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【追悼】ジェフ・ベックについての正直な記憶

ジェフ・ベックが亡くなった。

「最高のロックギタリスト」といった賛辞は世界中で沸き起こるだろうから、ここでは個人的な正直な記憶を書いておこう。

子供の頃から、私はいわゆる3大ギタリストの中でも断然ジェフ・ベックが好きで、明確な「ベック派」だった。

今の若者は「退屈なギータソロ」を早送りして音楽を聴くそうだが、私も若い頃からそうだった。クラプトンですら退屈だと思っていた。でもジェフ・ベックだけは退屈でないソロを弾く人だと思っていた。

ヤードバーズでもジェフ・ベックだけを聴き、第一次ジャフ・ベック・グループ、第二次ジェフ・ベック・グループ、BBA・・

「ギター殺人者の凱旋」という邦題で出た「ブロー・バイ・ブロー」(1975)は、特に念入りに聴いた。

そして、次の「ワイアード」(1976)は、聴いたとは思うが、まったく面白くなく、そこで憑き物が落ちたように、それ以降のはまったく聴いていない。

いま振り返ってもよくわからない。

ロック自体をそれほど聴かなくなったということはあるが、まったく聴かなくなったわけではない。しかし、ジェフ・ベックはまったく聴かなくなった。

ブルースロック、ハードロック、フュージョン、とその時点まででも音楽の方向性がコロコロ変わって疲れた、ということはあるかもしれない。

結局この人は何をやりたいのか、わからなくなった。それに、どんどん、私の好きなジェフ・ベックから離れていった。

その後、1989年の来日公演にたまたま行ったのだが、まったくピンと来ず、ほとんど何も覚えていない。

時は流れ、アーノルド・シュワルツェネッガーが出た2013年の映画「ラスト・スタンド」に、「I Ain't Superstitious(迷信嫌い)」が使われていて、

「わ! 懐かしい!」

と感動した。

ただし、演奏はサンタナだ。サンタナだが、ほぼジェフ・ベックグループをコピーしたような演奏だった。

サンタナ、さすがだ、わかってるなあ、と思って、そのサンタナのCD (「GUITAR HEAVEN」)を買ったくらいである。

私は結局、この曲が入っている、ジェフ・ベックの最初のソログループアルバム「トゥルース」(1968)がいちばん好きだ。

昨日は、ジェフ・べックの死去を知って、一日中頭の中で、ジェフ・べックとサンタナが競演する(そしてロッド・スチュアートとジョニー・ラングが交代で歌う)「迷信嫌い」が鳴り響いた。

ジェフ・ベックのように生涯にわたって活躍した人に、いちばん最初のがいちばん好きと言うのは、気の毒な気もするが、まあ私の言うことなど天国のベックが気にするはずはない。

何かやりたい音楽が明確にあるというより、とにかくその都度気持ちよくギターを弾いていたい、という感じのする人で、とにかくいつも楽しそうに弾いているイメージだけはある。あんまりペラペラ喋るところも見たことない。生涯ギター小僧という感じ。

ミュージシャンである以前にギタリストであるような人がいるとすれば、まさに彼がそうだったろうね。

ご冥福を。



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