【YouTube】「大怪獣ガメラ」尊敬するけど好きではない
2週間限定(1月5日まで)で公開されているガメラ第1作。
大怪獣ガメラ(角川シネマコレクション)
私はこれ、初めて見ました。
いやー、死ぬまでに見られてよかったです。
私のような60代の老人、1960年代生まれでも、この1965年の映画を見た人と、見ていない人がいると思う。
若い人には、ゴジラもガメラも一緒だろうが、われわれにとってはちがう。
ゴジラは、1950年代の怪獣。われわれの世代は、当然「ゴジラ」(1954)、「ゴジラの逆襲」(1955)なんかは封切で見ていない。だから、いまでもゴジラは、ひと世代前の怪獣だ、という感覚がある。
でも、大映の「ガメラ」は、まさにわれわれ1960年代生まれの怪獣です。
それでも、1965年の第1作に間に合ったか、間に合わなかった、で分かれる。
私は、1966年の第2作「ガメラ対バルゴン」から劇場で見ました。それが、私が生まれて初めて見た劇場映画です。
第2作からがカラー。第1作は白黒で、わずか1年の差なのに、だいぶ印象がちがう。
立派だけど子供向け
この第1作、いま見ても、力がこもった映画ですね。
「子供だましと言わせない」という、当時の映画人の誇りと意地を感じる。
映画館のスクリーンで見たら、ガメラの迫力はすごかったでしょう。怪獣を「大きく」撮る特撮技術がこのときから見事で、同時代のアメリカを完全に抜き去っていると思う。
いまに続く「KAIJYU」映画隆盛の原点を見る思いです。
でも、話が、子供向けなんですね。
怪獣映画だから子供向けなのは当たり前、と思われるかもしれないけど、そんなことはない。
私が見た「ガメラ対バルゴン」は、もっと大人っぽい映画でした。
しかも、同時上映が「大魔神」という、ダイナマイト級の2本立て。
どちらも、すごい悪人が出てきて、「怪物」に残酷に殺される。勧善懲悪の超リアリズムでした。
それを、大スクリーンで、生まれて初めて見るカラー映像で見せられた子供は、それは度肝を抜かれたわけです。
このガメラ第1作には、悪人は出てこない。凶暴なのはガメラだけだけど、その凶暴さも話のなかに生かされていない。
自衛隊がきっちり仕事して、アメリカとソ連が協力して、めでたしめでたし、という。
当時は「文部省選定」みたいなラベルが効力を持っていました。この映画がそうだったかは知らないけど、これなら文部省も日教組も文句なしでしょう。当時の「ポリコレ」みたいなものに合格する。
いろいろ資料を見ると、当時の怪獣映画の制作陣は、「子供向けにするか」「もっと大人向けにするか」で、揺れていたみたいですね。
いま振り返ると、「ガメラ対バルゴン」みたいな大人っぽい怪獣映画は例外で、以後はガメラも、ゴジラも、子供っぽい路線に向かいました。
でも、私は1960年代の怪獣映画をいろいろ見たけど、結局「ガメラ対バルゴン」を超えるものはなかった。
私は子供っぽいのが嫌いだったんですね。子供のころから。
1966年から始まった「ウルトラQ」は、大人っぽい雰囲気で好きだったけど、「ウルトラマン」になって、どんどん子供っぽくなって、嫌いになり、見なくなった。子供なのに。
ゴジラシリーズも、「ミニラ」なんてのが出てきてから、もうまったく見なくなった。
大人になり、老人になったいまも同じ。だから、この「ガメラ」第1作も、尊敬するけど、子供っぽいところが好きではない。
全体として、日本のエンターテイメントは、怪獣映画、サブカルふくめ、子供っぽい路線をきわめていって、いまに至る、という感じではないでしょうか。
私は気に食わないけど、それで大成功しているのだから、仕方ありません。
ちなみに、私が「ガメラ対バルゴン」「大魔神」の次に見た「大人っぽい映画」は、テレビで見たキューブリックの「博士の異常な愛情」(1964)でした。
結局、私が10歳までに見た映画で、心に残ったのは、その3作でありました。
ガメラと川崎市
余談だけど、最後のほうで、わが川崎市が舞台となる。川崎市がガメラ退治に貢献します。
これは知りませんでした。
川崎港から、伊豆大島まで、ガメラを誘導していくんですね。
思わず地図帳を確認しました。そりゃ、無理な設定だろう。
でも、2024年は、川崎市「市制100年」の記念の年。
期せずして、それを祝うような映画公開になっています。
<参考>
