女かタイ風 #毎週ショートショートnote 裏
今日の君は、なんだか少し、いつもより甘い。
僕を甘さでやわらげたと思った途端に、「キミはそういう所が」って口を酸っぱくする。まいったな。
君の甘さに溶けてしまおうと思ったのに。
ただ甘いだけじゃない君に、僕はいつも困惑しながら魅了されてしまう。こんな複雑な気持ちにさせられるなんて……君は、いつも奥深さがあるね。
君のまとっている香りが、ふわりと僕の鼻をくすぐる。
独特な、フレッシュで、異国を感じさせる香り。最初は慣れなかったけど、慣れてしまったら、もう忘れられない。
癖になるその香りを、もう一度、いや何度でも求めてしまう僕がいる。
僕は君に口付ける。静かに心が燃えるような感覚を覚える。体までもが反応して、じわりと汗がにじむ。
こんなに熱い思いを、僕がまだ味わえるなんて……君はどこまでも、僕を魅了し続けるんだね。
「ご馳走様でした、美味しかったです、トムヤムクン」
「アナタ、トムヤムクンすきだネー。またきてネ」
僕は、馴染みのタイ料理屋をあとにした。
※419文字
裏お題「女か、タイ風」で書かせていただきました🙇♀️
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!