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言うだけやったら、誰でもできんね。

口で弓射つヤツやら、タダなら何でも使うアーチャーは、履いて捨てるほどいます。っあ、すいません。健常者の話です。写真は1971年ヨーク世界選手権のメンバー、前田栄一郎さん。日本アーチェリー黎明期の最強メンバーの一人です。

阿佐ヶ谷の前田邸に試合の時だったと思いますが、泊めてもらったことがあります。案内された2階の畳の部屋でゴロゴロしていて、ふと横を見ると部屋の隅に、枕にちょうどいい柱を切ったような木が転がってるんです。「これなんですかぁ?」と聞くと、「かめい君、それはローズウッド。」と言うのです。「ぇ、ハンドルの?」というと、押入れの中から何やら持ってきて、「これがカエデで、これがゴードンのグラスファイバー。」。「エェ、弓作れますやん!」と言うと、どこからともなく接着の基本みたいな本を持ってきて、「〇番と▽番のグラスを張り合わせると40ポンドのリムになるんだよ。」と教えてくれました。FRPは海外から、木は東京のどこかに探しに行って買ってきたと言ってました。
前田さんは体格的に決して大きくはないのですが、だからこそ自分のリーチにあった弓を考えていました。

前田さんがローズウッドの
1枚板から作ってくれたグリップ

あれがいい、これはダメ。こんなのが欲しい、あんなのがあれば。というアーチャーはたくさんいます。しかし、言うだけなら簡単です。作りもせずに、使いもせずに言うのは誰にでもできます。ゴタゴタ言う前に、作ってみろや! 言うはやすし、西川きよし。言うだけやったら誰でもできんね。自分で作ることが凄いね。別にうまいこといかんでもええね。作ってみてから言うてみいや。口で弓射つのは誰でもできんにゃから。

1969年バレーフォージ世界選手権
に大阪万博の飛行機で
右から2番目が前田さん

1973年7月20日、初めての世界選手権に出発の時、前田さんがわざわざ羽田空港まで「黄色い花束」を持って、見送りに来てくれました。なんで、と聞くと、「かめい君が黄色にたくさん当たるように」と「また次の人にそうしてあげたらいいよ」と言うのです。
3回くらいは出発の時に、黄色いバラの花束を持って見送りに行きました。


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亀井 孝のアーチェリーノート 貧しいアーチャーです。点数はお金で買えませんが、もしこの記事があなたのアーチェリーに幸運をもたらすと思われたら、チップをお送りください。 きっとあなたのアーチェリー人生は、素敵なものとなるでしょう。