ロッドを「辺」として、それで作られる「面」を感じる。
1978年 NAAインドア選手権で、ダレル・ペイスが使用したスタビライザーは、彼がコンピュータ解析によって最もトルクが小さく的中精度が高いと自作した「アップサイドダウンⅤバー」です。そしてドン・ラブスカはそれに似た「長方形」(rectangular)のスタビライザーを使っていました。

しかし、ペイスを抑え優勝したのは、「ダブルセットフロント」スタビライザーを使うマイク・キングでした。

スタビライザーの本数制限が解除されるのは1980年で、これらのスタビライザーはすべて「4本以内」のルールに適合しています。
しかし、このようなスタビライザーがアウトドアで使われなかった理由は、「重さ」です。当時日本では、すでにカーボンロッドが使われ出していましたが、写真を見てもわかるように、これらはロッドも含めてすべてが「金属」で作られています。非常に重いセッティングです。無風のインドアならともかく、風の吹くアウトドアでこれをコントロールするのは、至難の業です。

全日本実業団 優勝 651 (大会新)
そこで、この年のアウトドアで試してみましたが、全体がアルミとステンレス製となる結構な重さになり、風がきついとやはりコントロール性には欠けます。

それから30年。カーボン素材が一般化したお陰で、いろいろな既成のロッドが入手できるようになり、もう一度試してみることにしました。昔はフレームだけで「1kg」前後あった重さが、カーボンロッドを使えば「60g」の専用ウエイトを4個加えても、総重量はたったの「300g」です。

再度試した理由は、このアイデアの求めるものが無視できず、ずっとこのスタビライザーの「感覚」が、忘れられなかったからです。
例えば、今一般に使われているハンドルとセンタースタビライザーのブッシングがグリップの中にある「Eag;e-K」ハンドルを射ち比べてみると、挙動の違いを感じることができます。あるいは、今使っている普通のVバーのセッティングでも、グリップを握って振り回してみると、弓の中心線(ピボットポイント)ではなく、エクステンションバーの中を中心に弓が振られるのがわかります。
ところが、「長方形スタビライザー」は弓の中心線を上下2点で抑え、弓の動きを効率よく、確実に制御してくれるのです。それでいて弓の飛び出し感やコントロール性を阻害することなく、安定感もあります。真っ直ぐに弓が出て、残るのです。

どこかで「うちわ理論」の話をしたと思うのですが、この長方形に障子紙を貼ったことを想像してみてください。そこで作られる「面」が弓の動きを抑えるのです。止めるところは止めて、動く方向には動かしてくれます。
世の中にはいろいろなスタビライザーのセッティングがありますが、例えばあなたのⅤバーに貼られた三角の障子紙を想像してみてください。そのスタビライザーは、「どの動きを止める安定装置ですか?」

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