【Netflix】「バッド・バディーズ」多文化共生社会の治安維持を面白く見せるコメディ
【概要】
バッド・バディーズ ~最強の? ふたり~
原題 Bad Boa's
英題 Almost Cops
2025
16+
コメディ
熱血すぎる特別執行官と向こう見ずな元刑事。そんなふたりが不本意ながらもコンビを組むことになったとき、ロッテルダムの街に大混乱が巻き起こる!
出演: ジャンディノ・アスポラート、ヴェルナー・コルフ、フロランス・フォス・ヴェーダ
(Netflix公式サイトより)
予告編(オランダ語)
【評価】
(ネタバレなし)
7月11日に世界公開されたオランダ産のNetflixオリジナル映画。
ハリウッドのバディムービーのパロディであり、昔ながらのヨーロッパのコメディ映画のよさを残している。私はイタリア1970年代のバッド・スペンサー&テレンス・ヒルのコメディシリーズを思い出した。
アクション映画としてはぬるいけど、センスとテンポのよさで面白く見せる。100点満点で75点。
この映画は、多文化共生社会で、治安をどのように守るか、警察の役割がどうなるか、教えてくれるのが面白い。
オランダには行ったことがない。背の高い白人ばかりがいる国だろうと思ったら、この映画を見ると全然ちがう。
主人公は黒人だし、トルコからの移民、ポーランドからの移民、ムスリム、東洋人などがごちゃ混ぜになって、「背の高い白人」なんてほとんどいない。
今はヨーロッパは、どこもこんな感じらしい。オランダもこんなになっちゃったんだなあ、と思った。
そんな社会で治安を守るため活躍してるのが、この映画の主人公である「CSO」だ。
クラシックファンにとってCSOはシカゴ交響楽団だが、ここでは「コミュニティ・サポート・オフィサー」のこと。
映画の字幕では「特別執行官」と訳されている。
日本語の定訳はないのではなかろうか。日本にはいない、特別な警察官だ。
まあ、警察権のある民生委員、みたいな感じ。
オランダ語ではBOAという。ボーアと発音しているようだ。K-PopのBoAではない。「特別捜査官 Buitengewoon Opsporingsambtenaar」の略語。
この映画の原題は、BAD BOA’Sーーつまり、「あぶない特別捜査官たち」。
「特別」と付くとかっこいいが、警察組織の中では最弱の部隊である。
英語題は「Almost Cops」、つまり「警官もどき」。
警察組織の一員で、制服は着ているが、銃器は持っていない(ギリギリ催涙スプレーは持っている)。
彼らの制服には「HANDHAVING」と書かれている。
「HANDHAVING」とは何か、googleのAIに聞くと、
「ハンドヘイビング」とは、オランダにおける民間執行官のことです。彼らは地方自治体の法律や規則の執行を担当しており、他の国の法の執行官や民間執行官に似ていますが、国家警察とは異なります。彼らは特徴的な青い制服を着て公共の場で活動し、違法駐車、公共の迷惑行為、その他の地方条例違反などの問題に対処しています。
"Handhaving" refers to civil enforcement officers in the Netherlands who are responsible for enforcing municipal laws and regulations, similar to code enforcement or civil enforcement officers in other countries, and are distinct from the national police. They are visible in public spaces in distinctive blue uniforms and address issues like illegal parking, public nuisance, and other violations of local ordinances.
この映画で見るところ、その主な仕事は、散歩中の犬が不当に落としたウンチの処理である。
もちろんそれは映画的な誇張だが、警察の中でも、また市民にも、なんとなくバカにされているのが分かる。
その警察最弱のCSO(BOA)たちが、ロッテルダム最悪の麻薬組織に挑んで、警察本隊の鼻をあかす、というのが、このコメディの大まかな筋だ。
この「CSO」という特別な警察官制度は、2000年ごろにイギリスで導入され、その後、ヨーロッパやオーストラリア、カナダにも広がっているらしい。国によって、その役割や歴史はさまざまだが、移民の増加による多文化社会の治安維持に貢献しているのは間違いなさそうだ。
CSOと多文化社会との関係をGoogleのAIに聞いたところ、こう答えてくれた。
コミュニティ・サポート・オフィサー(PCSO)は、多文化環境において、多様なコミュニティと関わり、安心感を与え、地域の懸念事項に対処することで重要な役割を果たします。こうした役割には、文化の違いを認識し、対処すること、他の文化について学ぶこと、そして多様なコミュニケーションスタイルに配慮することが含まれます。
多文化環境におけるPCSOの主な役割:
コミュニティ・エンゲージメント:
PCSOは、「レッドタイム」パトロール、「意見を述べる」イベント、コミュニティセンターへの訪問などを通じて、様々なコミュニティのメンバーと定期的に交流し、関係を構築し、目に見える安心感を与える存在となります。
文化的感受性:
多文化環境において、PCSOは、多様なコミュニケーションスタイルや規範を含む文化の違いを認識し、適切に対応することで、効果的に信頼関係を築き、支援を提供する必要があります。
情報収集:
PCSOは、住民や企業と関わることで、多様なコミュニティ内で発生する可能性のある地域の問題や懸念事項に関する貴重な情報を収集します。
予防措置:
PCSOは、問題が深刻化する前に対処し、犯罪に関するアドバイスを提供し、異なる文化グループとのオープンなコミュニケーションチャネルを促進します。
連携:PCSOは宣誓警察官に比べて警察権限が限られていますが、警察官と協力して地域の安全確保の取り組みを支援し、完全な警察権限を必要としない問題に対処します。
Community Support Officers (PCSOs) play a vital role in multicultural environments by engaging with diverse communities, providing reassurance, and addressing local concerns, which often involves recognizing and managing cultural differences, learning about other cultures, and being mindful of varied communication styles.
Key roles of PCSOs in multicultural environments:
Community Engagement:
PCSOs regularly interact with various community members through "red time" patrols, "have your say" events, and visits to community centers, building relationships and providing a visible, reassuring presence.
Cultural Sensitivity:
In a multicultural setting, PCSOs need to be aware of and navigate cultural differences, including diverse communication styles and norms, to effectively build trust and provide support.
Intelligence Gathering:
By engaging with residents and businesses, PCSOs gather valuable information about local issues and concerns that may arise within diverse communities.
Preventative Measures:
PCSOs can address issues before they escalate, offering crime advice and fostering open communication channels with different cultural groups.
Collaboration:
While PCSOs have limited police powers compared to sworn officers, they work alongside police officers to support community safety initiatives and address matters that may not require full police authority.
この映画を見ても、その役割がよくわかる。
地域の不良たちと仲良くなり、彼らの相談相手となり、犯罪のきざしが見えたら地域の警察に報告する。
「怖くない警察官」として、多文化社会に入り込み、犯罪を未然に防ぐことに貢献しているようだ。
いまの日本で、地域の民生委員や、ボランティアの自警団、一部のNPOがやっているような仕事を、警察の仕事として制度化したものに見える。
日本でも、もうすぐこんな仕事が必要になるだろう。
この映画は、CSOの仕事を通じて、多文化共生社会の温かさや喜びを描いている。
多文化社会も悪くないな、と思わせる。
そううまくいけばいいのだが、と思う。
<参考>
WikipediaでのオランダのCSOについての解説
オランダには、地方自治体のSEO(特別執行官)がいます。彼らは、特定の法律事項に関して警察を支援します。彼らは、都市の条例検査官、駐車違反取り締まり官、公共交通機関、または環境部門で勤務する場合があります。これらの警察官は、人々を拘留したり、罰金を科したり、逮捕時に武力を行使したりするなどの警察権限を持っています。ほとんどの自治体は警察官に手錠を発行し、都市によっては警棒も警察官の装備の一部になっています。いくつかの都市では、警察官が催涙スプレーを携帯して使用することが許可されています。追加の教育を受け、銃器を携帯するSEOがいる都市はわずかで、これらの警察官は主に森林などの密集した地域で雇用されています。SEO(オランダ語ではBOA)は公務員の地位を持ち、警備員のように制服を着た民間人ではありません。2014年までは、各自治体が任意の制服を使用できました。中には、山高帽と黒のストライプが入った青いズボンという、警察の制服そのものを着用している自治体もありました。2015年からは、法務省が自治体警察専用の制服を制定しました。ポロシャツ、作業ズボン、野球帽、ソフトシェルジャケットで構成され、シャツと帽子にチェック柄のバンドが付いたスペインの自治体警察の制服を参考にしています。
オランダ警察には警察ボランティアもおり、行政職員と実務職員の2つのカテゴリーに分かれています。実務職員は、階級、制服、武器は正規の警察官と同じです。給与以外に、両者の間に実質的な違いはありません。
In The Netherlands, there are municipal SEOs (Special enforcement officers). These assist the police on certain pieces of the law. They could be working in cities as municipal code inspectors, parking enforcement, public transport or in environmental departments. These officers have police powers like detaining people, issue fines and use force when arresting a person. Most municipalities issue handcuffs to the officers, in some cities also police batons are a part of the officers equipment. In a few cities officers are allowed to carry and use pepper spray. Only a few cities have SEOs with additional schooling carrying a firearm, these officers a mostly employed in dense areas like forests. A SEO (or BOA in Dutch) has the status of civil servant and is not a uniformed civilian unlike security guards. Until 2014 every municipality could use a uniform of their choice, some wear exact police uniforms with peaked caps and blue trousers with black striping. From 2015 the justice ministry created a uniform specially for municipal enforcement. This consists of a polo shirt, worker trousers, baseball cap and soft-shell jackets and were inspired by the Spanish municipal police uniforms with checkers bands on shirts and hats.
The Dutch police also knows police volunteers, these are divided in two categories; administrative and operational. Operational officers have the same rank, uniform and weapons as regular police officers. There is practically no difference between them, besides their payment.

