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研究職×妊娠×育児の現実─妊娠前に知っておきたかったこと

「女性が働きやすい時代」は進んでも変わらない問題もある

「女性も働きやすい時代になった」と、よく言われるようになりました。

育児休業給付金により、育休中も一定の収入が得られることはありがたいですし、男性の育休取得が進んだことにより、女性の負担が軽くなっていると思います。
職場でも看護休暇や時短勤務を導入しているところも増えています。

制度や言葉は少しずつ整ってきていて、昔に比べれば働きやすくなったんだと思います。

それでも、
研究開発職として働く中で、制度が増えても消えない問題もあると感じてきました。
研究職×妊娠×育児という立場で、
私自身が直面したリアルな現実をお伝えしたいと思います。



女性研究者として直面したリアルな現実

・つわり

妊娠が分かった直後、重いつわりが始まりました。
最初の約1ヵ月半は仕事を休み、
その後もさらに1ヵ月半ほど体調不良が続きました。

つわりで特につらかったことをざっと挙げるとこんな感じです。

① 妊娠がわかった直後に始まることが多く、仕事の引継ぎができない
② 安定期に入る前なので、本当は妊娠を公表したくないが、
  仕事がままならなくなるので伝えざるを得ない
③ つわりが軽い人と重い人の差が激しく、周りに理解されにくい
④ とにかく長い(2~3ヵ月続くのが普通)
⑤ 仕事も休んでいるのに家事もできず、家族にも負担をかける
⑥ 総じて胃腸炎の100倍くらいつらい(個人の感想です)

職場の先輩たちはつわりが軽く、つわりでも通常通り勤務していました。
「他の人はつわりでも働いているのに…」と、自分だけが弱いのではないかと落ち込むこともありました。

どんなウイルスに感染しても、長くても2週間ほどで回復します。
それ以上休むと、周りから不思議に思われている気がして、さらに気持ちが沈みました。

仕事を休んでいるのに家事もできず、夫に負担がかかり、
申し訳なさと理解してもらえないつらさで、
心もいっぱいいっぱいでした。

つわりには、主に次の3つの症状があります。

においづわり:匂いが無理になる
食べづわり:お腹がすくと気持ち悪くなる
吐きづわり:食べると吐いてしまう

先日、胃腸炎に感染したのですが、
胃腸炎は吐きづわりと症状が似ているなと思いました。

ただ、胃腸炎の場合は何も食べなければ吐かない。
(水分だけとっていれば、無理に食べる必要ない)
一方で、つわりはお腹がすくと気持ち悪くなる「食べづわり」もあるため、
吐くかもしれない恐怖があっても何かを食べなければなりません。
それに加えて、あらゆる匂いで気持ち悪くなる「においづわり」もあります。

胃腸炎は数日で治りますが、つわりは何ヵ月も続きます。
個人的にはつわりは、胃腸炎の100倍つらかったです。。。

私の会社ではつわり休暇を14日取得できました。
それでも、3ヵ月ほど続いたつわりには全く足りませんでした。

私は特別に在宅勤務をOKにしてもらいましたが、
実験することがメインの研究職の仕事は、家でやるのは難しく、
論文や特許を読んだり、資料作成のサポートをしたりする程度で、
肩身が狭い思いで過ごしました。
(コロナ禍でオンラインの打ち合わせが増えていたことは
ラッキーでした。)

出産の大変さはみんなに理解されているのに、
つわりの大変さはあまり理解されていないのが現実です。

出産は産休に入っているので職場を気を遣わずに済みます。
その点も含め、私は「つわりの方が精神的につらかった」と感じています。

・保育園の洗礼

育休が終わり、職場復帰した後も悩みはつきません。

保育園に通い始めた子どもはとにかく風邪をもらいます。
最初の3ヵ月ほどは突然仕事を休むことが、何度もありました。

実験装置は予約制なので、
急に日程を変更しようとしても空いてない!なんてこともしばしば。
それでも、成果を出すことが仕事なので、実験をしなければ
何も評価されません。

1年以上の空いたキャリアを取り戻すことも大変なのに、
思い通りにいかないことにもどかしさがありました。

さらに大変なのは、
子どもから自分に風邪がうつることです。
子どもは体調が悪いときほどくっつきたがるし、
小さい子どもはマスクをすることもできないし、
鼻水を自分でかむこともできないし、
ごはんも「ママのが食べたい」とママの食べ物に手を出すし、
ウイルスがうつらないようにするのは、本当に難しい。。

子どもの体調不良は保育園を休まないといけないので、
仕事を休んでも仕方ないと思えますが、
自分の体調不良で何度も休むのはなぜか罪悪感を感じてしまいます。

年度初めにこんなに休んでいたら、
有休がなくなるのではという焦りもありました。
職場復帰直後は体調不良でも無理して出社してしまい、
結局40℃発熱して、何日も休む羽目になったこともあります。

・突然始まった夜泣きの日々

子どもが1歳半になった頃、頻繁に夜泣きをするようになりました。
保育園に通い始めてしばらく経った頃によくあることのようで、
夜驚症」という名前もついています。
子どもは日中の刺激を夜寝ているときに消化しますが、
日中の刺激が強すぎて、寝ているときに消化できず、驚いて泣いてしまうそうです。

泣き方がとにかく激しく、何かに取りつかれたんだろうか?と思うほどで、抱っこしても泣き止みませんでした。
公園で遊ぶのが好きだった我が子は、
まだうまく言葉で思いを伝えられない中で、
「あっち!あっち!!」と外を指差し、外に出るまで泣き続けました。

アパート暮らしため、夜中に大泣きすることは
お隣さんに迷惑になっていないか、とても焦ります。
それが、外に出てあやさなければならないとなると、
今度はご近所全体に迷惑がかかります。

以前、同じアパートの人が夜中に子どもを外であやしていて、
「外だとちょっとうるさいから、中であやしてほしいなあ、、」
と思っていた自分を反省しています。
中だと泣き止まないこともあるんです。

ほぼ毎日、1時間半くらいかけてようやく寝かしつける日々でした。
これが3ヵ月続きました。

夜中に1度目が覚めてしまうと、なかなか眠れなくなる私は、
結局2~3時間しか眠れないまま仕事をした日もあります。
仕事中ぼーっとしてしまい、ミスをして先輩に怒られたこともありました。

・妊娠と仕事

2人目の妊娠もゆくゆくは考えていますが、いくつも懸念点が出てきます。

研究職の現場では、体に良くない薬品を使うことも少なくありません。
実際、私の職場で当たり前に使われている薬品の中にも、
妊娠初期に胎児への影響が出る可能性があるものもあります。
(会社で調べてくれるものではないので、自分で調べました。)

また、材料系の研究開発職は、体力も必要です。
試作があれば20kg以上の重いものを持つ場面も多くありますし、
3~4時間立ちっぱなしで作業することもあります。
誰かにお願いすることもできますが、みんなが忙しい中で、
何もかも頼み続けるのは、心が疲弊します。

1人目の妊娠のときは、
長時間かけて電車で出社しなければならなかったこともあり、
特別に在宅勤務で働いていましたが、
現在は家の近くの部署に異動したため、
出社して実験することは避けるわけにはいきません。

制度だけでは埋まらない「現実」がある

妊娠や育児は、経験してみないと分からない大変さがあまりにも多いです。

正直な話、
自分が子育てする立場になるまで、
保育園からの呼び出しで早退する職場の先輩を見ながら、
早く帰れることを、どこか羨ましいと思ってしまっていた自分もいました。
自分が子育てする立場になり、
仕事と同じくらい育児も大変と実感しています。
むしろ育児の方が大変と思うことの方が多いです。

自分もこの立場になるまで、大変さを理解できなかったから、
周りに理解してもらうことは本当に難しいと感じています。

この文章を読んで、
「自分だけじゃない」と思っていただけたら嬉しいです。

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