか。

こういうことを、できるだけ事実として書いていきます。

でも、自分のしんどさを書くのは、簡単ではありません。

大げさに見られたくない。

でも、軽く書きすぎると伝わらない。

家族に頼っていることを書くのも、少し申し訳ない。

そんな気持ちがありました。

特に「家事や育児は妻に大きく依存している」といった内容は、書いていて胸が痛みます。

できれば、自分でもやりたいです。

子どもの世話も、家のことも、もっと普通にできる父親でいたいです。

でも、制度の書類では、できているふりをしても意味がありません。

実際に困っていることを、生活の事実として書く必要があります。

自分を悪く見せるためではなく、今の状態を正しく伝えるため。

そう考え直して、少しずつ書いていきました。

「働いているのに請求していいのか」という迷いもあった

私の場合、障害認定日頃にはすでに働いていました。

ここも、かなり不安でした。

働いているなら、障害年金は難しいのではないか。

働けているのに、請求していいのだろうか。

そう考えてしまいました。

ただ、実際には「働いているかどうか」だけではなく、どのような配慮や制限の中で働いているかが大事になります。

私の場合は、障害者雇用枠で、在宅勤務、残業なし、通院への配慮などがある中で働いていました。

体調が悪い日は起床が難しく、遅刻や欠勤になることもありました。

仕事が終わると疲労が強く、帰宅後は横になるだけで、家事や育児にほとんど参加できない日もありました。

「働けている」という一言だけでは、その裏側は伝わりません。

だからこそ、診断書と申立書の内容が大きくずれないように、慎重に確認しました。

配慮があって成り立っている就労であること。

仕事以外の生活に大きな制限があること。

治療や通院が続いていること。

このあたりを、事実として書く必要がありました。

これから請求する人に伝えたいこと

もし今、障害年金の請求を考えている方がいたら、私は「絶対に請求した方がいい」とは言いません。

家庭の状況も、体調も、加入状況も、書類の事情も、人によって違うからです。

ただ、少しでも可能性があるなら、一人で抱え込まずに相談してみてもいいと思います。

年金事務所に聞く。

主治医に相談する。

自治体の相談窓口を探す。

必要なら社会保険労務士に相談する。

家族や信頼できる人に、書類整理を手伝ってもらう。

この手続きは、ひとりで根性で乗り切るものではないと思います。

今日は年金事務所の場所を調べるだけ。

今日は診断書の料金を聞くだけ。

今日は過去の病院名をメモするだけ。

今日は何もしないで休む。

それくらい小さく区切っていいと思います。

メンタル不調があると、書類を読むだけでも疲れます。

電話するだけで、一日分の体力を使うこともあります。

だから、進められない日があっても自然です。

止まっているように見えても、相談先を一つ確認できたなら、それも前進です。

まとめ

障害厚生年金63万を手に入れるために、時間と労力と3万を失った話。

こう書くと、少し強い言い方になります。

でも、実際には「失ったもの」と「支えられたもの」の両方がありました。

手続きには時間がかかりました。

書類を書くのはしんどかったです。

診断書代などの3万円も重かったです。

平成28年からの病歴を振り返る作業も、楽ではありませんでした。

それでも、その先に暮らしを支えるお金がありました。

家計に少し余白ができました。

夫婦でお金の話をするときの不安が少し減りました。

子どもと暮らす日々を、ほんの少しだけ落ち着いて見られるようになりました。

障害年金は、誰にでも簡単にすすめられるものではありません。

要件もありますし、審査もあります。

手続きが重いのも事実です。

でも、必要な人が制度につながることは、甘えではないと思います。

働き方が崩れる。

生活が不安定になる。

家計が苦しくなる。

それでも、子どもとの暮らしは続いていく。

そんなときに、使える制度を確認することは、自分と家族を守る行動の一つです。

もし今、同じような手続きの前で立ち止まっている方がいたら、どうか自分を責めすぎないでください。

一気に進めなくても大丈夫です。

まずは、相談先を一つ確認するだけでも十分です。

暮らしを守るために、制度を使っていい。

私は、今はそう思っています。

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