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起業日記 #23: プライシング

コンペの結果を受けて、改めて事業計画を見直しています。
今日は、プライシング (価格設定) について、考えていることをご紹介してみたいと思います。




教科書的な手法

プライシングには、いくつかの基本的なアプローチがあります。

コストベースは、原価に利益を上乗せする方法です。
計算しやすく、利益を確保できる一方で、顧客にとっての価値とは無関係に価格が決まってしまいます。

競合ベースは、同業他社の価格を参考にする方法です。
市場での受け入れられやすさは期待できますが、差別化が困難で、価格競争に陥りやすくなります。

バリューベースは、顧客にとっての価値 (バリュー) を基準にする方法です。
理論的には最も合理的ですが、価値の測定と数値化が非常に困難です。

プロダクトビジネスの場合

私には「できるだけ多くの人に価値を届けたい」という想いがあります。

そうすると、自然に薄利多売の方向性になります。
一人当たりの利益は少なくても、利用者が多ければ事業として成立する。
そんな設計を考えたいのです。

具体的には、スマホアプリ型のサービスとして、プロダクトビジネスを想定しています。
個別のコンサルティングや受託開発ではなく、既製のソフトウェアを多くの人に使ってもらう形態です。

プロダクトビジネスの場合、規模の経済を前提とした価格設定が不可欠です。
開発コストは利用者数に関係なく発生しますが、運用コストは利用者が増えても比例的には増加しません。
つまり、利用者が少ない段階での価格設定では、事業として成立する価格帯を見積もることができないのです。

さらに、薄利多売には別の問題もあります。
営業や商談にかかるコミュニケーションコストです。
一件あたりの利益が少ないのに、一件ごとに大きな営業コストをかけていては、事業として成り立ちません。

ボリュームディスカウントの設計

この問題に対する定石の一つが、ボリュームディスカウントです。

個人契約ではなく、団体契約を前提にする。
そうすれば、一度の商談で多くの利用者を獲得でき、一人当たりの営業コストを大幅に削減できます。

事業規模の見当をつけるため、まずは机上で試算してみました。
ボリュームディスカウントの価格設定には、規模拡大によるコスト削減効果を織り込む必要があるからです。
もちろん、実際の顧客インタビューも並行して進める予定ですが、どの程度の価格帯で検討すべきか、あたりをつけておく必要があります。

参考にしたのは、製造業でよく知られるライト・カーブ (学習曲線効果) の考え方です。
生産量が増えるにつれて、単位当たりのコストが下がっていく現象です。

例えば、航空機製造では累積生産量が2倍になると単価が15-25%減少し、半導体産業では生産量が2倍になると単価が約30%減少するとされています。

私の場合は、規模が2倍になると単価が約10%減少する程度で見積もってみました。
製造業の実績と比べると控えめですが、異なる業界の数値をそのまま適用するリスクを考慮した設定です。


これでいったん事業計画の試算に必要な価格モデルが固まりました。
これをベースに事業計画の精査を進めるとともに、顧客ヒアリングを通じて価格受容性を確認していく予定です。


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