小泉今日子さんのこと
小泉今日子がデビュー40年でいろいろ記事になっている。
小泉今日子という人は、日本の文化史のうえで、たぶんすごく重要な人なのだが、全貌がとらえがたい。
そもそも、15歳でデビューして以来、ずっと話題になりつづけること自体がすごいし、「ママタレ」などにならず、所帯じみたところがない、「アイドル」の光彩を放ち続けているのがすごい。
しかし、小泉が「偉大」なのは、その部分ではない。
私は、世代的には「松田聖子世代」だ。小泉今日子より少し(4歳)上なのだが、この「少し」がかなりの差を生んでいる。
松田聖子は、歌手であり、アイドルだ。
だが、小泉今日子がそれ以上の存在であるのは、誰もが認めるのではないか。
彼女の本質は、アイドルでも歌手でもなく、プロデューサー的な部分なのだろうと私は思う。その部分が、まだかなり隠れている。
小泉今日子自身がこう言っている。
「もともと歌も上手じゃないし、容姿も平凡、この中途半端さだからこそ面白いことができたと思っていて。もっと私に歌唱力があったなら、私の世界はこんなに広がらなかった。」
「『こっち面白いよ!』って。そうやって教えてあげることで誰かの心の世界が広くなるのを見たい、というのがあるんです。私のことを好きになってくれるより、『キョンキョン、教えてくれてありがとう!』って言われるほうがずっとうれしい。」
小泉今日子は、事務所の独立で、そのプロデューサー的な部分をさらに伸ばしたいと思っているのだろう。
小泉今日子と「芸能界のドン」バーニング周防会長との関係。
小泉今日子と久世光彦との関係。
小泉今日子と、いとうせいこうや川勝正幸との関係。
そうした部分を含めて、小泉今日子は評されなければならないだろうが、一つ一つが大きなテーマになりそうだ。
いずれにせよ、彼女は現役タレントで、この40年の日本のエンターテイメントを、「闇」を含めて、深く体験してきた随一の人なのである。
そして、たぶん、今に続く日本のサブカルチャーの「発端」に位置し、それを牽引してきた功労者である。
たまたま仕事で彼女と一緒になったことがあったが、すごい大人物だと思った。(大物ぶっているという意味ではない。むしろ逆)
「男前」という定評だが、まさにその通りで、包容力があり、私より年下だけれど、私は圧倒される思いだった。
あとで考えれば、それは当然で、普通の人間とは、人生経験の量と質が違う。経験だけでなく、生来の「男らしさ」があり、長いものに巻かれないタイプだ。
私が目撃した、彼女の唯一の欠点は、喫煙者であることだ。
いまは知らないが、願わくば本数を減らして、長生きしてもらい、80歳になる前に、ポール・マッカートニーのように「自伝」を書いてほしいと思う。
