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One175と武尊vsロッタンを巡る違和感

私は、日本の格闘技シーン、特にキックボクシングでよく見られる「海外選手に負けたら、勝つまで何度もやる」流れが、正直あまり好きではありません。

RISEの原口健飛がペットパノムルン・キャットムーカオと3度戦ったり、海人がティジャニ・ベズタティに負けた後、ペットモラコット、エンリコ・ケールと、ほぼダイレクトリマッチのような間隔で試合を組まれたり。

その短期間で、いったい何が変わるのだろう?と、どうしても思ってしまいます。

しかも、そうした再戦が薄氷の判定で、日本開催でなければ勝ちにはならなかったのでは?という内容だった場合でも、大きく喜び、すぐに「世界」を口にする。
この“いき急いでいる感じ”が、私はどうにも苦手です。


それに近い印象を、ONEでは武尊に感じています。

以前も書きましたが、ロッタンを執拗に追い続ける姿は、率直に言って少し粘着質に見えます。

個人的な想像ですが、もし天心選手がボクシングで目的を達成し、万が一キックに戻ってくるようなことがあれば、武尊は引退を撤回して戻ってくるのではないか。そんな気すらしています。

それが良いか悪いかは別として。


今回、気になったのは大会スケジュールです。
ONE175は4月29日、有明アリーナで開催されると、ONE173で発表されました。
しかしその前に、4月2日にONE174が行われることも同時に発表されています。

どちらも開催まで約3ヶ月。
ONE174に至っては、76日ほどしかありません。

それにも関わらず、現時点でカードは1試合も発表されていません。

個人的には、ONE175は武尊の引退発表に合わせて、後付けで作られた大会という印象がどうしても強いです。
なぜなら、ナンバーシリーズが同じ月に2回開催されることは、基本的にないからです。
(100回大会の二部制は例外として)


ONE173では、計量後の体調不良で入院していたロッタンがリングに上がり、武尊とファイティングポーズを取る演出がありました。
会場は大いに盛り上がり、多くのファンが「次は再戦だ」と期待したと思います。

ONE173でのリング上で

普通に考えれば、ONEはロッタンにオファーを出し、試合をまとめに行っているはず。
そう思うのが自然です。

ところが、ロッタンは「ONEフライデーファイツ137のバックステージ」で、バンコク・ポスト紙に対し、
「ONEチャンピオンシップの決定権者から、いかなる提案も受けていない」
「何もサインしていないし、何も提示されていない」
と語ったと報じられました。

これを聞いて、「ロッタンは再戦を渋っているのでは?」という声が出るのも、無理はないと思います。

ただ、私はこの発言を、単純な拒否だとは見ていません。

現在、ONEのフライ級ムエタイのランキングは未掲載ですが、昨年は王者が空位でした。
ロッタンの立場からすれば、契約交渉を有利に進めるためにも、ベルトは持っておきたい。
それはごく自然な感覚だと思います。

ベルトがなければ「王者ではない」という理由で、ギャラを値切られる。
これは格闘技に限らず、どの世界でも同じです。

実際、非公式な情報ではありますが、ONEアンバサダーであるNicky NachatのYouTubeではノンオー戦のギャラは約300万バーツだったと語られています。
一方で、武尊との初戦では、本人が札束を並べて語っていた通り、約1500万バーツ。

タイ人らしい

5分の1です。

ロッタンはノンオーを非常に尊敬しており、公式インタビューでも「できればやりたくない」と話していました。
そのため、ギャラ交渉も強くはしなかったのかもしれません。

結果としてノンオーが計量オーバーし、ロッタンはギリギリでクリア。
それでもロッタンは、試合をしない選択をしました。
私は、これもロッタン自身の意思だったと思っています。

ONEアンバサダーであるNicky NachatのYouTubeでは、ノンオーのギャラの話と同時に、武尊との再戦についても触れられていました。
その中では、「やってもいい」というニュアンスで語られていたように思います。

Nicky NachatのYouTubeより

それを踏まえると、
「試合自体を拒否しているわけではない」
ただし、
「条件が合えば」
という状態なのだろうと感じます。

だからこそ、ファイトマネー交渉が難航し、下手をすれば、決まらない可能性すらある。
私はそう見ています。

さらに言えば、状況はONE側にとっても楽ではありません。

野杁は敗戦直後。
タワンチャイは怪我。
スーパーボンやスーパーレックが、この短期間で日本大会のオファーを受けるのか?と考えると、正直、現実的ではない。

その結果、ONEは「武尊vsロッタン」というカードに、期待も演出も、すべてを載せてしまった。

でも、肝心の契約はまとまっていない。これは、少し勇み足だったのではないか。そう感じています。

日本の格闘技には、勢いや物語を大切にする文化があります。
それ自体を否定するつもりはありません。

ただ、世界基準で見たとき、焦って物語を先に走らせると、交渉や現実が追いつかなくなる。ロッタンは、そのことをよく分かっている。ONEは、今回は少し見誤った。そんなふうに、私は見ています。

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