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無礼者、だれの矢ぁや思てんねん。

もし、試合中にグランドクイーバーに置いてあるあなたの弓を、他人が勝手に持ち上げて引いたとしたら、どうしますか?
まさか、あなたが他人の弓に対して、そんな無礼なことはしないとは思います。

にもかかわらず、「的面の矢」に対しては無礼がまかり通る世の中なのです。こんな非常識で無神経な行動が当たり前のように行われ、それが容認されてしまう雰囲気が、日本のアーチェリー界には根付いてしまったようです。
これは悲しいと同時に注意しなければならない重大な問題です。いつの頃からアーチャーは、平気で他人の矢に触ったり、自分の矢を触らせたりするようになってしまったのでしょうか。多分、50+30mの競技の頃には、なかったように思います。

なぜ近年、アーチャーは他人に矢を抜かせたり、人の矢を抜くのでしょうか。それも試合で。
         「抜いていいですか?」
この的前での何気ない会話が、間違いの始まりです。

先に採点の終わったアーチャーが、自分の矢を早く抜きたいために、「抜いていいですか?」と聞くのです。それを聞いた同的の他のアーチャーは、「いいですよ」「どうぞ」 と答えるしかありません。ここに錯覚があるのです。まして最初に聞いたアーチャーが他のアーチャーより若かったり、キャリアが浅かったりするとなおさらです。
本当の会話は、「もう全員採点も終わって、チェックも入れたので自分の矢を先に抜いてもよろしいですか?」に答えて、「いいですよ、もう矢に触ってもいいので、どうぞあなたの矢は自分で抜いてください。」と言いたいのです。そして付け加えるなら、「私の矢は自分で抜きますから、そのままにしておいてください。」と言うべきです。
ところが、最初の矢取りで年長者に「どうぞ」「抜いてください」と言われた若いアーチャーは、抜いてくれと頼まれた、命じられたと勘違いしてしまいます。そして抜いてもらったアーチャーは楽を良いことに、それに甘んじるのです。

この悪しき慣習は、何にも増してアーチャー自身にとっての不幸です。真のトップアーチャーでなくとも、それを目指し憧れるアーチャーは必ず自分の矢は自分で抜き、抜いた後はシューティングラインに戻るまでに、すべての矢を毎回チェックするものです。ハネは剥がれていないか。ノックは真っ直ぐ付いているか。そしてシャフトは、割れてはいないか。それがアーチェリー競技における常識というものです。そして自分の矢を自分で抜くことは、自分の道具を大切にするということだけではありません。自分で的面から抜くことで、一本一本の的中位置と、自分の作り出したグルーピングを確認することができます。こんな当たり前のことをできなくて、弓がうまくなるはずがありません。
これからは、自分のために、そしてこれからの若いアーチャーのためにも、「私の矢は自分で抜きますから、そのままにしておいてください。」と、はっきりと言いましょう。そして、他人の矢に無造作に触ることはやめましょう。それがアーチャーの常識です。

少し話は変わりますが、昔海外の試合に行って、弓具検査の時にいつも感心していたことがありました。それはジャッジの弓の持ち方でした。弓を渡した時、グリップを持たないのです。
これは後になって教えられたのですが、アーチェリーの世界には、我々が知る「競技規則」とは別に「Judges' Guide Book」なるものが、FITAの時代から存在するのです。今見ると「2024年第9版」が最新のようでが、その冒頭には昔から、「このガイドブックは、WAルールブックに取って代わるものではなく、完全なものであることを主張するものでもない。疑問がある場合は、ルールブックを参照してください。」とありますが、競技規則より面白いことがたくさん書かれています。

1.1WA審判員
WAの審判員になることは名誉なことです。それに成功するかどうかは、
私たち一人ひとりの誠実さ、人格、知識、思慮深さにかかっています。したがって、私たちは競技の主人ではなく、競技の奉仕者なのです。そのため、私たちの義務として、私たちが適用するルールを熟知し、絶対的な自信を持ち、同時に威圧的であったり、過度に権威的であったりしてはならない。これは時として困難なことでもあります。

3.7.1検査手順
リカーブボウ
弓の全体的な外観をチェックし、全体的な構造の違いに注意する。
(a)ライザーに近い部分を持ち、弦を自分の方に向けます。決してグリップを持たないでください。あなたの手は汗をかいたり、サンオイルなどで、選手は、弓のグリップが汚れることを好まないでしょう。
(d) アローレスト、プランジャーボタン、ドローチェックインジケーターをチェックする。これらのアイテムには決して触れないこと。アローレストはピボットポイントから4cmを超えてはならず、どれも電気・電子機器類は使用してはならない。

他人の弓のグリップも矢も、勝手に触るべきではないのですが、もうひとつ面白いことが書かれています。

4.21 的中孔チェック
多くの選手は、実際のスコアエリアの内側と外側の両方で、ターゲットフェース上のすべての的中孔にマークを付ける必要があると感じている。バットレスやターゲットスタンドの脚にまでマークする選手もいる。
ルールでは、「矢が的に当たってはね返った場合、的面に当たった的中孔に応じて得点する。ただし、すべての的中孔にマークがされていなければならない。すべての的中孔がマークされ、マークされていない的中孔のマークが識別できる場合に限る。
的中孔の印付けは審判の責任ではない。競技規則及びこのガイドブックでは、特別な状況のときにのみ、審判員がマークすることを求めている。
(中略)
経験のある選手でさえ、正しくマークを付けていないことに驚かされます。選手には、5ミリ以下の短い線で穴をマークするように指導してください。
直角に2本の線があれば十分です。

インドア競技の場合、より良い照準点を得るために大胆なマーキングをする選手がいます。また、同じ目的で穴を大きくしている選手もいます。このようなことは絶対に許されません。的紙を交換し、選手に注意してください。

これも何十年も前から、全ア連の方や特に学連の方にお願いしています。しかしこんな簡単なことが改善されないばかりか、最近では良識あるアーチャーがケンカまで売られるのです。シャフトの直径より長いチェックを入れんなよ! 世界に行ったやつが手本を示すことやろ!

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亀井 孝のアーチェリーノート 貧しいアーチャーです。点数はお金で買えませんが、もしこの記事があなたのアーチェリーに幸運をもたらすと思われたら、チップをお送りください。 きっとあなたのアーチェリー人生は、素敵なものとなるでしょう。